EPC ProcBoy

EPC大手3社のうちどこかで機材調達を〇十年経験してきました。プラント業界における機材調達をテーマにその周辺領域を含めて取り上げます。

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最近の記事

国際取引における源泉徴収税

海外メーカーとのプラント機材契約に付随して工事監督(supervisor)を工事現場に一定期間派遣してもらう事が多いかと思います。その派遣契約に関し、契約や支払い時に工事現場国の源泉徴収税(withholding taxes)の取り扱いで揉めることがたまにあります。今回はこの源泉徴収税の概要について解説したいと思います。尚、調達実務観点での解説であり、また当方は税理士資格を有しませんので、厳密な解説ではありません。予めご了承ください。 1.源泉徴収税とは 皆さまも毎月の給

    • プラント機材の輸送事故

      海外調達では、海外工場から工事現場まで国境を跨いだ長距離輸送が伴います。プラント機材は大型重量物が多く、輸送中の事故リスクは低くありません。本記事では、輸送事故における発注者・サプライヤ間の損害負担、発注者の観点からの損害軽減策について取り上げたいと思います。 1.損害負担の考え方 輸送事故が発生すると、金銭損害と工期遅延が生じます。金銭損害は破損機材の修理費や代品製作費等、工期遅延は修理・代品製作に伴う遅れです。発注者とサプライヤの間において、これら損害をどの場合にどち

      • サプライヤの財務評価

        営業では通常契約時に顧客の与信審査を行いますが、特にプラント機材の分野では調達でも倒産可能性を事前に捕捉するために契約前にサプライヤの財務評価をしておく事が望ましいです。本記事ではサプライヤの財務評価の方法や実務での運用について取り上げます。 1.財務評価の目的 サプライヤの財務評価を行うべき理由は、倒産可能性のあるサプライヤを契約前に把握し、最適な判断を行う為です。入札・引合では通常最安値サプライヤを選定しますが、低価格を提示してくるサプライヤの中には収支管理・リスク管

        • サプライヤ 倒産対応

          プラント機材契約は一般的に12ヶ月を超えるような長納期であり、発注後にサプライヤが倒産することは現実に発生します。量産品であれば他のサプライヤに転注する事でそれ程悩まずに対応できますが、オーダーメード機材の多いプラント機材契約では簡単ではありません。本記事では、調達実務の観点からどのような選択肢があるのか概観したいと思います。 1.サプライヤの倒産 冒頭にも書きましたが、プラント機材契約においては、契約後にサプライヤが倒産する事は実際にあります。過去に携わった経験則では、

          損害賠償 考え方・機材契約におけるポイント

          機材調達契約においては、発注者とサプライヤの間で様々な損害を相手方に与える可能性があります。ここでは調達実務の観点から必要な範囲で損害賠償の基本的な考え方と調達契約でのポイントを取り上げたいと思います。 1.機材調達契約で発生する損害 機材調達契約で発生する損害は①機材契約の当事者間で発生する損害と②当事者以外と発生する損害に分けられます。 ①について、発注者がサプライヤに与える損害としては支払遅延、機材の引取り拒否、発注者事情による契約解除、サプライヤ人員が工事現場に

          損害賠償 考え方・機材契約におけるポイント

          機材調達契約における支払保証

          プラント調達における機材調達は契約額が大きい事、長納期である事、オーダーメードで一度作りだすと転売できない事といった特徴があり、発注者・サプライヤ双方にとって様々なリスクが存在します。そのリスクへの対応として相手方の支払を担保させるために様々な保証が用いられます。 サプライヤが求める支払保証 サプライヤにとって、契約後に発注者が倒産したり一方的に契約を解除する、物品の引渡し後に支払いを拒絶するといった代金回収リスクが存在します。モノによりますがプラント機材の納期は12~16

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          輸出管理の実務

          機材を日本から海外の工事現場に持ち込む場合、日本国の法令に基づき輸出許可が必要に なる事があります。無許可で輸出すると罰金や輸出禁止の行政罰を受ける可能性があり、会社の事業継続に多大な影響を与えます。ここでは調達の視点から理解しておくべき点をハイライトして解説したいと思います。 輸出管理の基本 日本からの輸出は全ての貨物を対象に外為法(具体的にはその関連政令の輸出貿易管理令等で規定)の規制を受けます。輸出する度に許可の要否を輸出者が確認しなければなりません。確認する義務を

          輸出管理の実務

          プラント建設における保険

          プラント建設には機材調達からプラント引渡完了までさまざまなリスクが存在します。リスクはプラント建設に関わる関係者(施主・コントラクター・サプライヤ・サブコン)の間で分担されますが、その一部を保険会社にヘッジすることが通常です。本記事ではプラント建設において利用される保険について見ていきたいと思います。 プラント建設に伴うリスク プラント建設は大規模・長工期という特徴から、材料や労務費の高騰、機材の不適合、第三者からの知財クレーム、輸送中・工事中の事故、サプライヤー・サブサ

          プラント建設における保険

          インコタームズの実務

          海外調達に携わる方でしたらFOB、CIFといったインコタームズには日常的に接しているかと思います。FOBならば海上輸送は当社手配、CIFならばサプライヤ手配といった基本は今更説明されるまでもなく理解されていると思います。一方、調達実務では、海外サプライヤがEXWしか受けてくれない、FOBではなくFASにして欲しい、Terminal handling chargeをフォワーダーから請求された、FCAの引渡場所はサプライヤ工場とコンテナヤードの2種類あるのか等々、様々な場面に遭遇

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