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自己制御の発達と支援

 今回ご紹介するのは支援のための発達心理学シリーズからになります。

 皆様は自己制御できてますでしょうか?
 私はあまり得意ではありません。

 この本では子ども〜大人になるまでの自己制御に関わる発達が書かれており、支援者以外でも自己制御あまり得意ではないなぁという方にもオススメできます。

行動抑制・注意機能・ワーキングメモリ

 今回自己制御に関連した機能TOP3になります。
 これらが高機能である人は自己制御はできていることでしょう。
 
 目的(目標)がなければ自己制御は必要なくなるので、目的達成を念頭としたまとめが下記になります。

 ワーキングメモリによって目的に関連した情報(脳内や現前事象など)の取捨選択を行い
 課題以外の刺激に対して抑制をかけつつ課題を継続する
 上記2つの処理を行うために適時注意を適切にかけ続ける

 ・・・のが自己制御の考え方…と私は感想として持ちました。

行動抑制と自己制御

 個人的には行動抑制が自己制御にイメージとして結びつきやすいのではないかと思っています。

 誘惑に負けそうなときや、楽しくない課題(勉強や仕事とか)をするために今やっていることを中断するなどといった抑制が自己制御のイメージに結びつきやすいのではないかと思います。

 自己制御の一つではあるものの、その他にも自己制御に関わる人の機能は色々あるようです。

 ここからは本書以外にも学んだことも含めてざっくりと説明したいと思います。

注意機能と自己制御

 自己制御に関係する機能として注意機能もその一つになるようです。

 これは自己制御という言葉とイメージが結びつきづらいかもしれません。

 それというのも注意にも色々ありまして、一般的には「〇〇に注意してね」とか、喚起的な意味合いで使われることが多いでしょうか?

 自己制御的な注意としては選択的注意やら分配性の注意やら持続性の注意やらが言われております。

 簡易に注意と自己制御と結び付けてみますと、状況に応じて必要なところに注意を切り替えたり、向け続けることができれば、自己制御出来てるという話ですね

 出来ていない例として、宿題という目の前の課題に注意を払わねばならん時に、周囲の音に反応して注意が切り替わってしまい、宿題が手につかなかったりという例はよく経験する所ではないでしょうか?

 注意とは不思議なもので自分でコントロールしにくいんですね。

 周囲の環境によって変化しやすく、逆を言えば環境を整えると望む形に注意をコントロールできることもあると思います。

 また勉強を例にあげますが
 図書館や、ファミレスなど、場所を変えてみたり
 同じ学習課題を持つ人と一緒にやってみたり
 音楽を聴きながらやってみたり
 運動後、運動中にやってみたり

 リビング学習が良いと言われているのもこの辺が理由かもしれません。
 保護者さんから注意喚起(注目や声掛けや教えてもらったり)があったり、注意を取られるもの(漫画やゲーム)が置いてなかったり。

 環境によって調整ができることを念頭に置いておくと、行動抑制が苦手だなーという時の手段の一つとして、使えるのではないでしょうか?

 ちなみに私は多用してます。(普段から注意を向けれる事物・事象と注意を向けなければならないものを併用したり、周囲の情報を遮断してみたり)
 ここでは述べてませんが、習慣化というのも一つの手かもしれませんね。

 さて、ここまで一つのものに注意を向けれないと困るよって話をしました。

 注意を保ち続けるのは一見良さそうに見えますが、過集中と呼ばれる状態になりやすい人は、方向性を見誤るとゲーム、アルコール、ギャンブルなどで痛い目にあいやすかったり、事故のリスクが上がったり、人の話を聞かない人と思われたりと、いきすぎると生命の危機を招いたり社会性の低下を招くことがあるようです。

 なので注意を状況に応じて切り替えたり、適量向けられることが大事になるといった所みたいです

自己制御とワーキングメモリ

 ワーキングメモリは聞いたことはあるでしょうか?
 PCのメモリに例えられることが多く、一時記憶とも言われたりします。

 人の脳にも一時的に情報を貯蔵する所があるらしく、その情報と言えば視覚的、聴覚的なものをイメージしやすいでしょうが、感覚的なものも含まれ心像という言葉で一括りで表現されることもあるようです。

 ワーキングメモリは貯蔵だけでなく何か行動に移す際にも使われるようで計画を立てることや自己評価から行動修正したり。

 瞬間的な判断を行う時、注意機能によって取捨選択された情報を過去の情報と照らし合わせて実行に移す際にもワーキングメモリを利用しているそうな。

 ワーキングメモリの容量が少ないとどうなるのか・・・例としては子どもだと目の前のことが全てと思われるような行動をしたり、大人ですとその日暮らしといった短いスパンでしか考えられなくなるといわれているようです。

 ADHDの子ですとWMの問題か、衝動的な問題か、注意の問題か、はたまた全部なのか?
 疾患名がつくレベルですと薬などが処方されることがあり、問題となる原因をある程度判別しないとそれに効く薬の選択に繋がらないため、心理検査が重要視されるところもあるようです。

 話が逸れましたが・・・

 支援の発達心理学シリーズは2018年前後で発刊されており、昔から療育をされている方の情報アップデートに役立つのではないかと思います。

 内容は少し固めで、興味本位で手を出すと意味の分からない語が出てきて話が入らないかもですが、100P前後でそこまで時間をかからず読み終わるので、個人的にはおススメのシリーズです。

書籍情報

このリンクから購入しても利益相反はありません。
書籍情報の確認として貼っておきます。

最後に

 今回紹介した内容に著作権に触発する記述等ありましたら、ご報告ください。即時対応いたします。

 ここまで読んで頂いた方ありがとうございました。

  もしよければまた来週noteでお会いしましょう。

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