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お金持ちだと勘違いされて頭を抱えるフリーランス主婦。



よい歯医者探しは、よい仕事探しと同じくらいむずかしいことなのではないだろうか。

数年前、引っ越しを機に歯医者さんを変えた。当時は不妊治療にお金をかなり費やしていた。年間100万円以上。とほほ。(我が家はごく一般的な家庭でぜんっぜんお金持ちじゃない。わたしは半額の肉に直進するタイプの節約主婦。)


不妊治療というのは、とんでもない金銭感覚のバグを引き起こす。

当たりが入っているかどうかわからないドリームジャンボを、それでも信じて買い続ける感じ。30万円出しても50万円出しても、当たりはあるかはわからないけど、出すしかないから出す(今は保険内の治療にすればそんな金額にはならないのかな)。約17万円の検査を受けて、たいした原因が見つからなかったなんてこともあった。


そんな世界で生きていたら、たいていのことが安く感じられるようになった。不妊治療以外の病院に行って会計が3000円くらいだと、あらあらこんな金額でいいですの?と金持ちのようなことを思う。


そんな身の丈に合わない金持ちマインドで新しい歯医者に転院してしまったわたし。昔治療していた歯に、先生の一番のおすすめだというその歯医者でもっとも高い素材の白いかぶせもの(セラミック)を入れてもらうことにした。「7万円です」「はい!」「15万円です」「はい!」。15万円出して確実に長持ちするきれいな歯が手に入るなら安いもんじゃんと思った。


すると、何が起こったか。通い始めたころは先生も「高いんですけど〜保険内のものより長持ちします〜」という感じだったのに、しだいに「これがいいと思います!」というような感じで最初から一番高いものを提案されるようになった。たとえば、寝るときのマウスピースも保険内のでいいのに、「望月さんには保険外の3万円のものをおすすめします!」などと言われる。


完全にお金がたっぷりある患者だと勘違いされている。
と思う。

予約を取るときも毎回「いつでもいいですよ」とわたしが言うもんだから、「望月さんはいつでも大丈夫でしたよね」と受付のスタッフさんの方から言われるようになった。これは、働かなくても生きていける資産家か何かと勘違いされている可能性も否定できない。一張羅のファーのついたコートを着て行ったのもよくなかった。

自分の仕掛けたミスリードに、自分がいちばん踊らされている。

歯はだいじ。お金をかけるべきところだと思っている。きれいな歯になって後悔は何もないし、将来の健康ための投資とも思う。

でも、もしかしたら今後保険内を選びたい状況になることだってでてくるかもしれない。いや、きついならば保険内の治療を選択すればよい話。だけど、わたしは、断るのがなにより苦手なのだ。

これがいいと言われたら、そうすべきなのかと思うし、安い方を選んだらなんと思われるかな、なんて考えちゃう。この性格だから、金持ち設定はこまる。


今は歯がきれいになり治療は必要ないけれど、定期検診に行くたびにはらはらする。この先生、腕はめちゃめちゃいい。せっかく白くてきれいな歯になったから、もう新しい虫歯はつくりたくない!


とりあえず、歯をしっかり磨くこと。ときには断るスキルも磨くこと。は!なんだか、うまいこと言ったみたいになってる。



おわり

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