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(31)ネットビジネス進化論

人はコミュニケーションに、お金を使う。

LINEスタンプはスタートから5年で累計690億円を
超えている



【人格がバーチャルなアバターによって形成される時代】


今の子供たちにとってはじめて他人と出会う場所は公園の砂場ではなくゲームの中。
ゲームの中ではアバター自体が一個人の人格。
分人論のように、リアル社会でも人間は相手や環境によって複数の人格を使い分けている。


「◯◯映え」の因数分解
機能価値ではもう差別化できないから、

感情価値

のほうが大事になる。
それによってできたのが、「インスタ映え」をはじめとする「◯◯映え」文化です。
「◯◯映え」が意味するのはただの見た目の良さだけではありません。
そこには、流行に敏感な自分を見てほしい、自分のこだわりを認めてほしいという

「承認欲求」

が込められていることもあれば、他人の目線よりも自分にとってどう映るか、自分らしさを追求して輝いている自分が好きという

「自己実現欲求」

が隠されていることもあります。
相手が何を求めているのか。所属欲求なのか、承認欲求なのな、自己実現欲求なのか。
同じ「◯◯映え」でも解像度を上げて因数分解していくことで、ビジネスの打ち手はいろいろ変わってくる。


スリーピングビューティ
サービスを使い切らないスリーピングビューティがいるから、みなさんはいまのままの値段でサービスが享受できているのです。
だからスリーピングビューティの存在を加味しながら、みなさんな使いやすい価格設定をするのがサブスクモデルの成功の秘訣になります。


「ハイプ・サイクル」で技術のトレンドをつかむ
新しい技術が登場すると、まず「過度な期待のピーク期」を集めてバブルの様相を示したあと、実用化までの道のりが意外と長いことを知って一旦、「幻滅期」に入り、そこから時間をかけて実用化への道を歩み、最終的に「生産性の安定期」を迎えると言うサイクルを描きます。



「よっこらしょ」の壁を乗り越えたら、普及へまっしぐら

例えば、キャッシュレス決済で注目されたQRコードは実はガラケー時代からある技術です。
QRコードは紙に印刷すればいいだけだしガラケーといってもカメラ付き携帯だからすぐに普及しそうなものですが、最初の4年位はほとんど動きませんでした。それが4年後に急に動き出したのは携帯のカメラにオートフォーカス機能が付いたからです。
それまでのカメラは、焦点距離が固定されていたので、QRコードを枠内にうまく収めるために、携帯の方を動かさなければいけなくて、それが結構面倒でした。
ところが、携帯のカメラにオートフォーカスが入った瞬間に、すぐにQRコードに焦点が合うようになって、みんなQRコードを使うようになったのです。

これが「よっこらしょ」の壁です。

携帯のカメラにオートフォーカス機能を入れた人たちは、写真をきれいに取りたいという、ユーザのためにやったのであって、まさかオートフォーカスがQRコードを普及させると思っていなかったはずです。
これもある技術の発展が、別の技術のブレイクスルーにつながった例の1つです。そして、「よっこらしょ感」が取り払われた瞬間、QRコードが は広がっていったのです。

「ネットビジネスの未来」機能価値から感情価値へ
人がお金を払う基準が移ってきています。
昨日歩行は既に満たされつつあるだけでなく、パクられやすい。
しかし、誰とどういう風に楽しむのかと言う感情価値は他のものでは代替できません。
だから、機能価値が行き着くところまで行けば次に来るのは、感情価値による差別化です。
機能価値によるバリュージャーニーは、2次会のお店探しは行こうと思っていた店が満席だったり、近所に適当なお店がなかったりして意外と面倒ですがアプリが「今入れるお店のリスト」を提案してくれれば便利です。お店が決まってタクシーで移動することになったら、人数分のタクシーが勝手に来てくれて、わざわざ行き先を説明しなくても自動で連れて行ってくれれば言うことなしです。
当面はこうした機能価値を追求するだけで競争優位に立てるかもしれませんが機能はすぐに真似され、コモディティ化する運命。
そこで登場するのが、

「感情価値によりバリュージャーニー」

というわけです。
二次会への移動のタクシーも、感情価値を加えると、例えばカップルになる確率が高い2人を同じ車に乗せたり、タクシーのラジオからみんなの思い出の曲が流れてきたりすれば盛り上がります。実際、ニューヨークのリフトは、自分のSpotifyの、ミュージックリストにある曲をかけられるようになっています。
このように線でつながれば、ユーザのあらゆる行動に寄り添えるから、仲の良い友達が思い出を深めるために集まったと言うシチュエーションに対してどれだけ感情価値を出すことができるかが、サービス設計の決め手となっていきます。
最初からそういう枠組みで考えていけばユーザーは喜んでお金を払ってくれるのです。



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