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タンゴダンス世界大会2023 雑感:感情、音楽、そしてアブラッソ

今年のタンゴダンス世界大会が幕を閉じました。
特に、記念すべき20回目のアニバーサリーとなった今年は、感染症が一段落したこともあり、参加人数が例年以上に多かったです。日本からも多くのプロダンサーが参加し、一際華やかな大会となりました。

日本と世界の接点

ピスタ、ステージの両チャンピオンともに、日本との繋がりがあるダンサーでした。これが日本のタンゴコミュニティにどのように影響していくのか、とても楽しみです。

大会では、20周年を祝う特別なエキシビジョンが行われました。このエキシビジョンはグランマエストロ・カルロス・リバローラの振付により、チャンピオンたちはピスタとステージで圧巻のパフォーマンスを披露しました。

特に、サロンのショーで初代チャンピオンであるOsvaldo&CoCaのCocaが、Cristhian Sosaのアテンドで踊った場面は感動的でした。私が2004年に初めてこの大会に参加し、決勝まで進んだ年のチャンピオンも彼らでした。多くの回を観てきましたが、今回もその美しさに涙しました。

Aoniken Quirogaの言葉に学ぶ

Aoniken QuirogaがFacebookで大会の詳細を語っています。かつて私も知っていたこのダンサーの言葉は、タンゴの真髄を如実に表しています。Aonikenによれば、タンゴは深くミロンゲーロ文化に根ざしており、音楽解釈、美しい歩き、抱擁、そして何よりも感情と共感が重要です。

タンゴの練習を深めていくと、技術的に高度な動きや体勢に挑戦することが増えます。しかし、その過程で感情が硬直することもあります。その時にはAonikenが強調する音楽解釈や共感が失われ、筋肉の硬直が感情や自然体を阻害し、その美しさは半減してしまいます。

アブラッソは感情が育む

タンゴはただのダンスではありません。音楽を通じて感情を表現し、相手と共有することが、人々を魅了します。テクニックや形も重要ですが、それ以上に大切なのは共感と感情の表現です。美しい歩きや洗練された技術も大切ですが、それが感情と共にアブラッソで表現されるとき、タンゴは真に美しいアートとなります。

この大会が示してくれたように、タンゴは多様性を持ちながらも一つの核を持っています。それは「感情を共有する」ことで、これがタンゴの魅力であり、人々を引きつける力となっています。



GYU




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