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自分がクズだと思ったときに読みたい本

「自分ってどうしようもないクズだなぁ」と思うときはありませんか?
仕事で失敗が続いたとき、稼いでいる友人、知人と自己を比較したときなど
枚挙に暇がありませんね。

私自身も、就職に二度失敗したり、会社を戦力外通告になったりしたときはこのマインドから抜けませんでした・・・
そんなときに、ぜひ読んでほしい本があります。

「ぐるんぱのようちえん」という絵本です。

1966年初版の幼稚園・保育園児向けの絵本です。私がこの作品に出会ったのはおそらく保育園の頃です。そのときは、何も感じるものはありませんでしたが、大人になってからもう一度この作品を読み返してみたとき、はっと考えさせられるものがありました。ここからストーリーを簡単に紹介します。


「ぼっちでニートのぐるんぱ」

 ある森にぐるんぱという象がいました。ぐるんぱは今風でいうと「ぼっちニート」で水浴びもせず、体から異臭を放っており、仲間の象からも嫌われていました。ぐるんぱはさみしい思いで日々を過ごしていました。

あるとき、見かねた年寄りの像がぐるんぱを社会に出そうと周りの象に呼びかけます。象たちはぐるんぱの体をきれいにしてあげました。こうしてぐるんぱは社会に出て働くことになりました。

5回クビになったぐるんぱ

大張り切りで社会に出たぐるんぱですが、結論から言うと5回仕事をクビになります。まずビスケット職人として働いたぐるんぱですが、作るビスケットが大きすぎで、しかも1枚1万円、とても売れるものではありません。ぐるんぱは経営者からクビを宣告されます。

そして、皿職人、靴職人、ピアノ職人、自動車製造にも挑戦しますが、規格外のサイズのものを作ってしまうため、クビになってしまいます。
すっかり意気消沈したぐるんぱ・・・いったいどうなってしまうのでしょうか?

ひょんなことから・・・

すっかり意気消沈して泣きべそをかきそうなぐるんぱ・・・
そんなときでした。
ぐるんぱは12人の子どもを育てるお母さんと出会います。
そのお母さんはぐるんぱに子どもたちと遊んでくれるように頼みます。
ぐるんぱはピアノ職人時代に作った「規格外のピアノ」を演奏し、子どもたちを楽しませました。そうすると、演奏につられて子どもたちがどんどん集まってきました。そして、最終的にぐるんぱは幼稚園を開きます。
「規格外のお皿」は大人数の子どもが入れるプールに、「規格外の靴や自動車」は子どもたちの遊具に、「規格外のビスケット」は多くの子どもたちのお腹を満たすおやつになっていました。こうしてぐるんぱは幸せに暮らしました。

この絵本から私たちが学びたいこと

初めに言及したように、この作品は幼稚園児・保育園児向けの絵本です。しかし、大人が読んでも学ぶことは多くあると思います。この作品から学びたいことをピックアップします。

①無駄な経験などない
ぐるんぱは仕事を5回クビになりました。一見これは無駄な経験に見えます。しかし、前項でも述べたようにぐるんぱが作った「規格外」のものは遊具になったりと大いに役に立ちました。これはあくまで私の想像でしかありませんが、ぐるんぱはこの経験から「どのように規格外のものを使えば、子どもたちが喜ぶか、楽しめるかを」彼なりに考えていたのでしょう。ぐるんぱにとっては苦々しい経験ですが、この経験がなければぐるんぱは幼稚園を開くことはなかったでしょう。
「こんな仕事やっててつまんねえ」と思うことが、次のキャリアで活用されるということは意外にあるのかもしれません。

②ひょんなことから需要が生まれる
ぐるんぱの作った「規格外」のものは「人間が日常で使用する」という意味での需要は0です。しかし、「たくさんの子どもを楽しませる」という意味での需要は大いにあったのです。
2020年のコロナ禍のときはマスク、次亜塩素酸ナトリウム、部屋着などの需要が増えました。今後、どのような需要が増えそうか、アンテナを張っておくことが必要かもしれません。

③レジリエンス
レジリエンスは心理学で「精神的回復力」と訳され、逆境に負けない人が多く持っているとされています。ぐるんぱは5回も仕事をクビになりました。普通の人ならば、仕事を1回クビになっただけで、大きなショックを受けます。中には再起不能なダメージを追ってしまう人もいるでしょう。
しかし、ぐるんぱはクビになっても、新たな職種に積極的にチャレンジし続けたのです。そして、最終的に幼稚園を開くまでになりました。仕事をクビになるたびにしょんぼりしていたぐるんぱ・・・しかし、めげずに歩みをとめないぐるんぱにはレジリエンスがあったのかもしれません。仕事がうまくいかなくても「ここでは合わなかっただけ」と楽観的にとらえることも大切なのかもしれません。

Fin

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