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激動の時代に40代が出来ることは何か?

世はまさに激動の時代を迎えています。

誰もが知っている企業が続々と人員削減しているという事実。この事実を皆さん受け止めているだろうか?

昭和の時代に栄光を極めた日本の製造業。それが音を立てて崩れようとしている。

明治時代から発達した繊維工業などの軽工業。造船業や鉄鋼業などの重工業も発達もしていく。日本史を勉強したことある方なら八幡製鉄所って一度は聞いたことあるのではないでしょうか?

敗戦を経て一時は少なくなった製造業だが高度経済成長期になると目まぐるしく発展をしていく。「事業所」や「従業者」の表記が出てきたのも高度経済成長期である。

それと同時に深刻化したのが公害問題。急激な発達の裏には多くの問題が起きる。大型プラントが多く出てきたものの環境対策にも追われた時代。私も入社したときに昔この辺りは七色の海と呼ばれており・・・と説明を受けました。

今は信じられないことかもしれないが企業利益を追求するあまり後手に回った環境対策。製造業に携わる身としては過去の負の出来事は教訓にしなければなりません。

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そんな激動の時代を支えていた第一線で働く製造オペレーターの方々。私も入社したての頃はよく可愛がられたものです。

入社後にすぐに体験した3交代実習。早起きが続くと思ったらすぐに夕方出社に変わるシフト。お次は夜勤業務と不規則な生活が続くため体力勝負となるし、いつでも寝れる体にならないとしんどくなるばかり。

そんな厳しい勤務なのにオペレーターの方々は夜勤明けに空いている立ち飲み屋に昔は飲みに行ってたらしい。豪快なおっちゃんばかりだ。

入社したての頃はお酒のマナーでよくご指導いただいたものです。ビールのラベルの向きや焼酎の作り方。「それはいかんばい!」って指摘を受けた回数は数え切れません。

もちろん家へ招かれてバーベキューなんかもよくやってました。右も左もわからない若造の事を気にかけてありがたかったです。

現場作業も多くの事を学びました。パトロールで異常兆候をつかむためのコツや安全に作業するために必要な事。ぶきっちょながらも何とか役に立とうと私も必死でした。

水が大量に漏れていたのに気づき原因を突き止めるために突っ込んでいったことは今でも覚えております。当然ですが大卒スタッフで経験浅いんだから気をつけろって怒られました。

その経験はその後の仕事に大きく活かされていきます。製造現場の効率化やコストダウンをするためにまずはプラントの現地を自分の目で見て確認する。現場の方々の意見を聞く。現地・現物・現実の3現主義は本当に大切です。


第一線で働く方々の声に耳を傾けると解決できることは多いです。

頭でっかちでどんなに理屈を並べても解決できなかった問題も現場の方々の匠の技にかかればたちまち解決するということは多くあります。

現場の方々がこれまで経験されたことを次の世代に活かしていかなければならない。製造業としては皆同じ悩みを抱えていることでしょう。

働き方改革による残業規制は製造オペレーターへも影響を与えております。

残業を削減するために人を増やしたものの残業が厳しいため教育時間が十分に取れない。労務管理が厳しくなるとちょっとくらいいいでしょとなりにくいのが気の毒である。

この辺りは職制の腕の見せどころではあるが残念ながら上の顔色を窺ってしまう方が多い。本当に残念な負のスパイラルである。

さらに先人たちの努力によってトラブルも減少しているので経験による成長機会が失われる。コロナによって少なくなったコミュニケーションで次世代への相伝がなくなっていく。

こんな状況に危機感を頂いている方は多くいるはずだ。でも技術伝承の問題はトラブルでも起きない限りなかなか取り組まれない。そんなジレンマに製造管理者は悩まされたことでしょう。

追い討ちをかけるようにさらなる悲劇が訪れる。

どの業界の方々も今では当たり前に聞くようになった「DX化」である。


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自動化や省力化というのは過去から大きく発達を遂げています。昔は手で調整した計器も今ではほとんど自動化されています。

