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ウニを食べると決めていた


早いものでもう1月も半ば。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

昨年末抱いた私の 小さな小さな私の”野望”について。

私にはかれこれ10年近くお世話になっている整体の先生がいる。
先生のいる治療所の近くに
回るんだけど回らない 職人さんが握ってくれる寿司屋さんがある。
いわゆる「ザ、チェーン店」的な100円寿司よりはお高いが、
ご褒美感が気軽に味わえるし、
オーダーすると職人さんがすぐ握ってくれて、
卵焼きは目の前ですぐに焼いてくれる。
「熱いですよ」と一声かけてくれるのも、なんかいい。

年末のスーパーでの混雑の中、私は誓ったのだった。

年明けの整体の帰りに絶対に
ウニを食べにいく!
寿司屋のルールなんか気にせずに
ウニだけいくつも頼んでやるぞ、

たぶんいつものマグロも絶対食べるけど!!って。

買い物を終えてもなかなか駐車場から出ることもままならない特別な日のスーパーで。

それにまつわる大晦日のなんでもない話。

独立前、勤めていたのは規模様々、
名ばかりの正社員も 完全歩合のフリーランスも経験してきた。
大型店にいたときなんかは元旦から通常営業することも当時はよくあることだった。(今はどうなの?)

そんな中、家庭を持ったとて、
正月 家にいると面倒くさい(笑)
あれこれを 今思えばずるいけれど避けるために
他のスタッフ達が休みたがるのも相まって特に休みたい理由も無い私は
「出ます!!」と張り切って挙手して大晦日も元旦も通常業務で出勤していた。

何しろ仕事が好きだったし、意外にも予約はちゃんと埋まってて。

正月出金手当なんかも 当然無かったけれど別に全然良かった。

それはそれで楽しかったから。
そういうもんだと思っていたし。

けれども 自分の店を持ち、

洗脳とも呼べる 
アホみたいに自分を削って働くこと
(しかも割と薄給で(笑)) 
に未来はあるのか?と疑問を抱き、 
働き方を見直し続けて今に至る。

今では 予約が入らない日にサボって映画に行った事を翌日 
お客様に懺悔したとて
「いーよいーよ、行ってこい!」と
仰って頂ける 神様の様なお客様たちと楽しく仕事ができる日々となった。
ありがたい。

コロナ渦での閉塞感から 
2023年中はお客様からも外出や旅行などのお話を伺うことも増え、なんだか嬉しく思っていたけれど。

美容室で感じる、イベント事の前後に美容室へ行こう!みたいな雰囲気が 
今までとは何となく変わってきたように感じている。

そんな風に感じるのは昭和の美容師だからだろうか?
GWやクリスマス、お盆に正月 成人式や結婚式など晴れの日のお手伝いそのお支度で美容室は朝から祭り騒ぎのような日が多い時代があった。

そんな季節は決まって朝から晩まで店にこもりっきり。
今だってそうだろうけど。

お客様が運んでくる"嬉しい興奮"にあてられて それはそれで楽しくて
好きだった。


店が終わるとグッタリと動けなくなる程働いた20代、
昼間に彼氏とデートをする、小さな可愛い夢を持った事も懐かしい。
同じように拘束時間の長い
調理師やサービス関係が多かった為 いつの間にかそんなことに憧れを持つこともどうでも良くなったけど。

今を生きる私は、40代。
若い頃は 羨ましさからか
街の混雑が大嫌いだったけど、
心に余裕が出たのか?
休みが取れるようになると同時に
まぁまぁ少しは慣れてきた。

よって仕事に明け暮れ、
失われたキラキライベント気分を、
時間を取り戻すかのように 

クリスマスやお盆、正月にはスーパーやデパ地下あたりを
「パトロール」と称して 
街の喧騒にワクワクしながら 
何を食べようかしら~と色々眺めて買い物しながら散歩するのが 
ここ数年のマイブームとなっている。


ところで
我が実家では、唯一お正月だけ皆が揃う。
その宴で毎年世話焼き上手だなぁと感心する姉が用意する
お寿司とオードブルがまた丁寧な手仕事の店で めちゃくちゃおいしいので楽しみにしている。


ところが、年内から休めるってことは 

"ご馳走を食べて良い日が
                 いっぱいある♪
"

