蕁麻疹との闘い

はじめに

今、全身蕁麻疹に見舞われている。
体の至る部位から搔きむしってくれと言わんばかりの痒さが悲鳴を上げている。
脇腹付近や内もも、お腹周りといった皮膚が柔らかい部分や、指や口周りなど神経の多そうな部分は特に痒い。
掻いてしまうと余計に蕁麻疹が広がってしまう。
状況を悪化させるだけなのは知っているがどうしても手が伸びてしまう。

この記事では、今まさに蕁麻疹が発症している私の状況(身体/精神両方)と、これまでの蕁麻疹歴で培った知識と経験を元に奮闘しているリアルな様子を記載します。
医者ではないし、学術的なソースのある情報を伝えるとかではないので、情報の正当性についてはご自身で判断お願いします。
ただ、自分の状況ややっていることを噓偽りなく記載します。

蕁麻疹で苦しむ人とどこかしら共感できるだけでも嬉しいですが、何かしら症状回復になるきっかけとなれれば尚嬉しいです。
そして私の症状を知って、「私もほぼ同じような症状だけど、これやったらすぐよくなったよ」といった経験に伴う知識がもしあれば教えてほしい。
医者を信用してないわけではないですが、蕁麻疹は医学的に原因がわからないため(これは医者から聞いた)、医者も直し方がわからない。
蕁麻疹は患者が自分で試行錯誤しながら無茶せず向き合っていくしかないと思っています。

私の蕁麻疹の症状

蕁麻疹界隈では有名な地図タイプの蕁麻疹です。
発症部位は手の指から腕、肩、背中、胸、お腹、お尻、太もも、脛、ふくらはぎなどほぼ全身に出ています。運よく?顔にだけ今回は出てません。
仕事疲れの時は顔から発症することが多い気がします。

はじめは大きさがバラバラなミミズ腫れのような状態で発生します。
そこからそれぞれのミミズ腫れが薄く広がっていき、次第に他の腫れとつながっていき、大陸ができたかのようになります。
大陸という表現がわかりやすいので以後、大陸って出てきたら蕁麻疹(が広がった状態のところ)のことだと思ってください。

広がる過程で、大陸中心部は若干の赤みが残ったままで、かなり大陸が大きくなっているものは普通の肌色に戻りつつあります。
大陸の淵はちゃんと赤いままです。
大陸の淵を含め大陸内は痒く、少しだけ熱を持っていてジンジンします。

大陸外は基本的に痒くありませんが、普段より痒いような感じがしやすくて掻いていると新たな蕁麻疹ができます。

蕁麻疹の辛さ

痛みや辛さを他人に伝えるのはとても難しいですよね。
その難しさの所以は他人の痛みや辛さは自分とは実際のところ関係ない、っていう無関心からくるものだと思います。他人の痛みがちゃんとわかるように人間が設計されているのであれば、世の中からいじめなど相手を傷つける言動はなくなると信じています。

イタイイタイって騒いでも痛みが伝わりにくいように、辛いよーって叫んでも誰も自分と同じ尺度で辛さを受け取ってくれず、真に受けてくれないし助けてくれないというか、わからないから助けようもないというのが現実ですよね。そしてそもそも叫ぶ場もあまりない。こういう現実自体も辛いので、この世界を作った人を恨むんですが。

なので、ただ痒いといったことを伝えても辛さが伝わりにくいと思うので、ちょっとまどろっこしい辛さの伝え方をしてみます。

過酷な労働環境で精神が壊れてしまい電車に飛び込む人、貧困で家族のためにと生命保険金目当てでトラックに突っ込む人、介護や子育てに疲れ果て心中する人、詐欺に遭い借金を背負って命を絶つ人、いじめや将来の先行きが不安で現世を終わらせる人、痴漢冤罪で捕まり社会的立場を失い刑務所で首を吊る人など、挙げたらきりがないほど多くの理由で今も多くの人が自らの命を終わらせている。

人によってはそんなことで命を投げ出すなよと思うかもしれないが、当の本人にとってはそれが死ぬほど辛いし、その辛さから逃げる手段がもうそれしか残っていないというかそれが最善なのだと思わせるように、その時のリアルな辛さが仕向けてきます。

人は誰しも乗り越えたことのない痛みや辛さを初めて経験したときに、その痛みが人生最大の痛みだと思い込んでしまう。
大切なのはその時に「その痛みってそこまで痛くないよ、こうすれば解決できるよ」と解決手段を教えてくれる人がいるかどうかなわけなんですが、上記でも書いたように自分は痛がっているんだという事実を誰かに周知すること自体が難しくて解決できる人がこの世界に居たとしても、やっぱりどうしようもないんですよね。
その結果として、「命を絶つ」という極論的な解決手段をとってしまうのかと思います。あと、痛い/辛いときって、叫ぶ気力すらもないっていうときもありますね。

さて、蕁麻疹とは関係のない辛さだけを長々と書いてきたわけですが、辛さの本題に。
全身が蕁麻疹で覆われると、逃げ道として上記と同様に極論的手段が選択肢に入ってくるほどに辛さは大きいです。

