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神の恵みの土地

「God’s Own Country 」

観終わった。
きっと今日はよく眠れそうな、
すごくあたたかい気持ちです。

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ヨークシャーの風景は
まるで
心を取り出して広げたものに見えて
たった104分の間に
あの二人の事が大好きになった

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ずっと
これまでよく見ようとしてこなかった
よく知ろうとしてこなかった感覚を
ここにあったんだよって
そう、それでいいんだと
静かになぞられているみたい。

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誰かの心が開く瞬間は
夜の去っていく明け方
小さな植物たちが息をとめて
雲の切れ間の
ぼんやりと明るい場所をそっと見つめて
そして静かに息を吐くような

そういうものなのかもしれない
繊細に描かれた心は
ただただ眩しかった。

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二人がお互いをかけがえのない存在だと
気づいたのは

誰も訪ねてきたことがない
自分でも忘れてしまっていたような
心の一番底にある小さな部屋、
孤独感や悲しみ
形容し難い想いがしまってある場所。
並んで 丘の上に立った

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たぶんあのとき、お互いの中に
同じ部屋を見つけたんじゃないかって

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それは相手を通して
新しくて懐かしい景色を、
もう一度自分を見つけたような感覚なのかな

そういうのを感じたことはないけど、
きっと決定的な瞬間で
自分の一部、かたわれの存在かもしれない。
短い人生でそういう人に会うなんて
ほとんど魔法みたいにも感じる。。

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勝手な想像で
ここまで書いておいて
本当は
理由なんてどうだっていいとも思ってる。

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全部の言葉を超えて
ただ本当に全部がありのまま愛おしかった

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観終わっても
乾かない絵の具が徐々に滲んで
広がっていく感じが
とても心地いいです。

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二人がこの先も幸せでありますように。

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2017年に出会った

この映画が、今も自分の中でずっと続いているように感じるのは
描かれていたのが、幸せとは何かを探す術を見つけた、小さな始まりの部分だったから。

ルーマニアからの移民であり、牧畜の能力に長けた雇われ労働者ゲオルゲと、殆ど寂れた農場を技術もなく支えていかなくてはいけなかったジョニー。
2人が出会ったのは、そして互いを必要としたのは搾取する側とされる側だったからだろうか…?

そうではない心を無数に集めながらも、
既存社会の構図やそれぞれのルーツや過去と
向き合っていく覚悟
並んで立ったこの場所を
始まりにすると決めた物語。

だから時々、彼らは今どうしてるかなって考える。

きっと生活は続いてる。
すべての場所で、どんな形でも。
そう思わせてくれた明け方の光を
見ていたと思う。

2人に、
4人に会えてよかった。
大事な作品です。

おしまい

<スケッチの元になった映像や画像>
「God’s Own Country 」2017
Francis Lee
映画のトレイラー、または公開されている画像、Gifより。
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