見出し画像

ふるさと納税担当者が年末需要に向けて今からでも出来ること

ふるさと納税エバンジェリストの阪上です。
今日は、最近ご質問の多い、「年末需要に向けて今からできること」についての私の考えをお伝えできればと思います。

結論から申し上げますが、残念ながら、もう手遅れです。
今の時期は、これまで種まきしたものの進行を見守り、そして微調整するくらいしかできないと思います。
と、言ってしまうと面白くないので、「年末か、年度末までに効果が期待できること。知らんけど。」くらいのことですが、いくつかお伝えできればと思います。
あまり期待しないで欲しいですが、後半は、ほんと大事なことを書いてますので、長いですが、最後までお付き合いください。

ちなみに、本市の場合ですが、毎年、1-3月に戦略などを決め、4-8月までに段取りをします。9月から実践して11月までに定着させ、ピークの12月に備えるというスケジュールでやってます。

1.柱商材のプロモーションに集中する

「そんなことわかってるわ!」とツッコミが入りそうですが、基本中の基本ですが、これは手をかけただけ効果が期待できるので、やっぱりもう一度ここでできることがあればやってもらえればと思います。
メルマガや広告の内容は適切なのか、スーパーセールでの反応を検証してみて修正を加えることも重要だと思います。

2.リピーターを取り逃がさないよう

これもツッコミが入りそうですが・・・。
ふるさと納税は、リピート率が高いというのはご存じだと思います。でも、一方で、ふるさと納税は返礼品目的でする方が多いので、「返礼品は良かったけど、どこに寄附したか忘れてしまった」という方も少なくありません。
そういう方がどう行動するか想像してください。
前の書類を探そうとか、サンクスメールをチェックしようとかするでしょうか? いや、しないでしょうね。
たぶん殆どの人は、お気に入りのポータルサイトの検索かランキングから同じうような返礼品を選んでしまうんじゃないでしょうか?
そうなるとせっかくの寄附者を取り逃がしてしまうことになります。

そうさせない為には、どうすればいいのか!?
そう!思い出してもらうしかありません!!
いくつかアプローチの方法はあると思いますが、どこでもやれそうなことで、考えられるのは以下のとおりです。これからだと間に合わないものもありますが、ご了承ください。

・メルマガを打つ
・さり気に寄附の活用報告などを送ってみる
・さり気にアンケートを送ってみる
・年賀状を送ってみる
・首長からお礼の電話をしてもらう ※これはウソです(笑)

などなど、なんでも良いのですが、とにかく寄附者との接点を持ち、思い出してもらうこと、それだけです。

年末には間に合いませんが、年度末なら、今からできて効果があるのは、地味ですが、以下のようなことだと思います。

・これから送る返礼品でプロモーションを仕掛ける
・これから送る返礼品の満足度を上げる
・これから送る返礼品にクレームが出ないようにする

リピーターを取り逃がさない為には、このような対応は、基本中の基本ですが、皆さん、広告やキャンペーンにばっか気を取られて疎かになりがちなんじゃないでしょうか。これらをしっかりすることで、早ければ、年度末までに効果がでるだろうし、これに合わせて次の年末に向けて良きタイミングでリマインドをかけれれば効果を最大化できるのではないかと思います。
年度末や、来年度の対応は既に始まっている、ということだと思います。

3.年末は捨てて、年明けから年度末に備える

三つ目は、半分諦めですが、この切り替えも大事だと思います。
ふるさと納税は、12月だけではありません。もちろん、年明け以降はガタっと落ちますが、需要がまったく無い訳ではありません。
年明けでリセットされるので、分散してやる方も増えているので、1-3月もそれなりに需要があります。
あと、12月は、全国の自治体が力を入れるのですが、1月はワンストップ特例の処理があったり、ゆっくりしようという自治体が多いので、競合する自治体が少ないとも言えます。

あと、上位の自治体は、予算が潤沢にあるのをいいことに、年末とか、楽天のスーパーセールとか、一般的に需要が高まる時期を狙ってキャンペーンを打ったり、広告を大量投入したりします。ある自治体の広告費は、3億とも4億とも言われています。
そんなところと同じ土俵で戦っても勝負になりませんよね。
でも、楽天のお買い物マラソンとか、5と0のつく日とかは、上位の自治体もまあまあ力を入れますが、ウチも含めてそれほど力を入れる訳では無いので、予算が少ないという自治体でも十分戦えるんじゃないかと思います。

つまり、12月にこだわるのではなく、あえて競合の少ない1-3月に戦うという選択肢もあるんじゃないかと思います。
本市も復帰後すぐの頃は、このような対応をしていました。

