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【学術集会】読み書き障害の早期支援【聞いてきた】第20回発達性ディスレクシア研究会

 私は合同会社はびりSPOTのCOOですが日々児童発達支援&放課後等デイサービスで言語聴覚士・保育士として支援もしています。

 日々講習や書籍などで学んだことをアウトプットし、学ぶことの大切さや療育を全てのお子様に提供できたらと思いつつ、少しでも役立つ情報を発信できるよう書き綴っています。

キーワード

発達性ディスレクシア 学習障害 早期発見 早期対応 原因 補完(改善) HoeftFumiko教授

まとめ

 発達性ディスレクシアは読み書きに対してアプローチをするだけではなく、レジリエンス(認知/言語、社会・情動プロセス)を高めることが重要。

Introduction ディスレクシアってなに?

 ディスレクシア研究会で聞いてきた話を語る前に発達性ディスレクシアとは何なのか?というところから話す必要があるかもしれません。

   簡単にいうと・・・

 小学校に入る前後にひらがなが読めない子が該当するのではないかと考えられます。

   だがしかし・・・

 学習経験の差や困難度に主観的要素が絡むといったことや読めない理由も多岐に渡ります。(興味関心、読解力、ワーキングメモリ、音韻意識、注意面、視覚認知etc)

   なので・・・

 ひらがなが読めないからといってディスレクシアだ!と言われるわけではないです。※そもそも診断はお医者様の仕事なので言えません

   補足として・・・

 読みに困難さが見られると自然と書きもできないことが多く、発達性ディスレクシア研究会では発達性読み書き障害と包括されるようです。
  
 発達性書字障害はディスグラフィアと聞くことがありますが知名度はディスレクシアより高くない印象です(主観)

Subject 言語聴覚士でも難しいかも

 発達性ディスレクシアの研究をされている方には通じる話なのかもしれませんが、言語聴覚士の中でも読み書きに困難さを抱える子の支援をしていない方では難しかった印象です。

   理由として・・・

 検査内容など知っていること前提で数値が出てきますし、理論背景などもディスレクシアを学んでいなければ知りえない内容ではないかと思われるものが多岐に渡って出てくるからです。

 今回参加した研究会に限らずですが、学術集会は抄録という論文集(?)があり、普段から論文を読む習慣がない人には見るだけで辛いといったこともあります。

 発表時には多少かみ砕いた説明がされることがありますが、発表の時間は短かいので先に抄録を読み込んでおかないと意味が入っていかないことがありハードルの高さを感じるところだと思います。

  筆者でも・・・ 

 話についていけないことがあるレベルでした。発達ディスレクシア研究会やLD学会に限らず学習障害について専門的に見れるのは言語聴覚士だといわれることがありますが、それは名ばかりで専門性を担保するためには特定の分野に対して深い知識と高い理解力が必要性だとを感じる所です。

Contents 読み書き障害の早期支援について

 
   研究発表では・・・

 運動覚、視覚性注意スパン、書字の流暢性、UDフォントの効果に関係したものなど興味深い物があり、教育講演では海外からの知見を聞ける機会がありとても参考になりました。

   教育講演では・・・

 早期支援について当施設が就学期前後の読み書きに力を入れていれているので特に関係すると思われる話ではありました。

 お話して頂いたのはHoeftFumiko教授でUSAで活躍されている方のようです。

 話して頂いた内容は英語でほぼ理解できなかったので、スライドで示されていた内容から分かる範囲でですが、一部紹介していきます。

   海外では・・・

 教育講演は演者の研究や経験に基づいた話を行うことが多いです。日本との違いとして経験談がほとんどなく、数値に基づいたデータが基本であり例を出すとしても著名人を使い理解しやすくする工夫を感じます。

   数値に基づいたデータとして・・・

 負のリスク要因でどの程度の確率でなりやすいか、例えば、うつ、不安障害、高校中退、ADHDといったことの起こりやすさなどが倍率で表現されていました。

   早期対応は何をすれば・・・

 早期対応により予防することでリスクを減らせることがあるようです。しかしそれは読む練習を行うことではなく、レジリエンスと呼ばれる回復力、しなやかさに注目した考え方でした。

 恐らくディスレクシアの素因(脳機能で示されていました)がある子は読むのが苦手で読むのに時間がかかったりしんどかったりすることが言われています。

   それでも・・・

 何度も読もうとする目的や環境があったり、こうやったら読みやすい、理解しやすいといった工夫ができる力の方が大事なのではないかという所ではないかと思います。

   筆者の感想として・・・

 支援者は本人が読むことのしんどさに耐えられる力やしんどくても読みたくなるような知識欲を育てること、読みたくなる環境を整備することなどでリスクを軽減できるのではないかと話を聞いて考えていました。

 特にADHDの子は実行機能、抑制機能と言われる部分に課題があると言われています。

 読むのには高い注意維持が求められ、読むこと以外の事を考えないようにし、気持ちをその場に留めておくような抑制機能が必要であったりすると思われます。

 よく座って落ち着くのが難しい子が読めないのは言われがちで、臨床上、散見されることではあったりするのですが、それをデータで示しリスクがあるとしっかり公言していくことの重要さを感じたところです。

最後に

 脳機能やら、遺伝的要因、環境的要因など、様々な話を聞きましたが、結局のところ読み書きの支援として出来ることは、お子さんが日常を落ち着いて過ごし、周囲からの話を聞いたり、ゆっくり話したりするような活動をできるようにしていく所なのかなぁと思います。

 こういうざっくりとまとめてしまうところが自分の理解力が高まらない所なんだろうなぁと思いつつ、また聞いてきた話で役に立ちそうなものがあればまとめて行きます。

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