属人的な仕事は排除すべきか?
長いことコンピューターシステムを利用した業務改善や改革にたずさわっていると、属人的について否定的な意見が飛び交います。
しかし同時に、専門性の高い仕事や独自性の高いサービスには、属人的な仕事になることは避けられません。
ところが、私が活躍するシステムエンジニアリングや経営コンサルタントの分野は、高度になればなるほど人が限られてしまうので、”属人的な仕事”が当たりまえとなっています。
果たして、属人的な仕事は本当に”悪”なのでしょうか?
属人的な仕事と、これに類似した「相手合わせたきめ細やかなサービス」は、どちらも顧客との深い関係構築を重視する点において共通しています。
しかし、いくつかの重要な違いがあります。
属人的な仕事
特定の顧客担当者が顧客と長期的な関係を築き、顧客のニーズを深く理解した上でサービスを提供します。
担当者は顧客のニーズに合わせて柔軟に対応し、顧客にとって最適な解決策を提案します。
担当者の経験や知識がサービスの質に大きく影響します。
相手合わせたきめ細やかなサービス
顧客の属性や行動データなどを分析し、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供します。
顧客とのコミュニケーションは、チャットボットやAIなどの自動化技術を活用することで効率化されます。
属人的な仕事よりも標準化されたサービスを提供することができます。
顧客のニーズの変化に迅速に対応することができます。
まとめ
属人的な仕事は、顧客との深い信頼関係に基づいた、より個別化されたサービスを提供することができます。一方、相手合わせたきめ細やかなサービスは、自動化技術を活用することで、効率化と標準化を実現することができます。
結局のところ、どちらが優れているというわけではなく、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、顧客のニーズに合ったサービスを選択することが重要です。
事業リスクについて
また、これらの特性の中には、事業リスクも当然存在します。事業リスクの存在を認識し、経営としてどのように対策を講じるのか考える必要があります。
属人的な仕事
● 特定の顧客担当者が顧客と長期的な関係を築き、顧客のニーズを深く理解した上でサービスを提供します。
● 担当者は顧客のニーズに合わせて柔軟に対応し、顧客にとって最適な解決策を提案します。
● 担当者の経験や知識がサービスの質に大きく影響します。
● 担当者の離職などにより、サービスの質が低下する可能性があります。
相手に合わせたきめ細やかなサービス
顧客の属性や行動データなどを分析し、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供します。
顧客とのコミュニケーションは、チャットボットやAIなどの自動化技術を活用することで効率化されます。
属人的な仕事よりも標準化されたサービスを提供することができます。
顧客のニーズの変化に迅速に対応することができます。
市場変化により提供サービスが顧客ニーズと合わなくなってきた場合、市場からの撤退を余技なくされます。
これらを、ビジネスモデルとして、例を挙げるならば、
属人的な要素
他の旅館では雇用されていない、腕のいい板前さんが大勢いる。
その板前さんは美味しい料理を作り出せる
板前さんは、職人気質で自分の仕事にこだわりがある。
”きめ細やか”
あまりない。むしろ他店では実現できない”独自のこだわり”がウリ
ビジネスモデル
その料理、独自な雰囲気を目当てで高額な対価を支払う顧客が来店する。
となります。
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