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「しゃぶしゃぶ」はっち

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Photo by Macau Photo Agency on Unsplash

甘い卵焼きを筆頭に、甘い煮物や甘いすき焼きはあまり好きではなかった。それで、家でちょっとごちそうをたべようというときは肉だったら焼肉かしゃぶしゃぶ、魚だったら手巻き寿司というのが長らく我が家の不文律だった。

ところがある年齢を境に「すき焼きもおいしい」ということに気づき、ごちそうメニュー候補にすき焼きが加わったのである。そうなると、しゃぶしゃぶよりすき焼きが選ばれるようになり、いつしかごちそうメニュー表から姿を消したのである。

だが、さらに年齢を重ねると、それほどたくさんのものを食べられなくなり、健康診断の様々な項目が気になるようになる。それでやむなく、というわけではなく単に肉以外の具材がたまたま全部揃っていたので、先日久しぶりにしゃぶしゃぶを食べた。いつもならポン酢だけのところを、大根おろしと青じその刻んだのも用意した。

すると、これがめちゃくちゃおいしい。すごくいい牛肉というわけでもないのに、肉らしい荒々しさとうっとりするような甘さがある。どうやら、ポン酢に入れた大根おろしと青じそがいい仕事をしているようだった。

薬味は完全に脇役だ。
「主役がいなくちゃ始まらない」というのは確かに本当なんだけど、「脇役もいなくちゃ続かない」というのも加えていいと思う。

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