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いつもと違うメキシコの停電

メキシコでは、よく停電がある。
パッと消えて1分後にはすぐ電気が点くということがよくある。

しかし、この間の停電はいつもと違っていた。

その日、暑〜い午後の日差しが照つけたメキシコの家の中は夕方になってもまだ暑さがこもっていた。
午後5時、パッと電気が消えた。
お、いつもの停電か。
このパッと電気が消えたくらいじゃ~驚かない。

5分経っても復旧しない、、、

おや…?

おやおや?
いつもの停電ではなさそうだ。
とりあえず、暗くなってきた家の中に明りを灯そうとスマホのライトをもとに蝋燭に火を付けた。
蝋燭の火を見ながら、テレビの音も扇風機の音もない静かでいつもと違う空間に。

しかし、停電し30分が経ち、少しずつ「いつ電気が点くんだろう」「電気が点かないと扇風機使えないし、暑いし困ったな」と、ざわざわと私の頭の中は不安な気持ちでいっぱいになってきていた。

どうしよう…と不安な気持ちで、ブーンという音をさせない冷蔵庫を見ていると、、、
ん?
なにやら外が賑やかだ。

どうしたんだろうと、窓を開けて外を見ると、スマホのライトを点けて、近所の人たちがざわざわと表に出てきている。
しかも、何やら楽しそう。子どもたちも出てきて走り回ったり、近所の人同士で楽しそうに雑談をしている。

家の中は暑いから出てきたそう。
困っている様子がまったくない。
そして、どこからか音楽がガンガンに流れ始め、おっ!電気が戻った!と思いきや、近所の人が車のカーステレオを爆音にして聞いているではないか。
あ、なるほどね〜っと感心してしまう。

停電の修理は明日にならないと来ないんじゃないかなぁと近所の人に言われ。
えぇー!?っと悪態をつきそうになったが、なんだか楽しそうな周りのメキシコ人を見ていると、一人でプンプン怒るのがアホらしく思えた。

メキシコ人は"困ったなぁ"の状況から抜け出すのが本当に上手いと改めて思った。そして楽しいことを見つける。

メキシコに来て早数年、日本にいた時だと、"こりゃぁ大変だ!一大事でっせ!"ということもこの国にいると不思議と"大丈夫、なんとかなる"という気持ちでいられるようになってきた。
"困った"の中に居続けない自分。

メキシコという国を知り、メキシコ人を知ることで、私の心はゆるゆると日々ほぐれていく。
まだまだ、この国から学ぶことは沢山ありそうだ。

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