物価高なのにダイヤモンドの価格は下落!なぜ!?
世界的なインフレに見舞われている昨今。
金価格は上昇し過去最高値となっているのに、ダイヤモンドの価格は2割も下落(2022年比)しているといいます。
なぜ、そのようなことが起こっているのでしょうか?
急増する人工(合成)ダイヤモンド
理由の一つに人工(合成)ダイヤモンドの存在があげられます。
人工(合成)ダイヤモンド、別名ラボグロウンダイヤモンド。
ラボグロウンダイヤモンドは、その名の通り研究所(ラボ)で育てられたダイヤモンドのことをいいます。
天然のダイヤモンドは地中深部の1100℃以上の高温と5万気圧以上という過酷な条件下で生まれるわけですが、その超高温高圧化の環境を工場の特殊な機械の中で再現し、ダイヤモンドを生成していくわけです。
よって、天然ダイヤモンドと同じ組成になります。
ダイヤモンド生成の過程を自然界で行うか、工場内で人工的に行うかの違いだけになります。
キュービックジルコニアなどダイヤモンドの模造品とは異なりますので、混同しないようにしましょう。
人工ダイヤモンド、そして人工知能、世は人工ブーム
いまや世界で供給されるダイヤモンドのうち、約15%ものシェアを人工ダイヤモンドが占めているといわれています。
※無論、人工ダイヤモンドの場合、販売の際に消費者にその旨を伝える義務があります。
もっとも人工ダイヤモンドの存在は、業界内では随分前から騒がれていましたが、ジュエリー関係者はどこか楽観視していました。
「ダイヤモンドは天然だから価値がある。人が作ったものなど売れるわけがない」
そう思い込んでいました。
そしてこの現象はダイヤモンドの世界に限ったことではないかもしれません。
AI(人工知能)が人間の仕事を奪うと言われて久しいですが、多くの人はどこか楽観視しているように見受けられます。
「機械が人間にとって代わるわけがない」そう思い込んでいるのではないでしょうか。
今や生活の至る所に侵食してきているAI。
人工ダイヤモンドが天然ダイヤモンドのシェアを奪っていくように、人工知能が人間の仕事を奪っていく日はそう遠くないのかもしれません。