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リハビリテーションの管理職とは何をするのか?

結論

リハビリテーション職の管理職業務は、
治療に関する指示を医師が出す都合上
業務の「リーダー」は医師です。
リハビリの管理職は「マネージャー」
と言うポジションです。

その業務内容は下記の通りです。

・施設内のリハビリのニーズを数字に的把握。
・上層部に報告、計画や改善案の提示。
・上層部の経営理念の周知。
・ニーズに応じたスタッフの配置。
・計画に応じたスタッフの育成。
・スタッフの価値観を理解する面談の実施。
・上層部にスタッフからの意見を伝える。

売上と必要性(ニーズ)を把握したら
上層部に報告して
調整の業務を行います。

今回の記事を読んで頂ければ、
Excelで数字を把握する事は
管理の始まりであって
調整が主たる業務であると
分かってもらえると思います。

結論は、
プレイングマネージャーでは無理です。

こんな人に読んで貰いたい

・リハビリテーション管理職
・新人リハビリテーション職者
・医療・福祉の管理に関わる方

前置き

医療・福祉業界は
ビジネスモデルの変化が
非常に遅い分野です。

それは、スマホ以前の
携帯電話(ガラケー)だった頃の
文化のまま今日に至っています。

リハビリテーション職の観点で言えば、
平成30年より、
実習生に対する制度の改革がありました。

内閣総理大臣の指示で改革が進み。
令和2年の学生さんから導入されています。

これまでの職人職にあった
強い上下関係は禁止されました。
指導は基本8時間の
勤務時間内に行い、
自宅学習は1時間で収まるように
と明記されました。

そういう学生さんたちが
これからの医療福祉を支えると言うのに
現場のシステム整備は
されていません。

教育と社会が分離した状態
それでは、働き手がいなくなって
しまうのでないかと危惧しています。

実際に入職しても朝から晩まで
患者さんのリハビリに追われます。
更に、カルテと計画書の作成に
時間がかかります。
その為、管理について学ぶ
ゆとりはありません。

加えて、病院のリハビリテーション科
と言うのは不思議なもので、
次から次へと上の人が居なくなります。

特に多くの病院は
中間層がゴソッといない状況です。
昔ながらの背中を見て育つ
と言う機会も少なくなっています。
つまり、上層部が意図的に育てないと
管理職が育つ機会すらありません。

だからこそ、
リハビリ職における
管理職が何をするべきなのかを
知って頂き、良い環境づくりに
貢献したいと考えました。

それは良い医療・福祉が維持されることを
願ってです。

リハビリ管理のお客様は医師である。

ビジネスの世界で言う所の
リハビリテーション科の商品は、
リハビリテーション専門職者達です。

この商品達をニーズに合わせて
育てる事が管理職の役割です。

しかし、困った事にリハビリ管理職の
ニーズ分析の対象は
患者さんではありません。

リハビリを処方する医師なのです。
言葉を繕っても本質はここです。

つまりリハビリテーションは、
BtoBのビジネスであると言えます。

患者さんが満足しても、
医師が満足しなければ、
次のオーダーには繋がりません。

逆にお客様満足度が低くても
医師が満足していれば、
次のオーダーに繋がります。

管理職は医師に満足して貰える様な商品を育ててなくては意味が無いのです。

(患者さんの満足度が医師の満足度と一致していれば問題はありませんが…)

リハビリ業務をビジネス用語で整理

リハビリの仕事を
ビジネスの言葉に合わせると

リハビリテーション処方箋(依頼)が来たら
決められた納期(パス等)までに
決められた方法(手法・手技)で
成果(機能の改善)を出すビジネスです。

つまり本質はライン作業です。
まずはライン作業を安定させることが
大切な業務です。
ラインが正確に流れているかを監督します。

例 
パスに従ったスケジュールで訓練は進んでいるか?
計画書、申し送りは作成は滞っていないか?

特殊な事例への対応があります。
ここもリハビリの管理職が
マネジメントすべき内容です。

リハビリマネージャーの役割

【タスクの進捗管理】
前述した、ライン作業の管理が該当します。

【チームの人員管理】
ニーズに合わせて必要な人員を調整し
シフトを作る事も大切な業務です。
一日10人しか来ない所に5人配置
等は流石にやらないと思います。

【コーチング】
スタッフの経歴や希望、目標を
確認することも大切な業務です。
これがない職場は多く、
スタッフのモチベーションが低下
離職に繋がります。
職員が定着しない施設はだいたい
ここが出来ていません。
挙句の果てにコーチングが「支配」
「洗脳」と勘違いしている
マネージャーも多い現実があります。

参考図書:世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法(kindle版)

リハビリマネージャーの業務

医師がAと言う治療方針で
Aに即した「可動域拡大訓練」を
依頼しているのに、
勝手に「歩行訓練」を加えることは
原則禁止されています。

このケースでは、医師が求める
可動域訓練を行えるスタッフを拡充すること
それが、マネージャーの業務です。

【マーケティング】
依頼者(医師)が求める
ニーズを分析する為にデータを集める。
データを元にスタッフの育成計画作成
そして、実行する事が求められます。

【営業】
より良いサービスを展開できると考えて
採用して貰える様にプレゼンをする。
そして、最大の仕事は
自分がマネジメントした商品(スタッフ)を
医師に売り込むのことが最大の仕事です。

