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クレーム対応は その道の師匠に学ぶところから
私は建設業の営業職です。様々なクレームに対応してきました。
お客さんだけでなく工事現場の近隣の方々からも…
営業して、現場管理して(監督さんが足りません…)、クレーム対応まで。何でもやりまっせ!という業務内容です。
肩書きはインテリアコーディネーターとエクステリアプランナーなんですがね…
クレーム対応はキャリアにおいて重要
同僚たちと飲みに行くと『ぎょくすん(私のこと)は謝るの上手やな!』とよく褒めてもらいます。
他にも褒めて欲しいところはあるのですが…。
お陰様で去年は別の課のクレームにも借り出されてしまいました…
クレーム対応が出来るという事は、幅広く仕事を任せてもらえる指標となります。(と思っています)業務を理解していなければクレームには対応出来ませんからね。
あと、やっぱり強くないと出来ません。キツいことだらけですから。胃がちぎれそうになります…マジで!
私は社会に出てから随分と強くなったと思います。ここで言う『強さ』とは時間をかけて熟成された強さのことです。
… 厚かましさも含まれます …
そして『嫌なことはすぐに忘れる』という体質も早めに手に入れることが出来たのは幸いでした。(そうでないと長続きしません…)
抜群にクレーム対応が上手な上司との出会い
私が30代の頃、クレーム対応について考えが一変する出来事がありました。
ある建築現場で発生したクレームについて、
営業担当者の私と、現場責任者として技術次長が対応にあたることになりました。技術次長(偉い人)のことはよく知りませんでしたし、正直 嫌な業務です。私の気持ちは後ろ向きでした。
ところがお客様に対面してすぐの次長の第一声を聞き、『凄い!プロだ』と衝撃を受けます。思わず『技あり!』と言いたくなるような鮮やかさでした。
『この度は申し訳ございませんでした』とありきたりの台詞でしたが、声の張り、抑揚、お辞儀の所作まで、まるでベテラン舞台俳優の演技のようで、その場の空気がピーんと変わったのでした。私もつられて頭を下げました。
この一瞬で流れはこちらが優勢になったとわかりました。
あとは対話しながら、お客様が振り上げた拳を納めていただく場所を探っていきます。決してへりくだるわけでもなく、お客様と対等という感じで堂々と進めているようにも見えました。
こんなクレーム対応はじめて!なぜこんなことが出来るのか?
理由を考えます。
役職者という肩書きが顧客の信頼を生む
専門領域について分かりやすく説明ができる
長年の経験から顧客の潜在的不満までも理解し具現化できる
以上を踏まえ自信をもって臨める(第一声に現れる)
他にもあるかと思いますが、この4つに注目しました。
わたしには難しいかな…
色々と考えます…
クレームだけでなくすべての仕事について、今までとは理解が変わったように思えました。
弟子入りしました
その後も幸い(クレームなのでキツいですが…)なことに何度か次長と同席する機会があり、側でその対応方法を観察させていただきました。
もう、この技を習得するためには弟子入りするしかない!心の中で次長をクレーム対応の師匠と崇め、勝手に弟子入りしてしまいます。
弟子入りした後は、
クレーム以外の打ち合わせにも、同行してもよいものには付いて行くようにしました。
また、担当外のクレームについても、どのように対応されたのかを後から他の社員さんに教えてもらったりもしました。
この頃に得たたくさんの気付きは、後に自身のキャリアに大きく影響します。(書き出すと長くなるので…)
あるとき次長に聞いてみました。
『どうしてあれほどスマートにクレームに対応できるのですか?』
『若い頃に自分のミスが招いたクレームが多くて、毎日のようにお詫びに走り回っていたからね。自分で失敗しては謝るの繰り返しでクレーム対応が上手くなったようなものだよ。お恥ずかしい…』
『・・・ 』
なんと答えたのか覚えていません。
私は心の中で、
『次長は ”クレーム” を生み出す…その道のプロだったんですね…』
と呟きました。
術習得は一朝一夕とはいきません
お仕事には様々な技術が要求されますが、クレーム対応にも当然それは必要です。そしてその術習得は一朝一夕にはいきません。
仕事を続けていると、嫌でも自分がプロジェクトの責任者としてクレームに対応しなければならない日が来るでしょう。私もそうでした。
その頃になってからでは学んでいる時間はありません。
昨今タイパが重視されるようですが、お仕事には経験が活かされるシーンが多くあるのも事実です。
クレーム対応はできればやりたくない仕事ですが、少し積極的に関わってみると他の仕事にも役立つ要素が多いことに気付きます。皆さんはどう思いますか?
長年思っていたことを、つい書いてしまいました…
おしまい。
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