未曽有の大虐殺「十字軍遠征」はなぜ起きたのか?
聖戦の名のもとに異教徒への容赦ない殺戮が行われた十字軍遠征。
第1回の遠征だけでも、10万人を超えるイスラム教徒が虐殺されたともいわれています。
イスラム教徒の歴史と記憶の中に、キリスト教徒への憎悪として深く刻まれた「十字軍遠征」。
十字軍は過去の出来事ですが、残念ながら現代においても虐殺や戦争は至るところで起きています。
何故、わたしたちは同じ過ちを繰り返すのでしょうか?
わたしたちは過去の出来事からどれくらい学んでいるのでしょうか?
今一度、過去の出来事を振り返ってみたいと思います。
十字軍とはなんだったのか?
1095~1291年、7回以上にわたって行われた軍事遠征です。
イスラム教徒の手に渡ったキリスト教徒の聖地エルサレムを奪還することが目的でした。
フランスやドイツ、イタリアなどヨーロッパのキリスト教諸国が聖戦の名のもとにイスラム教徒に戦いを挑みました。
しかし、そこで繰り広げられたのは聖戦とは名ばかりの殺戮と強奪行為でした。
遠征の旅費を賄うために、ヨーロッパのキリスト教徒たちはまずユダヤ人集落に向かい、狂ったかのように略奪と殺人を犯しました。
そして、その後のイスラム教徒との戦いは凄惨を極めました。
イスラム教徒の捕虜を拷問・虐殺し、生首を柱の上にさらしました。
相手の持ち物を奪うために殺し、死体をのこぎりで切り、腹の中に隠された金貨まで自分のものにしました。
町に入って根こそぎ略奪し、老若男女もかまわず殺戮し、食べ物が見つからなくなれは、足元に散らばっている死体の肉を切り刻んで食べました。
エルサレムの大通りや広場などには、人間の頭や腕や足がうず高く積み上げられました。
神殿や回廊は血の海となったそうです。
それも異教徒との戦いという一応の大義名分を持っていたのは1回目の遠征のみで、2回目以降は目的もあやふやなまま、ただただ殺戮・強奪のみを繰り返すことになりました。
言葉巧みに騎士を洗脳するカトリック教会
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