大型プラントも今ではシミュレーションゲームのように操作する時代になっています。昭和の方々の運転操作は神業だったのではないか?そう思わざるを得ません。

自動化技術はどんなに発達したとしても手作業というのは大なり小なり残っております。

そんな悩みに対して人口減少がこれから起きるので新たなシステムを導入すべしとかこのシステムを導入することで人員削減を達成することが出来るとか悪魔のささやきが聞こえてくる。

会食で聞きつけたお偉いさんたちが面白そうだからと強制的に導入しようとしてくる謎のシステム。頭が痛くなる話だ。

何も考えずに入れたシステムなんてうまくいくわけがありません。先人たちが持っている匠の技術を失ってしまう懸念があるのに人員削減のために検討せよと指示が来る。

そんな検討を好き好んでやる人なんていません。検討に時間を取られて疲弊していく製造部門。導入に至るケースなんてレアです。

働き方改革によってスマートな働き方が素敵だなんて言われるようになったのかもしれませんが、第一線で働いている方々をないがしろにしていいわけありません。敬意を持って接するべきです。


製造業の縮小はこれからも加速していくばかりです。

そんな中で聞こえてくるのが製造オペレーターの削減。儲かってないときは別の部署に行ってもらって儲かったら戻ってくるとか出来ないの?とか無神経な発言が聞こえてきました。

会社員である以上必要な時にはお願いをしなければならない状況もあります。でも真剣に取り組まずに本社の涼しい場所で発する無神経な発言には怒り心頭でした。私も狂犬のように噛みつきました。

その方は年明け早々に別部署に異動となりました。まず初めに必要とされなかったのはその方自身だったのです。

事業が厳しい中では一生懸命に仕事に向き合っていく必要があります。自分の保身を第一に考えて他の方を蹴落とすなんて邪悪です。

率先垂範という言葉通りまずは本社の人間が襟を正してしっかりと仕事に取り組む。その姿を現場が見ることで様々な改善案を生み出すことが出来るのです。

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私は誰かを解雇した経験はありません。部下に低い評価をつけたり異動の調整を行ったくらいです。でも今後偉くなりたいのであれば人員の再配置から逃げることはできません。

既に製造業の再編は待ったなしで起きております。厳しい判断を下して実行することが必要なのです。

いい顔して判断を先延ばしにする。今まで先人がやってきたことを繰り返して次世代に負の遺産を残すことは止めなければならないのです。

とはいえ人は感情の生き物です。望まないことを伝えれられた時の気持ちは計り知れません。たとえ数字ではっきりとわかっていたとしても受け入れられないことはあります。

その厳しい現実に我々40代が向き合っていかなければならないのです。

1つの製品を製造するためには製造部門のみならず多くの関係部署の協力が必要です。人と人が向き合って真剣に話し合っていいものを作り上げていく。昔から変わらぬ真理です。

変化の激しい時代では同じ職場でずっと働くということは誰もが難しくなってきております。自分がこれまで経験して得た技術が次の職場で本当に役に立つのかと不安になります。

でも長年培ってきた経験やそこで得た技術は無駄になりません。

新たなことを吸収していく必要はありますが先人たちの経験はどの職場に行っても貴重な財産です。形を変えて使うことが出来ます。

製造業であればオペレーターの方々の暗黙知はお宝です。彼ら自身が新しいテクノロジーを学ぶと鬼に金棒。本当のDX化が進むのです。

本当に製造現場をよくしたいと思うのであれば忘れてはいけないことです


40代はこれから痛みを伴うことに向き合って荒波を生きていかなければなりません。悲観している時間だってないかもしれません。

会社員だったらあちこちに大きなプロジェクトが眠っていることでしょう。チャンスと捉えてそのカードを拾い上げて自ら声を挙げて行動してみませんか?

一生懸命取り組んでいたら必ず力になってくれる仲間は現れます。少しでも良くしようと行動している姿にこそ人は動かされるのです。

仲間と一緒に社内をより良いものにしていく。

それをあなたが引っ張って行きませんか?


全ての製造業に幸あれ


今回もお読みいただきまして誠にありがとうございます。6月は梅雨に入り憂鬱な気分になるかもしれませんが雨の日も楽しもうと思う気持ちが大事です。日々を少しでもよりよくするために笑顔で元気に過ごしていきましょう!

以上、ご安全に!
















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