見出し画像

「ズッキーニよ」と貴方は教えてくれる[2021/3/22]


・エヴァのネタバレはないです。

・が、『プロフェッショナル』の庵野秀明回は相当面白かったらしいです。エヴァのことは一切知らないんだけど、それだけは伝わってきた。


・「ズッキーニが怖そうなので、キュウリとカボチャの中間だと教えました」。

・番組を観てないから、どんな文脈で言われたのか知らないけど、なんて優しい詩なんだよ。感動してしまった。


・「ズッキーニが怖そう」がまず凄い。猫じゃないんだから。

・細かいことを言うと、「ズッキーニが怖いそうなので」でもない。伝聞ではなくて、ああどうやら夫はズッキーニが怖いらしいという観察。「ズッキーニが怖い」ことがありうるという他者理解に開かれた眼差し。


・「ズッキーニが怖い」は、ギリギリで共感できる強度がある。あのつややかでみっちりとした質量。樫本学ヴの漫画『コロッケ!』に絶対出てくるだろうな、と思って検索したらやっぱりいた。ピクシブ百科事典によれば、グランシェフ王国国境警備隊の隊長なんだって。やっぱり怖そうじゃん。

アサリ海岸でタカノツメに突き落とされるリゾットを助けるが、背中から翼が生えてしまい、彼の人生が大きく狂わされてしまう。

何を言ってるのかよくわかんないな。「背中から翼が生えてしまい」でわかんないのに、そのせいで人生が狂うのはもっとわかんない。

天空人の一人であり、タカノツメやサイダーとともにエスカルゴの配下。

ってことは、リゾットを助けたくせに、そのリゾットを突き落とした奴の仲間だったことが後で判明するってこと?めちゃくちゃ怖いよ。


・もちろん、ジェンダー、セクシュアリティの社会学を研究するものとして、「男」の天才の世話を、なぜ同じくらい才能を持つ「女」がやらにゃいかんのだ、ということは言える。が、番組すら観てないんだから、よその夫婦のやり方についてはとやかく言わないでおく。

・1人の「男」として……というか1人の「人間」として、でいいのかもしれないけれども、「世界」を教えてくれる「異性」の輝きに憧れを抱いてしまう気持ちはやはりある(「同性」だったらどうなのか、はっきり言ってわからない。が、「異性」という「他者」、「外部」が私に「世界」を教えてくれることにロマンがあるのだと思う(「異性」を「他者」と呼ぶことにも倫理的問題があるといえばある(こういう予防線を張っているといつまでたっても記事が完成しないのだけれども、そういうところをサボるのは社会学をやってる人間としてはやはり怖い)))


・「異性」には背中から翼が生えている。


呼吸する色の不思議を見ていたら「火よ」と貴方は教えてくれる
  ――穂村弘『シンジケート』


・食べてみて、なんだキュウリ8のカボチャ2だね、なんて安心して微笑んだんだろうな。


・Wikipediaを読むと、安野モヨコは甘いものが苦手で、かぼちゃが食べられるようになったのは最近のことらしい。もしも「かぼちゃ」を教えたのが庵野秀明だったら、俺は泣いちゃうな。


・火星と木星の軌道の間には、「庵野秀明 Hideakianno」という小惑星と「安野モヨコ Moyocoanno」という小惑星が公転しているらしい。できすぎている。



研究経費(書籍、文房具、機材、映像資料など)のために使わせていただきます。