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短歌6首(『日出処の天子』(山岸凉子作)に寄せて)

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ただ抱き寄せて欲しかったこと思いつくまでにしおれた紫苑の花よ

おまえのその敬語つらくて稲穂すら凭れるものが傍にいる

脱皮する夢の苦しさ耐えかねて何度もおまえ、喚んでいるのに

おまえが髪乱して誰かとくちづける朝の白さにまみれていたい

目を瞑れ おまえの中に住めなくていいからせめて滅ばせてくれ

海、それはすべてを呑むのだろうけどわたしのことはわたしで殺す



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