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知らないことシャワー

去年の夏から、1日のうち4時間はフリーランスの仕事をして、あとの4時間はアルバイトをするという働き方にしています。これには理由がいくつかあって、フリーランスの仕事に恵まれないタイミングでも固定収入が最低限にあると助かるというのが1つ目です。

2つ目に、複業とはいえ、できる限り10時〜16時くらいまではフリーランスの仕事用に時間を確保しておきたいというのがありました。平日の昼間に会社員をしていると、打ち合わせや取材に対応できず、できる仕事の範囲を広げにくかったからです。

3つ目は生の体験・情報集めです。要するに、仕事を通してネタ探しをしたい、発想のヒントを得たいというわけです。この働き方に変えるまえは、IT企業で働きながらフリーランスをしていたので、コロナ禍ではほぼ自宅勤務でした。業界が業界なので、ほとんど出社しないで良く、いまだに一度もコロナに罹っていません。これは本当にありがたいことです。一方で、そこで働いていた間、業界外に関する知識が入ってくることは皆無で、初めての体験をする機会もほとんどありませんでした。

書く仕事を複業でしながら、ふと「あ。わたし思考が浅いわ」と思ったのでした。あるところで70記事を書いた頃には、どんどん面白くなっていたかった。ところが、「なんだかいつも同じような感じだなあ」と。家から出ずに、いつも同じルーティーンをこなしていると、どんどん面白くない人になっていくと思いました。

だから今、生の体験貯金に勤しんでいます。どこで働いているとはここには書けないけれど、ほぼ外国みたいな環境が固定のバイト先です。日本人より外国人と関わることのほうが多いので、新鮮なことだらけです。世界中の人と関わる機会に恵まれているおかげで、「こういうリアクションの仕方、好きだな〜」とか、「こんな人になりたいな〜」、「そんなことを思うのか!」など、刺激が多い。私自身、しっかり大人な年齢ですが、知らないことがいっぱいあります。知識と体験のシャワーを浴びているようなものです。

最近は、体力が余っているときに限り、その仕事とは別に単発のバイトにも行っています。これも4時間くらいの仕事ですが。自分が普段使いできない高級な場所で働くことが多く、これもまた良いです。好奇心がそそられる募集を見つけたときに応募しています。

しかし、単発バイトって、最近は数時間の仕事も増えているし、昔と比べてずいぶん手軽に仕事を受けられるから、働く人の属性がかなり広がっていると思いました。転職かなにかの事情で一時的に利用している人、副業として利用している会社員、WEB系フリーランス、主婦、学生、フリーター、純粋な日雇い労働者など。そして、けっこうご年配の方もおられます。

受け入れ先のスタッフが、単発バイトをする人へのあたりがきついケースもあるようです。きちんとした人も多い中、働きぶりがかなり残念な人が紛れ込んだときに、強烈なインパクトを残しているからではないかと思われます。実際に一度だけ、この人はやばいなという人を見たことがあるんですが、スタッフさんたちが警戒していました。

こういうときに限らず、スタッフさんの立ち回りなんかを見るのも勉強になります。やっぱりどの職場においても、想像力が豊かな人や好奇心が旺盛な人ほど仕事ができて、信頼を得ているように見えます。

そもそも、単発バイトをする人=日雇い労働者=仕事がまともにできない人。みたいな思考って、あまりにも雑だと思うのです。コミュニケーションをとらずに他人を自分より下の人間と位置づける行為なので。スタッフが足りないから募集をかけているにかかわらず、とても無礼ではないかと。

一方、フラットなかんじで「単発バイト、けっこう入ることがあるんですか?」、「普段、別の仕事もしてるんですか?」みたいな会話から自分との共通点を見つけて盛り上げてくれたりなんかする人は、やっぱり心地が良いのです。単発バイトなので、ここで働かなければならない理由はないのだけれど、またタイミングがあったらあそこではなくここで働こう!って思えます。

こうして生の体験貯金をしているなかで、しみじみ思っていることの一つは、日本人はリアクションが控え目だということ。プラスの感情のときは、もっとオーバーに喜んだり褒めたりを自然にできるようになりたいです。

私がこうなりたいなと思う人物像は、ヨーロッパのおばあちゃんです。この話はまたnoteで書きたいと思っています。

もうしばらく、知らないことシャワーを浴びつづけようと思います。




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