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感性スイッチ

みなさん、こんにちは。あっきーからバトンを受け継ぎました、19期はるなです。あっきーの記事、鋭さもありつつ、温かくてグッときましたね。経験と思考のぐるぐるの結果の、鋭さと温かさなのかな。ちなみに私は、「自分なりに考えを巡らせて、試行錯誤して自覚的に行動した」のであれば、結果がどうであれ、100点をつけてしまう”場合によっては超過程重視タイプ”です。

さて、あっきーのご要望通り、100%の力で、私のマイチャレ宣言、はりきっていってみましょう。

マイチャレ宣言

私のマイチャレは、「利賀村の自然の中で席上揮毫をする」です。

席上揮毫は、席上=大衆の前で、揮毫=(人に頼まれて)筆で文字や絵を書くことを指します。つまり、平たくいうと、みんなの前でライブ書道をする、ということです。

私と書道と感性スイッチ

私は、6歳のころから書道を始め、高校では教室に通いながら部活動として、大学ではサークル活動として、書道を続けてきました。

書道を、義務として(最初はいやいや親に言われて通っていました笑)、競技として、芸術として続けてきて、その中でなんとなく分かってきたのは、やっぱり、「なにかに触発されたときによく書ける」ということです。(もちろん、義務で書いているときには良いものは書けません笑。)

私に初めて書道を教えてくださった書道教室の恩師からは、システマティックに美を追求するというよりも、感性を大切にするよう、最初から一貫して指導されました。小中学生のころには、甲骨文字や象形文字を題材に、その字が指す”モノ”を想像して、しぶきを飛ばしたり、薄墨を使うのもありで、自由に書くというちょっと変わった書道もしていました。また、2年に1回、教室近くの広々した芝生の公園でで生徒たちの大きな作品を飾り、展示期間中に生徒たちが席上揮毫するという展覧会も行っていました。

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(13歳のときの私と先生。手にもった象形文字辞典と地面に敷かれた紙をみて、構成のイメージを膨らませているところ。この日は風が強かった。ちなみにこの後大根ほどの太さがある筆を折った。)

当時の私はマジメな楷書の書よりも、感じたまま好きなようにに書けるこっちの書が好きでした。

そんな、恩師による指導のおかげで、気づけば私の中に感性スイッチとそれによって動く仕組みができあがっていたようです。

感性スイッチを押すもの

スイッチを押す”なにか”は、唐の時代の書家の怒りの手紙のときもあれば、学祭に出展されていた学生の作品のときもあれば、街中でたまたま見かけたよく知らない作家のガラス彫刻のときもあります。

一方で、ここ最近の自粛期間中は、「よく書けるかどうか」以前に、「書きたい」という衝動がほとんど生まれませんでした。ここまでの話から、みなさんもなんとなく推測ができるかとは思うのですが、やはり、東京の1DKの無機質な家の中に籠る生活では、スイッチを押す”なにか”はなかったわけです。

そして、自粛期間中、感じていたのは、”大事な感覚がふさがれていっている”ということでした。感性をゆさぶるものがなく、逆にストレス要因が多く転がっている以上、感性を含めた感知系のアンテナは必要以上に張らずに感覚をボケさせる、というふうにして、自衛していたのだと思います。

利賀でしか書けないもの

逆に、利賀村はその”なにか”の宝庫です。2回目に訪れたときくらいには、「ここで書きたい」と思ったような気がします。

スイッチを押したのは、やはり、神秘さを湛える利賀村の自然でした。実家がある山口県の集落も豊かな自然に囲まれていますが、利賀村のその孤立した立地や厳しい寒さが育む独自の生態系の醸し出す雰囲気は、唯一無二だと感じます。そんなわけで、私は、利賀村に行くと、バスから降り立った瞬間から、心置きなく感知系のアンテナをめいっぱい張ります。こんな自然の中で書けたら、素敵やろうなあ、どんなのが書けるかなあ、と想像は膨らみます。

自然という感性スイッチを押す”なにか”の存在以外にもうひとつ、私が利賀村で席上揮毫したいと思う理由があります。それは、書いているところを多くの村の人に見ていただいきたいということです。

席上揮毫の経験から思うのは、周りにいる観客は場の雰囲気をつくり、書いている人に影響を与えているという意味で、れっきとした作者のひとりだということ。

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(不安そうに出てきた子が書くときには、「おおっ」とか「あー」とか反応する観客。逆に子供が燃えていて真剣だと観客も静まりかえる。)

「周りにいる観客」、それがこの1年ちょっとでつながりをもてた利賀村の方々だったらきっと私もわくわくするし、書きながらおもしろいはず。できた作品は、「私と村の作品」だといえると思います。

100%の力で書いたら少し長くなってしまいました。いつか「私と村の作品」をここに載せて報告できるといいなあと思っています。

さて、次は、おっとりしているけど、たまに切れ味抜群の合いの手をいれてくれる、メルカリ強者のめいちよ、お願いします。







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