小説作家志望の徒然なるままに。ラノベ的創作論。part8   物語のテーマ性

 今回もなるべく建設的な論調で行きたいと思います。物語のテーマ性についてしばしば思うことを綴ってみたいです。

 個人的には小説というものは娯楽の一つだと考えていますが、映像作品との最大の違いは読者が能動的な媒体だと思うのです。もちろん文字を与えられて読むというのは受動的に見えますが、その実、文字を追っていても頭に入らないことがよくあります。積極的に文字から情景を思い浮かべたり、心情に共感したり、結構読む側に労力が必要な娯楽でもあります。

 前回ウェブ小説について書きましたが、あれは読みやすいよう基本的にチャプターで分けてありますよね。そして描写も最低限でほぼあらすじを追う感覚なのでかなり受動的読書に近い。だから物語全体でテーマ性を表現するっていうのにはあまり向いてないと感じます。それゆえの異世界ブームかなと。

 個人的には読者として長編小説には描きたいテーマの一貫性が欲しい人間です。ウェブ小説でヒットを飛ばしたい人は別ですが、小説作家になりたいので、そこはテーマ性が必要だと考えています。戦争だったり、貧困だったり、暗いものだけでなく、バカな学生らしい生活だったり、ジュブナイルな恋愛だったり様々です。

 これを露骨に表現しちゃうと背景にならないので、戦争を背景に兵士を描いたり、兵士の家族だったり、もっといえば国家的な戦争を欲する側の視点だったりを描いて物語ができ上るのだと思います。登場人物もテーマに沿った視点のひとつ考えると想定しやすいのかもです。

 ラノベなんかの難しいところは読者層が、受動的な読書を欲している一面があるからですね。ヒットを狙おうにも、しっかりとテーマを表現できていて考察の面白さをもつ作品も、ただテーマ性のないラブコメのイチャイチャコラコラを表現できていても、すべてが『面白い』という言葉に還元されてしまいます。ラノベのジャンルとしての間口も読み手も「浅く広く」が過ぎるのです。だから出版社もヒットの傾向を未だに掴めない。ラノベのヒット作が面白いと言われなかったりする。

 娯楽性の難しいところですよね。その点で一般文芸は積極的読書を好む読者層なのでゴリゴリにテーマ性をもたせればいいので、ある意味文章力さえあればヒット作を狙いやすいのかもしれないですよね。

 いや、そんなに甘くないか。ってことで今日はここらへんで。

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