なぜ辛いのかといった辛さの要素としてはパッと思いつく限りでは以下が挙げられます。
・いつ治るのかわからない
・原因がわからず、何かだめなことをしてしまうとすぐに悪化する
・薬を塗ろうと飲もうと何をどうしても痒みが24時間収まらない
・痒くて寝れない
・睡眠不足による自律神経の乱れや肌荒れ、その他免疫力低下による健康被害
・見た目が悪いので見える部分に発症している間は人前に出れない
・少し治ってきても、ルーティーンを崩すような遊び方や合わない食べ方/飲み方をするとすぐに悪化するため、全力で何かを楽しみ切れない


単に「痒い」だけで終わってくれるならまだいいが、痒みや蕁麻疹の見た目が作り出す様々な辛さが、生きる希望を奪っていくわけですね。

唐突だけどインフルエンザと蕁麻疹の辛さを比較してみる。
インフルはめっちゃくちゃ頭が痛いとかでとにかくその痛みと向き合うことに必死で、「死にたい」とかより「やばい、痛い!!死ぬ!!」といった思いが勝っている気がします。
蕁麻疹は言ってしまえば”痒いだけ”なので、搔かなければ痛みはないため一定の思考力を保てます。痒みと寝不足でかなり思考力は奪われてますが。
インフルのように思考できないレベルで頭痛が来るとかではない分、逆に現状を冷静に分析してしまう辛さがあります。

そしてなによりも見た目の違いは大きいです。
自分の体が異様な見た目になっているのは、どうも心苦しいです。
なにこれ、、、、この肌が自分の肌なのか、、、?つら。。。って思ってしまいます。

今回の蕁麻疹発症理由(考察)

明確な原因はわからない。
薬をもらうために病院には行ってますが、蕁麻疹は医学的に原因不明の病気です。

私は6,7年前から蕁麻疹を幾度となく経験していて理解度も高いほうだと思う。
蕁麻疹はアレルギーと密接な関係があるそうで、もちろん血液検査を行っていて、自分のアレルギーに対する理解度も高い。

花粉や食べ物などのアレルギーもあるので、かなり前から皮膚科には通い続けて、アレルギーの薬を一年中飲んでいる。
普段の生活では無駄な変化をさせずに安心安全であるとわかっているもののみを食べるようにしている。
温度変化や気圧、湿度にも敏感なので部屋のそれらは年中ある程度の一定さを保たせている。

それでも今回発症したのは恐らく台風14号(2022年)がきっかけな気がしている。
台風14号が過去に5例くらいしかないと言われるほどの巨大さだというニュースとともに、蕁麻疹が徐々に出始めた。

たまたまタイミングが合っていただけかもしれないが、
・巨大台風による低気圧
・ちょうど季節の節目で温度や湿度の変化(台風も影響してる)
・ブタクサなどの避けられない花粉等のアレルギー
この辺が今回の発症理由だとみている。

台風がニュースになる前日くらいから少し蕁麻疹が姿を現し始めていて、
気温も夏が終わった感じがしていたので「秋が来たのかな?」なんて毎年の恒例行事のように気軽に考えていたが、台風のニュースとともに広がっていく蕁麻疹で気軽さはすぐに失っていた。

対策

蕁麻疹が出てしまったら全身から完全に蕁麻疹が消え去るまで色々と対策が必要になる。
ただ薬飲んで死ぬほどポカリ飲んで寝てればいいという風邪やインフルとは比べ物にならないくらい気にしなければいけないことが多い。
また、少しでも蕁麻疹残っている状態で対策を怠ると、またすぐに悪化してしまう。
全身から完全に蕁麻疹が消え去るされば、また発症するまで何かしらの発症トリガーが起きない限り発症しない。

今のところは以下の対策を行っている
※あくまで私の症状/体質に対する対策で、絶対的に正しい対策ではないです。

・飲み薬や塗り薬を常時服用している薬の1段階強い薬を処方してもらって服用している
 収まったらいつもの薬に戻します。

温度管理
・温めると痒みが増すので、極力温めない(若干寒いくらいの服装)
・湯船には入らない、シャワーの温度は低め
・室温は27度、湿度は50%前後に保つ。気圧は流石になにもしてない。
 27度に保つ理由は、全裸になっても問題ない温度ということで。
 寒くして服を沢山着ると、熱がこもって蕁麻疹を誘発しやすい傾向にあるので、ある程度暖かい温度に。
・寝るときにかけ布団をかけない(かけなくてもいい室温に保つ)
 布団掛けると温まって痒くなってしまうため。
 掛けても寝れそうなときは掛けたほうが回復は早い気がする。
・シーツは背中の温度が高くならないように夏に売られるひんやりしてくれる系のシーツ

