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6月議会一般質問

こんばんは。貝塚市議会議員の八野ゆうじです。先の統一地方選挙でなんとか当選までこぎつけて、議員になって2カ月が経過しました。その間に初めての議会があり、一般質問を行いました。インスタライブなどでもお伝えしましたが、内容をNOTEにもまとめておこうと思います。

【1】貝塚市人材育成計画について
1⃣ 職員の離職防止について
貝塚市では、ここ数年、定年退職を待たずに退職する職員が多くおり(僕が言うのもなんですが)、市民サービスや政策推進能力の低下が懸念されていいます。今年度も29名の職員が退職しうち定年退職でない職員が22名(定年退職7名)に上りました。その分、新規採用職員が沢山採用されるのですが、あまりにもその数が多いと、経験不足の職員が多くなり、市民サービス低下の可能性があります。
また、早期に退職されてしまうと、せっかくその人に費やした研修や重ねてきた経験が無くなってしまい、次の世代への継承が不十分となってしまいます。

では、なぜ早めに退職してしまうのでしょうか。体調不良等やむを得ない事由もあるでしょうが、多くの原因は、⓵キャリア形成が困難であること、⓶異動がブラックボックス過ぎて不審と不満が生まれること、⓷課によって残業量の差が激しく不公平感が生まれていること。この3点と考えます。

まず、職員自身でのキャリア形成が困難なこと。貝塚市では人材育成計画のもとに人事異動を行っていますが、異動申告書は4年に1度しか書けず、3年で異動してしまった職員はそこから数えて4年なので実に7年も自分の意思を表明する場がありません。職員が唯一キャリアを振り返り人事課と対話できるチャンスが極めて少ないと言わざるを得ません。これでは「どうせ希望なんて考慮されない」と思われても致し方ないところであり、自分はどのような職員となりどのように貝塚市に寄与していきたいのかを考えることを放棄してしまいます。大局を見る目を放棄するとなると、離職に至らずとも、目の前の仕事だけこなすようになり、縦割りの中で作業だけを繰り返す原因ともなります。他市が多くしているように自身のキャリアを見つめ、どんな職員になりたいのかを表明する機会である異動申告書は1年に1度書けるようにする必要があると考えます。

次に、異動に対する説明不足。異動は時にはその人の人生を左右するほどの大イベントにも関わらず、「どうして自分がその部署になったのか」「市は自分に何を期待しているのか」「どうなって欲しいのか」などの説明を人事課や移動先の管理職からの説明はありません。希望も書けなければ、説明も無いとなると「異動ガチャ」と揶揄され、不審と不満だけ残ってしまう。職員だって5人しかいない部署に30人が希望を出しても全て叶えることは困難であることや、must(市がしなければならないこと)、can(個人ができること)、will(個人のやりたいこと)、がいつも重ならないことは十分承知しています。だからといって説明しなければ考えることを放棄し、「異動ガチャ」の結果、不審・不満が生まれ続けることになります。説明により不審・不満を納得・理解に変えて、モチベーションを向上させる取り組みが必要ではないでしょうか。

最後に、部署間の残業量の偏りです。毎日のように残業を強いられている課、季節によって月100時間や150時間の残業が発生する課がある一方で、比較的いつも定時で帰れる課が存在します。もちろん全課全職員が定時に帰れることが理想ではありますが、繁忙期も存在する中で致し方ないことはみんな分かっています。ですが、あまりにも偏りが過ぎるとそこには不公平感が生まれ、「残業ばかりの課になって最悪だ」「どうしてあの人はいつも楽なところばかりなんだ」と不満にもつながります。例えば育休明け直後の職員がそこに当たってしまったような場合は「子供が小さくて保育園に迎えに行かなければならないのは分かりきっているのに、なんでここなの!?」と離職の直接的な原因になる場合もあります。何がワークライフバランスなんだ?何が女性活躍なんだ?と思ってしまうわけです。例えば兼務辞令を発して午前中はA課で午後からはB課で仕事をするようにコロナ禍以降柔軟に対応してきた市の例もありますし、残業時「〇月〇日は〇時までお手伝いできます」とイントラネットにお手伝い掲示板を設けて応援体制を構築している市もあります。前者はトップダウン型、後者はボトムアップ型になるかと思います。どのやり方も完璧なわけではなく一長一短ありますが、やってみないと改善点もわからないので、まずは取り組むことが重要かと思います。

