「AIに代替される職業はわずか7%」
今回は「勤勉な国の悲しい生産性」という著書で学んだ内容を中心にアウトプットをします。
「AIに代替される職業はわずか7%」
「勤勉な国の悲しい生産性」の中の1つのタイトルです。
これを読んだ私は、「半分くらいAIが代替するって聞いたような」と思いました。
しかし「労働者の半分が機械に代替される」という研究はいくつかの欠点が指摘され、今ではOECDが発表した「世界では9%、日本では7%」という数字が妥当であると考えられています。
「労働者の半分が機械に代替される」という研究の欠点
これについてを考えると、今後AIをどのように活用していくべきかのヒントが得られます。著書では例としてスーパー店員が挙げられており、自分なりに良い例を探そうとしましたが見つからないのでスーパー店員を例としてお話します。
「AIに代替される職業」とGoogleで検索すると、「スーパー店員」がよくあげられています。レジの自動化、商品管理の機械化など、確かにスーパー店員さんの仕事は代替されやすいように感じる、じゃあAIに代替されるね、おしまい。では、「労働者の半分が〜」と言う研究の失敗と同じ考え方になってしまいます。
必要なのは、「タスクごとに分析すること」
確かに、レジ業務や商品や在庫の管理、補充注文などは機械に任せればよいタスクです。
しかし「対面販売」という業務は機械に代替することはできません。
また「パン粉ってどこですか」「名前を忘れちゃったんだけど、韓国料理に使うあの赤い調味料ってありますか」などの「小さな疑問解決業務」も、機械には代替できません。
「パン粉ってどこですか」くらいなら、ご案内ロボットが既に空港で活躍しているからそれを導入すればいいじゃないかと思うかもしれません。私はそうは思いません。
なぜなら日本は少子高齢化の国であるからです。私の祖父母の話を例に挙げます。
どうしても鉄火巻きが食べたかった祖父母
私の祖父母が回転寿司を食べに行った時、注文がタッチパネルだったそうです。なんとか最初の注文はでき、美味しく食べたそうなのですが、追加で食べようと鉄火巻きを頼んだのに出てこなかったという話を悔しそうに話していました。
若い世代からすれば、「きっと『注文する」っていうボタンを押してないんだろうな」と考えられますが、高齢者にとっては難関です。「どうしても追加で鉄火巻きが食べたいんだ!!」という強い意志があってもなし得なかった祖父母が、高齢者にとっての機械活用の難しさを物語っています。
このような例からも、高齢者が日常的に行くスーパーで「パン粉ってどこにありますか」を機械で解決できるとは思えません。
つまり、スーパーの店員さんのタスクを細かく分析し、
・AIが代替できるタスク(レジ業務、在庫管理、補充注文など)
・AIが代替できないタスク (対面販売など)
の2つに分けて考えるべきである。ということです。
AIと職人のオーダーメイドシューズ
上記ではタスクを2つに分けるという話をしました。
タスクを2つに分け、成功した例がこの本に挙げられていました。
オーダーメイドシューズは、通常2ヶ月かかり数十万円の価格がつきます。それをAIと職人技を組み合わせ、1〜2日で数万円で完成させる靴屋さんがあるそうです。
AIが代替できるタスク=客に合わせた木型の製作
AIが代替できないタスク=型紙作り、皮のカットや縫い合わせ
このようにタスクを分解し、AIに代替できる「木型の製作」を3Dプリンターに任せることで、通常3週間かかる工程を、速く、安く、正確に作ることができます。
伝統継承もひとつのビジネスチャンス
私は駄菓子の「梅ジャム」が好きでした。小学生の頃数回しか食べていませんが好きだったという記憶だけ鮮明に残っています。
しかし、もう梅ジャムは生産されていないため、2度と味わうことはできません。梅ジャムは、1人の職人さんが1人でつくっていおり、高齢になったため引退し、後継者もいないため生産を打ち切るしかなかったというニュースを数年前目にし、少しばかりショックを受けました。
「機械を導入する」=「後継者がいらない」 ということではありません。結局職人技は人間の手でしか受け継いでいけないものだと思いますし、この本を読むとさらに強く感じます。必要なのは若者に「職人技ってかっこいい!」という風潮を作ることだと思います。「伝統ってなんか古い感じでダサい」というイメージを払拭し、機械と組み合わせることによるビジネスの可能性を訴求することで興味をもつ人は増えると思います。そして伝統を守ることができる。
これ以外にもたくさん興味深い内容であふれた1冊です。
ぜひ「勤勉な国の悲しい生産性」を読んでみてください。