4.あきらめず、戦い続けること

最後まであきらめなず、闘い続けることです。
諦めろと言った後に諦めるなというのもアレなんですが、あと、なんか精神論みたいに聞こえるかも知れませんが、そうじゃないんです。

上位の自治体、ウチもそうですが、柱商材を持っています。念入りに事業者と打ち合わせをして供給をしっかりもらえるよう準備しているんですが、さとふるや楽天のようなサイトでランキング上位になると、とんでもない受注が来て品切れになってしまうことがあります。
しかも、12/29とか、大事な場面で在庫が底をついたりしちゃうんです。
去年は、ウチもやってしまったし、多くの自治体さんでやらかしてました。紋別のホタテは無くなりませんでしたけどね。笑

そうなると、どうなるかというと、同様の返礼品で、本来なら価格的にも質量でも劣っていた返礼品が急にランキングに登場して、とんでもない受注が入るということが普通に起こります。
なので、最後まであきらめずに戦い続けることも大事です。

5.在庫を切らさないこと

さっきの4.とも関係するんですが、当たり前の話なんですが、返礼品が無いと寄附を集めることができないので、返礼品の在庫を切らさないことが、実は年末では最も大事だと言えます。
特に柱商材の在庫は、生命線と言っても良いのではないでしょうか。
では、在庫を切らさないためにはどうするのか。
ちょっと今からでは間に合わないかも知れませんが、ひょっとしたら対応してくれる事業者さんもいるかも知れませんのでお伝えしますね。

事業者さんは、大事な商品を余らせるのを一番嫌います。なので、どうしても保守的な在庫を設定されがちです。年末需要を何度も経験している事業者さんでも、そういう保守的な思考が判断を誤らせ、年末の一番大事な時に在庫切れしてしまうということがあります。
その時、もしまだ商品があれば・・・、って思っても遅いんですよね。
なので、事前にどれくらいの在庫、つまり、どれくらいの供給が必要になるのか、規模感(できれば具体的な数量)を共有することが必要です。
こういったことは、本来は、10月か、遅くとも11月くらいからは始めておかないといけないと思います。特に柱商材の場合は、12月に入ってからは、可能であれば日々情報を共有してください。
日々が無理であれば、週でもいいと思います。事業者さんにも臨場感を味わってもらい、年末需要の恐ろしさを知ってもらえたら、それでいいと思います。今年度がダメでも、来年度には役に立つと思います。

そんな事言っててもやってしまうんですけどねー。

6.まとめ

最近は、全国的に寄附の二極化が進んでいると思います。
集まるところには、さらに集まっていて、この間、楽天の方が、上位50自治体で全体の40%を集めているとも言っていました。
それ以外の自治体さんはどうかというと、頑張っている自治体そうでない自治体に明らかな差が出ている印象があります。
頑張ってる自治体と言っても、自治体自身が頑張っている訳ではなく、中間事業者さんが頑張ってる場合が多いのではないかと思います。
ここ数年の流れでいうと、セールスプロモーションをしっかりやってくれる小規模ですが小回りの利く中間事業者さんが請け負う自治体は寄附を伸ばしていますが、そうでない(全部ではないですが)大手さんに任せている自治体さんは寄附を下げているという状況があります。
このことについては、また別の機会でお伝えするとして、本題に戻ります。

最近は、「返礼品の供給量」と「広告の物量」が寄附を決めるとも言われています。
特に「広告の物量」については、良くない流れだと思っていて、全部を否定するつもりは無いですが、私の考えは、それが全てではないと思ってるんです。
都城にしろ、根室にしろ、紋別にしろ、白糠にしろ、(ウチは自信ないですが)、やっぱりやるべきことはしっかりやってると思うんです。
これらの自治体に何度か寄附したことがありますが、返礼品自体の満足度が高いのはもちろんですが、梱包材料からこだわっていたり、中に入っているお礼状が凄かったり、予期せぬオマケが入っていたり、すごく工夫を凝らしているというか、この人達、1日24時間ふるさと納税のことばっかり考えてんじゃないかっていうくらい考えてると思うんですよね。
ウチも偉そうなことは言えませんが、それなりに地道にやってると思いますし、やっぱりその積み重ねが大事なんじゃないかと思っています。
それなりに寄附を集めている自治体さんが視察に来て、そういうことを話すとガッカリされて、「魔法みたいなのがあるんじゃないかと思ってましたー。」とかよく言われるんです。
ハッキリ言っておきます。魔法なんかありません!
地道にやっていくしかないんですよねー。と夢の無い言葉で締めくくります。有難うございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?