って謎の設定でいた私。
(通常営業リズムだと 食べすぎると体が重く 一日中立つのがキツくなるからあまり食べない。)

基本食いしん坊なわたし。
今年も食材探しのパトロールに
いそいそと出掛けた。

築地だけが台所ではない、と
同県民なら言うであろう。

近所にいくつか 100円じゃない回る寿司店があるので見に行った。
どこの店でもシャリもネタも結構なクオリティを楽しめるのは
田舎だけど、米も美味い日本海側、最大のメリットかもしれない。

しかしそのお寿司屋さんはすでに
外から見ても予約で受けたであろう大きな桶が所狭しと 
積みあげられて ビビったのでパス。

ここは素直に正月の雰囲気を味わいに大型スーパーへ。

想像を超えてごった返している様子はなんだか 
混雑が得意ではない私にも
嬉しく微笑ましい光景だった。

入口から人だかりと盛り上がりを見せる いつものコロッケや唐揚げのコーナーは上底の大きなパッケージを山積みだった。
お正月のおめかしオードブルコーナーに変化をとげて。

吸い寄せられるようにそこに向かうと 若手夫婦達がご実家のお土産に持参されるのか
"肉がどう" とか"こっちは唐揚げ入ってるよ"とか
"お母さんこれ好きだよね?"
などと微笑ましい会話が耳飛び込んできた。

愛が溢れてんなぁ〜!と勝手にニヤニヤし、カゴがぶつからないよう気をつけてすり抜け、

お客様のご商売のお付き合いで毎年買う松阪牛のすき焼き
(こういうのもなんか嬉しい)が
待っているというのに
実家の寿司まで待てない私は
寿司コーナーへいざ出陣!!! 
と乗り込んだ、、、が 

なんと あれよあれよという間に 波に跳ね返されて笑
いつの間にか
寿司コーナーがなんだか遠い。

(p_-) 勢いに、負けた。

しかしそれもなんだか 
面白くなってきて、後にしようと 
他の食材を買い回り、
戻って再びトライ。

が、さすが正月。みんな 本気。
奥さんに「どれもおんなじ!」と突っ込まれるのを無視し
本マグロと大トロの桶を真剣に見つめる白髪交じりのオッサンが、強かった。気持ちはわかるよ。

そんなこんなで 
見事2回とも 売り場、いや 
戦場から弾き出され 

少し離れたところから
鮮魚コーナー調理場の中を眺めていた。

手元を見つめ、どんどん寿司を仕上げていく。

いつもの数倍の人数の店員さんを
呆然と眺めている自分に気が付くと、思わず笑ってしまった。

平和ってスバラシイっ( *´艸`)

しかしどうしたもんか、、、。
しばらく人の山を眺めて考える。

パトロールの度に 
毎度張り切って買いすぎて、
年々少しずつ 
食べられる量が減ってきて
。゚(゚´Д`゚)゚。

毎回 反省会をする過去が
頭をよぎり、
寿司を買うことやめようと決めた。

オトナになったなあ、と感慨深く。

その時に心に決めた、
「1人ウニ祭り」の開催だった。

そして、1月某日。
大きな手術をしてあるので 
冬場にかけてメンテナンスに気を付けているけれど、先生曰く
調子は良い とのことで 整体の帰りはなんかウキウキだった。

高まる気持ちとともに、いざ寿司屋へ。

本日のおススメはアジだと言われ、好きなのでそれもいただく。
店内のボードをチェックしつつタッチパネルで ウニを探す。

ニ艦で 1,100円の表示を見て、
((((;゚Д゚))))))) ってなったが、
金額は見て見ぬ振りをし、冷凍ではない方のウニを
震えながらポチっと押した。

パリパリの海苔に巻かれて
盛りのいいウニ、到着。

めちゃくちゃ美味しかったし、
なんか 嬉しかった。

結局 アジやマグロも食べたくなったからウニだけ連続で食べることはできなかったのが悔やまれる。
5皿でおなか一杯になってしまうのは、なんか へこんだ。
(もっといっぱい食べれたのに泣)

一生懸命働いて、今度こそ
ウニだけ 5皿 やるぞと決めた。


以上 なんでも無い私の野望。
ウニ祭り 次回5カン制覇に挑みます。


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