小説家志望作家の徒然なるままに。ちょっとラノベ的創作論。part7   web小説のとりくみ

 さてちょちょい毒が出て、皆様を不快にさせているのではと最近反省しています。なるべく有意義な読み物になるように心がけたいと思います。

 十数年前からウェブ小説というものが流行り始めましたよね。一大ブームを築いたのが『小説家になろう』。その後、雨後の筍のようにカクヨムだとかアルファポリスだとかが出てきました。そこからヒット作も数多く出現して、いまとなっては『なろう系』という一大分野を築き上げてしまいました。

 しかし、うーん、、、いい取り組みだとは感じるのですが、ちょっと私個人としてはあの業界は出版業界とは別物なんじゃないかと思うわけです。結局レーベルが良いものを選ぶ過程を外部委託した形ですからね。たしかに出版社は金の卵を取りこぼしていたこともあるのでしょう。
 ですがそれって結局出版社が読者の厳しい意見を取り入れてこなかっただけで、外部委託の時点で改善する気がないということです。きちんと読者アンケートでもなんでもとればいいのに。
 無料で読めているからみんな読んでいるものが、出版物としてお金を出して買うものなのか、そこもよくわかりません。

 誰かに読んで意見をもらいたいなら、プロの作家がクラシルとかで添削をやっています。そこそこお金はかかりますが勉強にはなるのかと。貧乏なんで送ったことないです。ぜひ試してみた方の意見とか聞きたいですね。
 カクヨムとかで作者同士で相互評価し合うのもいいのかもしれないです。なんか村意識が強くて付き合いが面倒だという話も聞きますが、、、一長一短、めんどくさがらないひとにはいいと思います。

 それでウェブ小説に思うのが、「スマホで手軽に読みたい」と「小説を読みたい」というのは全く動機が違うし客層も違うんじゃないかと思うんですよね。角川なんかもライトに本を楽しんでもらおうと、短編を集めた『5分で~』みたいなものを出版しています。

 昔はともかく今はもう、ウェブ小説というのはアニメや漫画の台本なんだと思います。手軽に一話ずつ読んで、最低限の情報で脳内再生する。そんな作品がヒットするのかなと。異世界が流行るのは『ナーロッパ』や『なろう中華』『ダンジョン』といった簡単な情景があっさりと脳内に再現されて、描写がいらないからかな。だから会話はぽんぽんテンポよく進む。ノンストレス。電車で集中しなくても読める。
 現実設定の学園ものにしちゃうとどこか地続きな、『いやそれは実際ない』っていうのが無意識に脳内再生されてしまうから流行らない。ウェブ小説ってそんな場所だと分析します。

 なのでウェブでデビューしたい人はそういうイメージがいいのかも。でもきっと必要なスキルが小説家と違うから、デビュー後は脚本家を目指したほうがいいように感じます。なんなら脚本の勉強をして脚本家としての足掛かりにウェブを利用するってのもアリでしょう。

 否定的にではなく、肯定的に書いたつもりです。出版関係者に思い出してほしいのが、大昔の携帯小説は、結局それを読んでいた層を読書の世界に引き込むことはできなかったということです。現在の読書人口からそれは明らかです。あきにしてらかだ。

 なので創作側も別媒体と考えて、取り組むのが一番かなぁと思います。個人的にはアニメは虚淵玄とかの脚本家がイチから映像的に組み立てた作品のほうがやっぱり面白い。会話と映像の情報速度から、描写して小説に落とし込むとどうしてももったりしてしまうのが、小説の限界なんじゃないかな。

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