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ビジュアルノベル おわかね制作日誌 第8回「終わりの鐘が鳴る前に Chapter.3で伝えたい想い」

今回は2024年末リリース予定の「終わりの鐘が鳴る前に」の最終章、「終わりの鐘が鳴る前に Chapter.3」について書いていきたいと思います。
ただ少しネタバレもあるので、Chapter.2のラストまでプレイされていない方はプレイ後に読まれることをオススメします。

最終章で裏切られたと思われるかもしれない

Chapter.3では青春ではなくファンタジー要素もある

今までの2作では死神という要素以外は割と青春群像劇というテーマに寄せている。それは必要なプロセスなのだが、みんなが想像していた恋愛模様メインではなく、あえてファンタジー要素も追加しています。

Chapter.3のキービジュアル

上記のキービジュアルでも分かる通り、現実世界ではない世界が登場します。岩が浮いているし、水が一面あるし…真っ白だし…よく分からない世界観だなあと思われるかもしれませんが、これはある逸話の場所をモチーフにしております。

純粋に青春モノにするということも考えましたが、今回は主人公やプレイヤーの心を圧し折りたかった主人公やプレイヤーに試練を乗り越えてもらうためには現実路線だと限界があると感じたからです。
そのためにChapter.1 PLUS EDITIONから、あるキャラクターを追加したりと実は途中からラストを念頭に置いて設定を作っています。

3作目のテーマは「犠牲」

キービジュアルでもある「失う」という言葉に色々引っかかると思います。
ただChapter.2のTRUE ENDを見た人は少し予測できているかもしれません。
求めた未来を目指すためには何かを捨てないといけない、ただ求めた未来を捨てることで別の何を守ることもできる。
そういった葛藤をChapter.3はメインにしております。
それでは、一度あらすじも見てみましょう。

長谷部涼平が過去を乗り越えられたが、試練の期限も残り一ヶ月と迫っていた。
菅野雪乃の恋心を自覚し、彼女と両想いになって幸せにすると決意する。
しかし、彼女の親友の悠木結花から好意を抱かれていることに気づく。
新しい三角関係が動き出す。
そして、長谷部涼平が生き返るためにはもう一つ条件が存在した。
死神の狙い、試練の意味、彼女のために必要な犠牲…夏に始まった幸せの意味を探す物語も遂にクライマックス。
青春群像劇ビジュアルノベル最終章の幕が上がる。

「終わりの鐘が鳴る前に」公式サイトより

悠木に好意を持たれている中で、自分が菅野への恋心を自覚してしまいます。犠牲という言葉は大袈裟と感じるかもしれませんが、恋愛においても誰かを傷つけて誰かと恋をするなんて当たり前に起こることだと思います。
今回の三角関係も悠木を犠牲にして、菅野への恋心を大切にするかを迫られるというのが序盤にあります。
本作ではそれだけではありません…主人公は色々なモノを捨てて自分が求めた未来を目指さないといけません。

複雑な物語にした意味は「達成感」

実は今回はChapter.2でゲーム内の2ヶ月間を描いているのに対して、今回は1ヶ月と短めです。
それなのにテキスト量がほぼ同じになりました。
その分、分岐や展開が少し複雑になります。設定や真相も理解しづらい点が多くなったと思います。
「結局、あいつは何がしたかったんだ?」とか「これは何が言いたかったんだ?」と疑問点を持たれるかもしれません。
しかし、これはテーマである「犠牲」の上で主人公が出した答えを一緒に試行錯誤しゴールに達成するための物語としています。
だから、独りよがりで賛否両論あるかもしれませんが、伝えたかったこと・描きたいことを詰め込んだ内容にしています。
色々書きましたが、少なくても誰かの心に刺さればと思って作っています。

ついに5年かかってシリーズが完結する

一番初めのデモ作成画面

小説執筆からすると10年、ゲーム制作はデモ制作が2020年に開始されているので、実は5年近いプロジェクトになります。
色んなところに拘ってきましたが、本数は出ても全然黒字にならなくて泣きそうになりながら…でもやっとラストを迎えられます。
それはこのシリーズにCynical Honeyが伝えたかったことをカタチにするという目的のために突き進めれたからと思います。
また、シリーズ全体の話は是非とも書かせてもらいます。
それでは今年リリースのChapter.3をお待ちください。

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