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[外で食べる 4皿目] 地元に愛されつづけ60年、想い出の味を想い出にする@あもん(荻窪) その2

全国の餃子を求めてどこまでも… GYOZA JOURNEY ことカタオカマナミです。


ランチで、最終日の「あもん」にいってきた。
オープン前に近くをうろうろしていたら、並びはじめた人がいたので、慌てて私も並ぶ。

今回は、先に並んでいたこの写真の方とのお話。

先頭に並んでいその方と、席も並びだったし、料理も同じタイミングでいただいた。ともなれば、お店を出るタイミングも同じ。
店内でも一生懸命スマホで写真撮っていたり、綺麗に食事されていたりした。

あもんを出て、店外に伸びる長い列をスマホでカシャっと撮っていたその方に、
「寂しいですね。」
と声をかけてみた。きっと、同じ気持ちだったと思ったから。

「40年通った店なんです。」
と、やっぱり寂しそうな顔をして、その男性がつづけて話しはじめた。

2日前にはあった焼きそばは売り切れていた

今朝、妻に閉店のことを聞かされ、『これは仕事なんてしていられない!』と、仕事を休み最後の「あもん」を食べに来たのだという。
彼が注文したのは、ラーメン+半チャのAセットに餃子。横にいたから、結構な量を注文しているな〜と思っていたのだけど、聞くとそれは40年前に初めてきた時に注文したセットだった。

店主の"よしっ"という声でチャーハンの鍋を振る

『高校が合格したら、ここでたらふく食べるんだ。』と決めていて、合格した時にお小遣い集めてここに来て、さっきのセットを食べにきたんだそう。
『40年前のようには食べられなかったなぁ。』と苦しそうな顔だったけど、嬉しそうだったように見えた。


「あもん」を出て寂しかった気持ちが、彼の話を聞いて一気に温かくなった。


「いろんな餃子を食べた中でここがいちばんだったんです!」
と私の話も少しさせてもらった。そしたら、彼からある店をオススメされた。

「あもん」が好きなその人のオススメなら、是非いってみようと思った。


私たちが食べている間に、私たちと同じように最後のあもんを食べにきた人がたくさん待っていた。

きっと、ひとりひとりに、40年間通った彼のように「あもん」とのストーリーや想い出があるんだろうな・・・なんて思いながら、ほろ酔いの私はお店を離れた。



心から「ごちそうさまでした」!



「あもん」の店主・根岸さんへ

60年間、お疲れ様でした!私の生きてる時間よりずっとずっと長く鍋を振って料理をだしていたんですね。餃子、とても大好きでした。心に残るごはんをありがとうございました。

景色や音を"記録"に残すことができても、味を残すことができないのが悔しい。"記憶"の中にしっかりとどめたい。

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