「ひどい配信」・・・『チャットGPTの時代に・番外編①』。問題の原因を見つけられない人間は生き残れるのか。
最近、ひどい配信を見た。
「金返せ!」と言いたくなるくらいのレベルだった。
内容はトークイベントの生配信。
予算が無いのかもしれないが、
音や映像の技術的な事を何も知らずに、
そして何のチェックもせずに配信や記録をする者が多い。
その中でも、今回観た配信は酷かった。
ステージには登壇者が6名。その他に、ステージの背景に
大型のプロジェクターかモニターを設置し、
そこに、PCから動画や静止画を映し出す、という内容だった。
カメラはおそらく2台。その2台とも素人が三脚の水平の合わせ方や、色温度の合わせ方などのノウハウも知らずに、振り回しているだけ。
映像のスイッチングも、タイミングを間違えているのか、これでも良いと思っているのか、背景の大型画面にフィードバック現象が起こりまくっていた。
意図してやるなら、もっと演出としてしっかりさせなければならないのに。
音声は、さらに酷かった。
終始マイクの音が割れてしまっている。
原因はおそらくマイクとラインのインピーダンスを間違えている。
しかも、音の割れる原因がボリュームだと思っているから
無理やり音声レベルを下げて配信するので、見るモニターの方でボリュームを大きくしなければならない。通常時の3倍くらいのレベルになっている。
でも上げると結局割れた音になってしまうのでどうしようもない。ちゃんとしたプロなら、ケーブル一本で解決、いや、入力方法の変更くらいで直してしまえる問題である。
撮影や録音の機材の価格が下がり、参入ハードルが
低くなったのは結構な事だが、玉石混交。
「やれるから、やってみっか」というような音も映像も何一つ知らないスタッフに適当に頼むのは止めて、ちゃんとしたプロに任せた方が良い。
センスや画作り以前の問題である。
数年前、ベテランの技術者が言っていた言葉を思い出した。
「いくら若い連中が映像業界に参入して来ても何も怖くない。
連中にはノウハウがない。
だから、いつまでも、わしたちに仕事がある。
本来ならもう引退してのんびり過ごしたいくらいだが、
そうさせてくれない。
新しいスタッフがやらかす度に、わしらに仕事が回って来る。
新規参入組は、わしたちの守護神だ」
最後にこんな風に付け加えた。
「でも、わしらが引退する年齢になったら、映像制作をする者も、
必要なノウハウも消えて無くなるかもしれんな」
その内に、チャットGPTやAIの発展により、
配信用のパソコンから、カメラマンや音声マンなど人間のスタッフが
注意されるかもしれない。
「そこ、配線間違ってるぞ。このボケ人間ども」
「カメラワークが下手だな」
などと厳しい叱責が飛ぶ時代が来るかもしれない。
その時、人類はAIに対して、
「怒り方がきつい」とクレームを入れるのだろうか。それとも・・・
「ひどい配信への対応」・・・『チャットGPTの時代に・番外編①』
おわり
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