健康までの_行動変容___3_

健康までの行動変容①

はじめに

世の中の健康に対する関心と健康サービスが担う役割と期待が日々高まる中で、多くのサービスが市場に生まれ、毎年多くの製品サービスがリリースされています。しかし、その市場内の高まりと、注目度に対して、医療費の増加や、世の中に健康な人が増えている実感が追い付いていないのが正直なところです。これはひとえに、人は健康が大切である事は認識していても、健康の為に生きているわけではない。あくまで健康は個人の人生観において重要なモノを継続、守る、支える為に必要な基盤であれど、人生や生活の目的・中心になるものではないという根本的な欲求や価値観が存在している事だと考えています。

 その価値観の存在を、健康食品産業や、「飲むだけ」「着るだけ」などの「〇〇するだけ」の様な手軽で苦労なく健康が手に入る事を期待する製品の市場規模に対し、健康習慣全般:生活習慣、食習慣、運動習慣という健康に最も関与関連する製品やサービスの産業の規模と比較する良く分かります。ですが、実際には何の苦労や労力なく、期待する健康が手に入る事はなく、健康に必要な日々の具体的な行為・行動にむずびつく習慣形成が何より重要である事は皆が理解しています。しかし、やらない、出来ない、習慣にならない。これが多くの健康サービスの実態です。

 我々は、現場での多くの運動・健康指導の経験からそれらをよく理解しています。だからこそ、人が健康の為に変わろうとする感情の動きを引き出し、興味関心を演出する事を重要視しています。どんなに良い健康サービス・製品(機材・アプリ・デジタル機器)を開発、リリースしようとも、個人が自身の健康に対して興味関心を持ち、当事者意識を持たない限り、それらの製品は本来の機能や価値を産み出す事はありません。

 当方は人の行動が健康に向かうまでの「行動変容」を科学し、興味関心を引き出し、当事者意識を感じ、行動を変え、習慣にするまでのストーリーを大切にしています。

人が健康になるまでの行動変容

健康・保健指導の過程では、「行動変容ステージ」という理解が用いられます。本項では人を健康に導くまでに必要な行動と生活習慣(食習慣・禁煙・運動)の獲得までの行動変容ステージの概要に関してご説明していきます。

行動変容ステージ

無関心期
行動変容に関心がない時期

関心期
行動変容に関心はあるが、まだ実行する意思がない時期

準備期
行動変容に向けた行動を実行したいと思っている時期

実行期
明確な行動変容が観察されるが、その持続に自信がない時期

維持期
明確な行動変容が観察されて、その持続に自信がある時期


 ここでご一考頂きたいのが、世の中の健康サービス・製品は、準備期以降の行動変容ステージにいる人に向けられて用意されているという事です。既に何か行動をしよう、自分の行動をより豊かに効果的な物はないか?買い替えや継続購入の段階にある人。これらの人の琴線やニーズに応える為のものです。しかし実際は健康に関する情報やサービスについて、世の中のほとんどの人が「無関心期」「関心期」のステージで足踏みをしている人達だという事です。

 行動を実施しようとしている人以上のステージにいない人にとって、世の中の健康関連サービスは興味関心の輪の外の話題なので、情報として視界にも、耳にも入っていない、又は入ってこない状態なのです。皆様もご経験があるのではないでしょうか?いつもと同じ町の風景やお店でも、心境や環境の変化、興味関心の変化によって今までそこにあっても気が付かなかった、サービスや商品や情報があったという経験。インターネットのニュース記事でも、数あるリストの中から自分の興味関心の輪に入ってくるトピックだけを取捨選択しています。事実それ以外のトピックにどんなものがあったか?を覚えている人などいないはずです。人は興味関心や当事者意識のない情報に関しては無意識にシャットアウトしているのです。その様な人達の元にはどんなにこのサービスや製品良さを世の中にアピール・宣伝しても届かないのです。

続く

専門家と共に創る健康!運動・健康指導専門サービス事業者として成長してまいりました。培ってきた経験とノウハウを活用し、個人と企業の健康づくりを全力でお手伝いします。