kouki-

20代、妻と二人暮らしの一般会社員。 気が向いたら投稿します。

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  • 【エッセイ】

    なんとなく書いているエッセイです。

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紫色の恋心

「ねぇ、私のどこが好き?」 という問いに頭を悩ませた経験はあるだろうか。 私はある。 確かにあるのだ、あなたのことを愛しいと思う理由や出来事が。問われたから探しているのではない。既に答えはあるにも関わらず、私の貧困な語彙と稚拙な表現力ではどうにも、この気持ちを簡潔な一言で伝え切れる気がしないから、言葉に詰まり困った顔をしているのだ。決して思いつかないから悩んでいる訳ではない、ということは分かってほしい。 好きな理由というヤツは言葉にするのが難しい。人に対しても、モノに対

    • 見慣れない顔

      昼休みが終わり、午後から予定されている打ち合わせに向かう準備をしていると、同じく昼休みが終わり自席に戻って来た先輩に 「あの人、どこの業者の人だろうね、見慣れない顔だよね。」 と聞かれた。 「どの人ですか?」 と聞き返しながら顔を上げると、教えてもらうよりも先に、その見慣れない顔がどの人のことを指すのか分かった。 鮮やかな青色のつなぎを着た、長身で長髪の若い男性が、斜向かいの課を訪ねて来たところだった。 もとより多くの業者さんが出入りする職場である為、それ自体は珍

      • 愚痴ではない何か

        この話は表題の通り決して愚痴などでは無い。 ただ私と、私の妻の日々、日常の出来事を記したものである。 何の話かというと、 妻は「詰め替え」が嫌いだ。 正確には「詰め替える」という作業が嫌いだ。 (ここでいう「詰め替え」とはシャンプーや洗剤のボトル容器に、パウチ容器の製品を投入することである。) 嫌い、という表現が彼女の感情や心情として適当なのかどうか私には分かりかねるのだが、私にはそう見える。 私はというと、ボトル容器の中身が減ってくるとなんだかソワソワしてしまう性分

        • 空器官

          その人の持っているオーラというか、空気みたいなものって、きっとある。 それはきっと、各々固有のものであるけれど、他人にも伝わるものだと思う。 それはきっと、感情や体調によって、ゆらゆらと、ありもしない形を変えるものだと思う。 私の纏っている空気はきっと、なんか、いつも、少し、ガチャガチャしている。 違法な増築を繰り返された集合住宅のような、勝負が佳境を迎えたジェンガのような、なんだかそんな不安定な感じだと思う。 それはさておき、その人の空気感って、書いた文章にも滲んで

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          7本

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          セロリ

          先日、初めてセロリという野菜を調理した。 『セロリ』という名を、聞いたことも見たこともないという人はあまり多数派ではないだろうと予想するが、大好物であると公言する方もまた多数派ではないだろう。 セロリといえばこれだよね!的な代表作にも恵まれていないようであり、ご家庭で頻繁にお目にかかる野菜ではない。というのは私のイメージだが。 ちなみに国内の生産量一位は長野県であり、某レシピサイドで少し調べればサラダや漬物など様々なレシピが考案されているのを確認できる。 さて、そんな

          セロリ

          後悔するよ。

          上司からシュークリームを頂いた。 そんなことは滅多にないのだが、普段の業務ではない仕事を請け負った対価としてだ。 普段の業務ではないとはいえ、勤務時間中の事だし、それほど大したことはしていない。むしろこんなものまで頂いて申し訳ない。 と思う気持ちを、段々と今日の夕食後のデザートができた嬉しさが追い越して行くのが自分でわかり、ちょっと卑しいなと思った。 帰宅した妻にそのことを伝え、頂いた箱を開けると、シュークリームは6つ入っていた。私が妻と二人暮らしであることは上司も知っ

          後悔するよ。

          私は完璧主義者だった。

          私は完璧主義者である。と思いながらそこそこの年月を過ごしてきた。 『完璧主義』とは一般的にどのような思想なのか、Googleで検索してみたところ ・高い理想を持つ ・万全を期すために努める ・失敗を恐れる ・自己評価が厳しい ・他人の目を気にする など、表現は様々ではあるが、大体このような思考を持って行動する人のことを完璧主義者と呼ぶらしい。 まさに私のことではないか。 特に、万全を期すという部分に関しては、自分でも常軌を逸した執着があることを自覚している。 例え

          私は完璧主義者だった。