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ブラック企業は『真ん中』を排除する。

 『真ん中の人』と言われる人たちがいます。
 立場ではなく【能力】の話ですが、とりわけ良いわけでもなく、ことさら悪いわけでもない人たちですね。

 能力が真ん中の人たちは、能力が高い人と低い人の『橋渡し』や『中間』の役目になり、《つなぎ目》とも言えます。
 そして、この《つなぎ目》のいない会社がブラックになっていくのかもしれないと考えました。

 どんな仕事にも、仕事は【2つ】あります。
 ・自分の仕事
 ・他人の仕事

 この2つです。これを『高』『真ん中』『低』の人たちで分けると、

 高…自分の仕事だけでなく、時々は他人の仕事も手伝える人
 真ん中…少なくとも自分の仕事は仕上げられる人
 低…自分の仕事が間に合っていない人

 このように分かれます。

 『高』は放っておいても仕事はできます。能力が高いので、どんどん自分から仕事を進めていくことができ、【フォロー】はあまり必要としないでしょう。
 ただ、そんな人たちも『手の数』は2本です。頭の中でいくらマルチタスクができていようが、実際に使える手の数の上限は決まっていますので、必然的に《物理的限界値》が存在します。
 これを超えたいなら、マンガのように多重影分身の術や千手観音のように手の数を増やす必要がありますが、現実には無理です。

 『低』は放ってはおけません。基本能力や経験値、本人の性格などもありますが必ず【フォロー】が必要です。
 この時、『高』がフォローすると良いと思うかもしれませんが、先述のように『高』の人でも手の数は2本です。《物理的限界値》によりフォローできないこともあるでしょう。

 そんな場合に『真ん中』の人が犠牲になります。

 ここで『真ん中』の人がフォローに回ってしまうと、『低』の人の仕事は進みますが肝心の『真ん中』の人の仕事が《止まってしまう》のです。

 止まってしまった仕事は後から巻き返さなければなりませんが、『高』の人ほどの速度は出せないので、必然的に【仕事が終わらない】ことになります。
 ここまでをまとめると、

 高…自分の仕事に集中でき、仕事は《終わっている》
 真ん中…フォローに時間をとられ、仕事は《終わっていない》
 低…フォローしてもらい、仕事は《終わっている》

 真ん中の人『だけ』が仕事が終わっていないのです。

 んで、こっから本題なんですが、この【結果だけ】を見て能力の可否を判断すると真ん中が淘汰されていくことになるのです。
 なぜなら、そこだけ仕事が《終わっていない》からです。

 そして、仕事が終わっていない真ん中の人たちを「能力が足りないな」と誤解し排除してしまうと、次に起こることはもう決まっていますね。
 『高』が毎回毎回、『低』のフォローをすることになりますので、いくら能力のある『高』の人でも《物理的限界値》の制限のため、どんどん疲弊していきます。フォローしてもらう『低』の人たちも、フォローしてもらうことにより『いつまで経ってもフォローしてもらうクセ』がついたりしますね。そのクセがつくとフォローなしでは仕事を進めることができなくなります。

 結果、『高』が『低』を【永遠にフォローする文化】が出来上がります。

 この現象の怖いところは、『高』の人たちがフォローに時間を取られて本来の力を仕事に使うことができなくなることです。
 プラスとマイナスを合わせると【0】になるのと同じように、どれだけ『高』の人たちが全力を出そうとも【相殺】されてしまうのですよ。そうなると、トータルでは《普通レベルの仕事》になります。

 高と低を『相殺させないため』とまで言えば言い過ぎかもしれませんが、真ん中の人がいることにより、少なくとも『高』の人は、自分の力を仕事に全集中できる環境になりますね。結果、【本来の力】を発揮できるので、優秀な成績を納めるかもしれません。

 『低』の人たちにとっても、いきなり『高の能力』を求められると尻込みしてしまい「自分には無理だ」と思うかもしれませんが、『真ん中の能力』ならば「少し頑張ればできるようになるかもしれない」と思うことができるかもしれません。つまり、《フォローなしで仕事ができるようになることを目指す》ことになります。

【現場】で何が起こっているのか。

 知りたいなら、現場に立ってみると分かりますよ。
 人を育てるときは『段階』を踏みましょう。


 それではまた次回〜🍊
 エンディングは『Nate James - Universal』🎵


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