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本気

本気は大切。
でもこと私達のような「非日常」空間の商売には、あからさまにその本気を表面に出してはいけない場面も多いと思っています。

会社経営時代、都内のある割烹料理に行ったことがありました。
その女将さんはとても愛嬌のある方で、高級価格帯のお店にも関わらず多くのお客様がいらっしゃっていました。

皆様、女将さんのその愛嬌に癒されており、楽しそうにお話しています。
まだ創業したてでギラギラwしていた若かりし僕も、女将さんに飲食に対する熱い想いを話していました。

女将さんは言いました。

「そんなに熱いとお客様が火傷してしまいますね」

若い僕はその意味がいまいち分かりませんでした。
でも今は女将さんの言葉の意味がわかります。

本気だからこそ、プロとして熱い想いを姿勢に変えて、非日常空間を「楽しみ」に来たお客様に接せなければならないのです。

言い換えればこちらの想いはお客様に関係ありません。
主体は「こちら」ではなく「お客様」なのです。
今時に言えば「マーケットイン」の発想です。

ぎょうにんべんの商品はいわば「プロダクトアウト」。
つくりたいものをつくりたいようにつくらせていただいてます。
ただ、その商品以外のサービスは「マーケットイン」のお客様思考でやっているつもりです。

この商品だからこそのこのサービスのギャップ。

あの時の女将さんの言葉を、今は普通じゃない餃子と共に噛みしめています。

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