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財政から見る社会保障2

財政から見る社会保障シリーズ(?)です。
前回は社会保障全体の収支について見てみました。
2回目の今回は「年金」に焦点を当てていこうと思います。

保険料

公的年金の保険料ですが、被保険者種類(加入している年金制度)によって異なります。
種類は3つです。

1.第1号被保険者(自営業、フリーランス、学生等)
2.第2号被保険者(会社員、公務員等の厚生年金加入者)
3.第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)

1.の第1号被保険者の保険料(国民年金保険料)は「16,540円(令和2年度)」です。
各年度ごとに保険料は多少前後します。

2.の第2号被保険者の保険料(厚生年金保険料)は「標準報酬月額(*)×18.3%+標準賞与額×18.3%」です。毎年9月に標準報酬月額の更新のため保険料は変動します。ただし保険料の半分は会社負担となっています。国民年金保険料を別途納付する必要はありません。

*)簡単解説 標準報酬月額:4~6月に支給された給料を基準とする額。これを基準に9月より保険料が変動する。9月の給与明細が手元にある方はチェックしてみるといいかも!

3.の第3号被保険者の保険料(国民年金保険料)は「保険料なし」です。第2号被保険者(配偶者)の保険料に第3号被保険者の保険料も組み込まれてるイメージです。

公的年金の収支

厚生労働省のHPを検索して、無事に発見できました。
最新のデータは平成30年度分でした。

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(https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000617714.pdfより一部抜粋)

前年度積立金→収入→支出→差額→積立金の流れで表示されています。

積立金の金額の多さに驚いた方がいらっしゃるかと思います。
厚生年金勘定だけ見ると約3年は収入がなくとも支出を賄えるだけの積立金を有しています。ニュースでは報じられない数字だと思います。
国民年金勘定を見ても同じような数値となっています。

厚生年金の積立残高についての話題が上がりますが、そのデータがこちら(2019年度)です。

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(https://www.gpif.go.jp/operation/last-years-results.htmlより一部抜粋)


2019年度は-8.3兆円(収益率-5.20%)とのことです。マイナス金額の大きさに驚きました。

コロナウイルスの影響でしょうか。僕自身もイデコをしていますが、ちょうど2020年3月~5月にかけて資産の下落が-10%でした。
その他を見ると、2007年2008年はリーマンショックでしょうか。ここでも大きく下落しています。

単年度だけ見ると赤字もありますが、通期を見ると57.5兆円の黒字(収益率2.58%)となっています。短期的な視野にとらわれず長期的に見てみるのもお金を考える上では大切です。

ちなみに厚生年金の積立資産を管理している団体は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)といいます。積立金残高のデータもGPIFのHPからリンクしています。

GPIFはどんなことしているのかはこちらです。ページ中央の図でこの法人のことがイメージできると思います。

終わり

財政でみる社会保障(年金編)いかがでしたか?

あまり意識しない社会保障の財政ですが、これを機に少しでも気にしてくださる方が増えれば幸いです。


(ここからは余談です)

過去の財政収支と運用情報も公開されているようです。ご興味のある方はぜひご覧ください!
公的年金各制度の財政収支
GPIFの運用情報

また年金財政ですが、5年ごとに見直と検証が行われています。
直近の検証は2019年です。詳細はこちら

最後までご覧いただきありがとうございます。

終わりッ!

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