食べ物
・甲殻類アレルギーで魚介類も若干危う感じがするので避ける
・酒は絶対的にNG
 体温が上がるため(エンプティカロリー)
 ただ寒冷蕁麻疹の場合は、治ることがある。
 冬場に外にいて蕁麻疹が出たときは日本酒飲んでたら急速に治ったケースがある。博打に近いのでできるだけ酒はNG。
・マックとか油の質が悪そうなものは食べない
・ジュースは飲まない(水かお茶かプロテイン)/体によくなさそうなお菓子は食べない
 ※肌荒れしやすい状態なので質の悪い脂質や糖質をとるとすぐにニキビができるため
・肌にいいものをを食べる
 基本的には野菜中心でオレンジ/キウイなどのビタミン系は夜に
 ※ビタミン系を夜に取るのは単純に日焼け防止もあるけど。
・便の調子が悪いと回復速度が落ちるので、食物繊維多め、腸内細菌を考慮した食事。
・制限が多いので、制限内で好きなもの(フルーツ)を沢山食べてストレスは貯めないようにする

行動
・紫外線を避ける
   
多分紫外線アレルギー。ずっと外にいると蕁麻疹が出るのはよくあるし、あんま体調が良くない時に日サロに行ったらめちゃくちゃ蕁麻疹でた
・サウナに行かない
 ※サウナは結構諸刃の剣で、うまくいくとかなり回復するときもあるが、確率的には悪化することが多かった。あと蕁麻疹がひどすぎると見た目的に他の人が怖がるのでいけない。
・タバコは控える
 紙たばこを吸うと明らかに指の蕁麻疹が増える。多分熱が伝わるせいと、煙が皮膚によくない。電子タバコだと今のところ目に見えた悪化はない。
・無駄に寝ない(重要)
 痒みが引いて寝れるときはちゃんと寝てよくて、その睡眠はかなり回復に寄与する。ただ、寝て結構回復したなと思った後に、二度寝してしまうと悪化することがある。
・風に当たらない
 風は天敵だ。特にバイクに乗ったりして強い風を浴びるのは、蕁麻疹に餌を与えているようなものだ。心地よいそよ風は問題ない。
・皮膚にストレスを与えない
 風に当たらない、もその一つ。その他、つねるとか、長時間圧迫させるとか、たばこの煙を浴びせ続けるとかはNGだ。
・体を疲れさせない
 適度な疲れはOKでむしろ適度に疲れさせて痒みを忘れさせてちゃんと睡眠させることができればベスト。ただ、追い込みすぎたり、仕事による謎の体の疲れ(脳疲労?)は蕁麻疹が悪化するし、発症するトリガーになるから日ごろから気を付ける。
・汗を流す
 体温を上げるのはできれば避けたいが、汗をちゃんと流すことによって体温を奪わせることと体温調節機能を保つ/向上させることは重要である
・何かに集中する
 私はPCの作業に集中するようにしている。その間に少しだけ蕁麻疹が引くことがある。目的としては体温を上げないことと、痒いことを忘れさせて触らせないことにある。それもあって今真夜中の4時半ごろにこれを書いている。痒くて寝れないので…
・どうしても掻きたいときは冷やす
 冷やすぎは御法度。冷やしている最中は痒みが引いて気持ちいが、冷やし終わった後に蕁麻疹が引ききっていない場合に痒みが増す。
・熱を感じる場合は全裸になる
 急激に冷やすのはよくないので、全裸になって熱を逃がす。
 熱を逃がすというか熱をこもらせないのが本当の目的。
 寒冷蕁麻疹でない場合は熱がこもると、そこにすぐ蕁麻疹が追加される。
・水を沢山飲む
 疲れや老廃物がたまっている部分に蕁麻疹が出やすい傾向にあるので、水を沢山飲みつつ、リンパマッサージしつつ、老廃物や疲労物質をちゃんと流しだすようにする。
・他の病気にかからないようにする
 蕁麻疹発症中にインフルとかかかったら、それこそ地獄である。
 普段の100倍くらい、病原菌から遠ざかるような生活をする。

さいごに

これを殴り書きするのに2時間くらい全集中してたら少し蕁麻疹引きました。
蕁麻疹への関心が減って触らなくなっているのと、脳のエネルギー消費に体内のエネルギーが割かれ、蕁麻疹が利用するエネルギーが減ったおかげで多少引いたのかなと推察してます。
※赤みを出したり熱を発するには体内のエネルギー消費が必要なはず、という観点からの拙い憶測です。

このNoteを通じて思ったことは、蕁麻疹に限らず、何かしら辛さを抱えて生きている人は世の中に多くいて、その人たちの声をどうにかキャッチすることと、その辛さを乗り越えた人たちをどうにかして見つけ出し、乗り越え方を本人が知れることが今の社会には必要なのかもしれないということです。
今というか大昔から必要だとは思う。

インターネットが普及し、世界の裏側の人とも今すぐにコミュニケーションが取れる便利な時代になったにも関わらず、こういった困っている人を助けるような本質的に必要なコミュニケーションが取れない社会であることは昔から何も進歩していない。

SNSや知恵袋のようなものはあれど、本人に今まさに必要な情報を届けられる仕組みは整っていないし、システムエンジニアである私から見ても理論的にこの仕組みを作るのはかなり難しい気がする。

なので、誰かしらに届くこと信じてこうして少しでも自分の経験を発信しておく。
ただ、願わくば同じような苦しみを誰も味わてほしくないし、誰にも届かないことが誰も苦しんでないということになるのであれば、それはそれでいい。


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