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スマホを無くしただけなのに(後編)【インド1人旅】

これはインドで1人旅をする大学生の僕がブッダガヤでスマホを無くした際の話である。
地元の人、トゥクトゥクドライバー、警察官、僧侶、宿の人•••
数多くの人が関わることになる。
すべて実話であり、ノンフィクションだ。

前回までのあらすじ
スマホを無くしたことに気づいた僕は地元の人達の助けを借り、スマホを探すが見つからない。
そこで届けを出すために警察署に向かった。

警察署に行き、スマートフォンを無くしたことを伝えると、A4の真っ白の紙を1枚渡された。
さらに書類がもう1つ。
どうやら他の人の紛失届のようだ。
それを参考にして書けということらしい。
自分の名前、無くした場所、連絡先などをそこに文章で書いていく。
見やすいように段落を分けると、スペースなどは空けずに一続きの文章で書けと注意される。

読んでいて、引っかかった方もいるだろう。
いや、ツッコミどころ多すぎ。
まず決められた用紙に記入するのではなく、白紙の紙にゼロから記入することにびっくり。
人によって書き方が違うから、後で書類確認する時に読みにくくないか?
そうか、わかったぞ!
紛失届は受け取るけど、後で確認することはほぼ無いということか。
インドの人が警察は何もしてくれないと言ってたけど、そういうことだったのか。
そして、もう1つ。
他人の紛失届を勝手に他人に見せたらあかんやろ。
個人情報めっちゃ書いてるのに。
しかも、その辺に適当に山積みになってるんやけど。
書類の管理甘すぎん?
(思わず関西弁が出てしまった 笑)

書いた紙をコピーされ、はんこを押して渡されて終わり。
本当にこんな適当すぎる書類が公式の紛失届けなのだろうか?
後で宿の人に聞くとオフィシャルの紛失届だというので、驚きだ。

書類を書き終わった後に説明を受けるが、英語混じりのヒンドゥー語なので、何を言っているのかよく分からない。
そこで、インドの日本大使館に連絡させて欲しいと頼むが、ここでは無理だという。
ねばり強く言っていると、ここに行けば電話できると住所を書いた紙を渡された。
それは街の観光局のオフィスの住所。
徒歩数分だというので、そこに行ってみることにした。
入口で事情を説明すると、部屋の前で待っていてくれと言われ、待つこと20分ほど。
部屋に通され、再度事情を説明すると管轄外だからここでは無理だという。
警察でここなら対応してくれると聞いたとねばっても管轄外だから無理の一点張り。
どこの国から来たのかを聞かれて日本だと答えると、それなら日本のお寺に行けと言われる。
スマホを無くしたここブッダガヤは仏教の聖地なので、日本のお寺があるのだ。

そこで、日本のお寺に向かう。
お寺の中に入ってきょろきょろしていると、いた!
日本人のお坊さんだ!
すぐに駆け寄って事情を説明すると、今から20分だけおつとめがあるから、それが終わったら助けてくれるという。
何て優しい人なんだ!
たらい回しにされ、お寺に関係のない用で急にやってきた僕を温かく迎え入れてくれる包容力、思わず目頭が熱くなる。
結局、夜8時頃まで2時間ほどお世話になった。
日本の携帯会社のサポートセンターに電話をかけて紛失の際の対応を確認してくださり、またネットを貸してくださったおかげで家族と連絡も取れた。
インドに来てから野菜をあまり食べれてないだろうと、日本の青汁までくださった。
帰る際には夜遅いからと宿に帰る道の途中まで送ってくださった。
まさしく優しさを体現したかのような方だった。

宿に帰ってからも同じ部屋の人がiPhoneの位置情報探索サービスで、スマホを探そうとしてくれたり(電源が切られていたので探索できなかったが)、宿のオーナーがインドでスマホをなくした時の対応を教えてくれたり。
ほんとに感謝の気持ちで一杯になった。

色々な手段を講じたが、結局スマホが見つかることはなかった。
(現地で新しく買ったスマホでこのノートも書いている。インドではsimフリーのスマホが一般的で、契約も何もしていないが、プリペイド式のsimカードを店員さんが差し込むと、いきなり使い始めることができた。)

スマホをなくしたのはかなりショックだった。
しかし、色々な人に助けてもらい、人の優しさに触れ、ほっこりした気持ちになった。
最悪の出来事だったが、ある意味いい思い出になった。


(最後まで読んでくださり、ありがとうございました!インドでの旅で気づいたこと・思ったことを日記感覚で自由に書いていきたいと思います!!)

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