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「彩り豊かな世界がそこにあった」・・・今必要な事。



桂米團治独演会 中央会館

東京での上方落語の独演会は、大阪に比べると少ない。
この貴重な機会を逃さず堪能した。


世の中はうっとうしいニュースが続き、気分が滅入る日々だったが、
久しぶりに落語や三味線の軽快な音を聞いていて、さっきまでモノクロの世界にいたことを改めて感じた。色のない世界に、さあっと色が戻ってきたような潤いのある時間であった。

そして何より、落語などの古典芸能を観に行くと、知らない言葉や言い回しを学べる。

今回面白いと思ったのは、

〇家賃を入れて三人家内(かない・家族のこと)

夫婦二人暮らしなので、子供代わりの家賃が目立つだけで、
子供がいるよりかかる生活費は少ない・・・という意味。

〇釣り針のようなかしくで客を釣り

芸妓が客への手紙の最後に書く「かしく」という文字がまるで釣り張りのように見える。
つまり芸妓が客を釣っている・・・という意味。

〇羽織を「どうべら」に着る。
*おそらく「どうべら」であったと思うが、
 正しい言い方をご存知の方はお教え願いたい。


羽織を肩から袈裟懸けに斜めに崩した形で着る・・・という意味。
それが粋に見えるという事だろうか。


言葉の多彩さが、カラフルな喜びと笑いの世界を生み出してくれる。

苦しい時代にこそ、心を癒す「笑い」の必要性と力を感じた。

米團治の「たちぎれ線香」は、父・米朝の得意演目。見ごたえがあった。
出演は他に、桂慶治朗。桂小すみ。浅野美希。

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