以上3点について、市の解答は、⓵現在4年に1度の異動申告書は当面変えることはできないが問題点は把握しておりキャリアを意識する方法を検討する、⓶希望者だけになるが異動の理由は今後人事課や異動先の上司が説明するようにする、⓷業務時間平準化に向けて他市事例を研究しながら取り組んでいく。と、かなり前向きなお答えをいただきました。

2⃣ 多様な働き方について
1⃣では離職に至ってしまう理由を考えてきましたが、育児や介護のためにどうしても離職せざるを得ないケースもあるかと思います。社会情勢もあり、未就学児を抱える女性職員が昇進や異動をきっかけに育児と仕事の両立を断念するケースも目立ちます。当然育児は女性だけが担うものではなく、男性も積極的な育休取得・育児参加が求められてしかるべきですし、まずは市が率先して男性の育児休暇取得を促し社会を変えていく努力は必要であると思います。
ですが、社会ではまだまだ育児・介護は女性がするものとの風潮が強く残っており、そのため仕事を断念する女性職員は後を絶ちません。しかし、育児も介護も永遠では無い。ある一定めどがついたときに、またキャリアの再出発がしたい、正規職員から会計年度職員になれば続けられる、昇進せずに、この課であれば続けることができる、といったケースも散見され、市としても今まで育成した戦力を維持できることから、一度退職した人を迎え入れる制度や、一部働き方を変える制度を作れないか提案しました。

これについては、現在の育児休暇や介護休暇の活用で乗り切っていきたいと考えており、現在以上の制度を考えるつもりはないとのことでしたが、本格的に人口が減少する中で、戦力確保は年々厳しくなってくるという前提に立って、貝塚市の戦力を落とさないように考えて行ってほしいと申し添え、【1】の質問を終えました。


【2】貝塚市プラスチックごみゼロ宣言について
貝塚市では令和元年に定めた「貝塚市プラスチックごみゼロ宣言」に基づいて、ごみの分別や排出量そのものを減らす取り組みを進めています。海洋プラスチックの問題は根深く、人は毎週クレジットカード一枚分のプラスチックを食べているとの研究もあります。年間ではヘルメット一個相当にもなりると。。。ガンプラ一機分くらいは食べていそうですね。なので、海洋プラスチックを減らすために、啓発や減量に取り組んでいくそれはとてもいいことで、ガンガン推進すればいいと思います。しかし、その実施要項の中で「市施設内でのポットボトルの販売を規制する」という項目があります。

ペットボトルは確かにポイ捨てされたら海まで流れ着き、マイクロプラスチックの原因になりますが、二色グラウンドなど体育施設でまでペットボトルが無いので、この酷暑の中、熱中症が懸念されます。そもそもペットボトルのリサイクル率は88%と高く、リサイクルされないまでもちゃんとゴミ箱までたどり着いた回収率は96%にも上ります。これは世界最高水準です。別にだからいいとは言いませんし今後も啓発は必要と思いますが、熱中症の危険がある施設からペットボトルを排除してしまうのはやりすぎなのかなと思います。趣旨と違うんではないかと。。。じゃあ缶ならポイ捨てしていいの?って理屈になりませんか?今や社会インフラと言ってもいいほど普及したペットボトル。回収やリサイクル、その啓発が大切なのであって、「売らない」はちょっと違うと思います。体育施設だけに限らず本庁などでも薬を飲む水がないとかちょこちょこ問題になっています。

じゃあ缶にすればいいという話もあるかもしれませんが、ペットボトルに比べて缶のキャップ付きはコストが高く、缶で行く以上はキャップ付きは少なくて普通のタブのついたタイプでないと業者さんの利益にならないそうです。ということは缶のラインナップをこれ以上増やすのも難しそう。

以上の理由を持って、せめて体育施設だけでもペットボトルの販売を再開しては?と提案しました。しかしこれについての市の解答は、マイボトル(水筒)の普及に力を入れますとのことで、もうすぐそこに来ている酷暑に対しての解答とは少しずれたものであったと感じます。

もっと突っ込めば良かったのですが、初めての一般質問だったこともあり、今回はここまでとなりました。この問題については、引き続き調査・研究を重ね今後の議会でも提案をしていきたいと思います。


以上がこの6月議会での質問概要となります。長文最後までお付き合いいただきありがとうございました!
 


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