具体的マネジメント例

マーケティング
院内での治療方針や患者さん、疾患像から
△△療法が有効ではないかと案が出た。

コーチング及び、ミーティング
スタッフミーティングとヒアリングの結果、
療法士〇〇が関心がある事が分かった。
講習会への参加を経営陣と相談。
院内で取り入れている方法では無かった為、
出張扱いにはならなかった。

〇〇に伝えると、自己研鑽の為
自費でも行ってくる事を確認した。

後日…。

営業
△△療法の資料を提示しながら…

マネージャー「〇〇は△△療法の講習を修了しました。△△療法は□□医師の治療方針にお役に立てると思います」

医師「では、今度プレゼンをお願いします」

営業+スタッフ育成
プレゼン資料の作成を〇〇に指示。
完成後資料の確認。
スタッフ内でプレ発表を設定。
プレゼンの運営。

プレゼン後…

医師「内容は概ね理解しました。既に担当して貰っている××さんには私から説明するので、実施して成果を症例報告して下さい」

〇〇に症例報告の評価、資料作りを指示。
資料の確認。
スタッフ内でのプレ発表を設定。
症例報告会の運営。

医師「良い効果が期待できそうですので、追加で10名ほど実施して報告をお願いします」

〇〇に報告の為の評価、資料作りを指示。
資料の確認。
スタッフ内でのプレ発表を設定。
報告会の運営。

医師「改善例が多く、良い療法なので当院でも正式に採用しましょう。」

マネージャー「〇〇も頑張った内容の為、県の療法士学会で発達させてあげたいと思います。先生のご指導も賜れればと思います。」

医師「分かりました。学会への発表から論文投稿まで頑張りましょう」

〇〇に学会用の抄録及びスライド作りを指示。
資料の確認。
スタッフ内でのプレ発表を設定。
学会への同行。
論文の作成指導。

この様な流れをとおして、
現状の把握とスタッフとのコミュニケーション
営業の展開、プレゼン、スタッフ教育と
施設の質の向上までのマネジメントです。

1つの事例でこれですから
スタッフの人数で考えたら
大変な作業になる事を
イメージして頂ければと思います。

まとめ

マネージャーの最大の役割は、
スタッフの売り込みと表現しました。
しかし、執筆後に考えが変わりました。

このマネジメントをつづけること。
スタッフのモチベーションを続けること。
医師、経営者の信頼を得続けること。

この続けることが大切な役割である
と考えを改めてました。

続けることが続いている事が
安心感に繋がり、
職場の「心理的安定」にも
繋がると思います。

今回は割愛していますが、
これらを実行するには上方向にも下方向にも
良く話を聞くことがマネージャーに
求められる仕事であります。

これからリハビリの管理職として
頑張られる方の参考になればと思います。

おまけ記事

ここからはホンネトークです。

本編とは関係ありませんので悪しからず。

マネジメントを見る機会がないと言う件で、
中間層がゴソッと居ない病院の話を
出しましたが…原因は察しの通りです。
最早その様な場所は入職する事すら
デンジャーと思います。

例えば…近日、とっても危険な感染症が
流行っていて、頑張っている医師や看護師の
経費をケチって
建物に投資してる病院なんかもあるそうです。

そんな所でマネジメントを
任されたら精神的に潰れます。
自己研鑽が目的の入職なら
その段階で退職する事をオススメします。

今時は、
オンラインでも勉強会は増える一方ですし、
「貴重な病気を見れる」とか
言う方も見えますが…
貴重な病気を見ること事態が
稀ですから
ビジネスの観点から考えれば
実はロスです。

リハビリに限って言えば、対象が変われば、
やり方が変わるので、
他の疾患に経験が活きづらい
のが特徴です。

皆さんは商売を始める時に、
日本で100人しか居ない
お客様をターゲットに商売しますか?
それとも100万人のお客様がいる
商売をしたいですか?

お客さん層が多い仕事をした方が
ビジネス観点では良いと思います。

更に困った事に、医療のリハビリは
疾患や経験年数で
値段は変わらないので、
顧客が少なかったら
特異の疾患を担当する
メリットはありません。
(やり甲斐はめっちゃあります)

現状では、20年ほど特定疾患の方と
関わり続けたベテラン療法士でも、
新卒者がやっても値段は一緒。
…やり甲斐はあるけど
…還元はされません。

対象の方からすれば
ベテランの方が良いと
思うと思いますが…。

あと疾患が特殊過ぎて、
対処的なリハビリは
経験するだけ無駄です。

見学することには意味があります。
見学を通して、関わり方を学べます。
特に対象者の価値観に
触れられる経験は貴重です。
対象の方からすれば安心感に繋がります。

仕事選びに関しては、入職前に
前任者の状況をよく見て選びましょうね。

少なくとも、年間スタッフの3割も
辞める所は…
長居する場所じゃありませんね。
3年でスタッフがほぼ入れ替わる
計算ですから。

以上
最後の愚痴にまでお付き合い頂き
ありがとうございます。

最後まで見た皆さんに朗報です。
愚痴を要望に置き換えた時、
最高のビジネスが待ってます。

愚痴が出る度にビジネスを
アップデートするチャンスなのです。

愚痴がチャンス!
それがこの記事を書く際に参考した
書籍に書かれていた内容でした。
流石世界最高峰のgoogle様ですね。

活動にご賛同頂けましたらサポートをお願い致します。頂いた資金にて児童発達支援及び放課後等デイサービスの設立を目指しています。