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「和製英語」はっち

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Photo by Mark Boss on Unsplash

和製英語ってどうやって生まれるんだろうと思っていたら、それが生まれる時代に立ち会ってしまった。コロナ関連の単語はその多くが和製英語だと思うが、とくに違和感を感じたのは「ソーシャルディスタンス」である。別に英語がペラペラだというわけではないが、普通に訳せば「社会的距離」となる。社会的、というのはどちらかというと人間の精神に関連する言葉のように感じられるので、最初聞いたときは「他人と心を通わせずに孤独に生きていきましょう」というような意味なのかと思った。おいおい、コロナってそんなに人を追い詰めるのかい、とびびったものである。

英語を習っている中学生とかが聞いたら、混乱しそうだ。なんでこんな言葉が生まれてしまったんだろうと調べてみたら、本当は「ソーシャルディスタンシング」らしい。公衆衛生学で使われていた言葉だが、社会心理学では「ソーシャルディスタンス」が使われていて、なぜか後者が広まってしまった…という話である。

この英語の使い分けもややこしいが、そもそもは、なぜわざわざ「ソーシャルなんちゃら」などと言い出したのか。「距離」でよくない?と思うのは私だけではないだろう。IT関連の用語など日本語の中にしっくりくる単語がない場合は別として、「それ、日本語で言えばよくない?」という言葉が近頃増えているように感じる。日本と海外の距離が近くなったからだろうか。もう日本人が新しい日本語を生み出すことはないのだろうか。

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