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北極圏生活。初めてのオーロラ撮影。

北極圏の生活と自然現象

北欧の北の北、北極圏のとある田舎街に移住してきて はや1年半、2度目の冬ももうすぐ終わろうとしている。

2021年の10月頃、冬が始まる直前にようやくアパートを手に入れ、1度目の冬はバタバタと慌ただしく過ぎていったが、ここでの生活に慣れるにつれ 身の回りに溢れる自然の豊かさに気付かされ、とにかく驚かされる日々であった。

日本にいる間も、比較的自然の豊かで美しいところに住んでいたが、そもそもほとんど雪の降らない地域で生まれ育った身からすれば、一年の半分以上を雪で覆われて暮らす生活はなかなかに目新しいものであった。

北極圏ならではの常夜の冬"極夜"。そして、氷点下20度を下回る環境だからこそ見られる、細氷(ダイアモンドダスト)や樹氷に樹霜などの自然現象。そして、1月頃の中頃からは極域でしか見ることのできない七色に輝く真珠母雲が現れる。そして、何より北極圏の冬の長い夜には夜空にオーロラが瞬くのである。

特に太陽活動の極大期である現在は、輝度・強度の如何を問わなければほぼ毎日のようにオーロラが現れ、晴天時のうち3割ほどは肉眼でも捉えられるほどに強く激しいオーロラの動態が観察できるのである。特に強い磁気嵐に伴うオーロラの鮮やかな色彩と目まぐるしい変化は筆舌に尽くしがたい。

こうなるとスマートフォンのカメラだけでは物足りなくなって(何よりオーロラはスマートフォンでは捉えきれない)きて、デジタルの一眼カメラでも買おうかと決意することとなる。正直、カメラの世界は一度足を踏み入れてしまえば、引き返すことのできない魔境の趣味(カメラ単体でさえ高価なものである上、使い慣れるにつれ際限なくそれそれのシーンに特化したレンズが欲しくなっていく…)だと思っており、長らく躊躇していたのだが、ついに一歩踏み出すことにしたのである。オーロラとはそれほどに説得力のある現象なのである。

カメラを購入するも…

カメラといえば、世界水準で言っても当然ながら日本製に勝るものはない。オーロラ研究の最先端でも日本のカメラが用いられているくらいである。そんなわけで夏の休暇で日本に帰国した際にカメラの購入に

しかし、完全にカメラ素人だった僕としては、カメラ屋に行っても電気屋のカメラコーナーに行っても右も左もわからない。そもそも1眼レフとミラーレスの違いすらわからないのだから、自力でカメラを探せるわけもない。

そんなわけで販売スタッフに色々と教えてもらいながら、初心者でも
扱いやすく ある程度 汎用性の高いカメラを購入することにした。そのカメラがこちら。

CANNONのESO RP。素人意見ながら非常に良いカメラであることは間違いないのだが、当時の僕はなにせ初心者中の初心者であったからレンズに関する知識とてほとんどないに等しい。あまり詳しく知らない段階で安いカメラなら買えてしまうような価格のレンズを買うの とりあえずは標準装備のレンズだけで様子を見てみようと考えたのだが、これが浅はかであった。

なにせ相手はオーロラなのだ。今なら言えるが、オーロラの撮影にはなるべく広角で明るいレンズが必須なのである。もちろん標準装備のレンズであってもオーロラが撮れないというわけではないが、正直スマホの撮影とどっこいどっこいの残念な質に仕上がってしまう。

10月に入り、オーロラが見やすい時期になり、新しいデジカメに期待を 僕はその残酷な事実を突きつけられ、意気消沈する。

教えてくれよ販売スタッフさん…。オーロラ撮影したいって、一応軽く話したじゃんか…、などと唇を噛んだとて、もはや後の祭り。すっかり出鼻をくじかれた僕は撮影意欲を失い、ただただ日々をオーロラを鑑賞するのみに費やしていたのだが..。

ひょんな事から転機が訪れる。

高感度カメラと広角レンズを手に入れた!!

手に入れたと言うと語弊があるが、恒常的にと言うことではなく、一時的に借り受けただけなのだが…。

どちらにせよ、ある事情から知り合いからオーロラ撮影に特化した高感度カメラと広角レンズを借りることになったのである。そのカメラがこちら。

Sonyの最高感度を誇るα7s(sはsennsitiveを意味しているらしい)と、脅威のf値1.4と言うsigmaの広角レンズ24mm F1.4 DG。

習うより慣れろと言うのはよく言ったもので、これがオーロラ撮影に最適なカメラとレンズだ、と正しいサンプルを渡されれば、実物もないまま 分からないなりにあてどなくネットの情報にあたっていた時とは段違いの速度でカメラの道理がわかるようになってくる。…まあ、とは言ってもいまだに初心者の域から出たわけでもないので、下手なことは書かずにおこう。

ともかく、このカメラとレンズに加え、強固な三脚まで手に入ったのだから(一時的とはいえ…)、燻ぶってしまっていたオーロラ撮影への情熱が再燃してしまったと言うのは想像に固くないだろう。

初めてのオーロラ撮影

と言うわけで、Sony α7sとSigma 24mm F1.4 DGを使って、早速撮影してみたのがこちら。もちろん静止画も撮れるのだが、まずはより初心者向けな動画を撮影。

ちなみに、この段階では、満足なオーロラ撮影の経験もないので、ISO値やシャッター速度などは手探りでその場その場であわてて調整していたので、把握できていないのはご愛嬌。

ただ、それでも美しく映るのは、オーロラという自然現象の偉大さと光学機器の進歩の素晴らしさ…と言うところだろうか。ちなみに、我が家からでもオーロラが見えるので、これらの動画は室内あるいはベランダから撮影している。

せっかくなので、もう一本。

こちらは別の街に暮らす知人の家に滞在した際に撮影したもの。

さて、これを機に再びオーロラ撮影熱が再燃してしまった。毎夜毎夜、暗くなってくると今日はオーロラが出てないだろうか、と毎日 忙しくなってしまった(そのくらい毎日のようにオーロラはでているのである)。

上記のSony α7sとSigma 24mm F1.4 DGは既に持ち主に返却済みなのだが、実はこれ以降 自身のカメラライフにも色々と進展があった。さらにオーロラの撮影にも慣れて安定した動画、静止画も撮れるようになってきた。その辺りのことはまた別の機会に記事にしたいと思う。乞うご期待。


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