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#001『リーダーの弱さの情報公開が、組織の心理的安全性をはぐくむ』

株式会社ガイアックスと株式会社はぐくむが共同で立ち上げた、自主自律型組織への変革を伴走するコンサルティングサービスです。このnoteでは、株式会社はぐくむ代表取締役の小寺毅さんと、ガイアックス社内コーチが【コーチング / 自主自律型組織 / リーダーシップ】 などについて語り合っていきます。

こんにちは!小寺毅です。株式会社はぐくむにて脱・ヒエラルキー、脱・指示命令コントロール型の組織を目指す方々を対象にした経営コンサルティング事業を展開しています。ガイアックス × はぐくむの自主自律型組織変革コンサルティングのメインコンサルタントを務めています。

今回のテーマは「弱さの情報公開

全員が自律的に動けるようになったらいいと思っていても、全員がそうなることは難しいもの。リーダーとして働きかけているけど、うんともすんとも言わない、停滞しているように感じることはありませんか。

そのような状況を打開していくポイントの1つ、「弱さの情報公開」についてお話ししていきます。

リーダー自身が「そのまんま」を出しているか

働きかけているのに、うんともすんとも言わなかったり、停滞しているように感じる場合は、メンバーの命が躍動していないということ。そういう状態の時は、リーダーが「そのまんま」を出していないから、メンバーも出していないと考えてみることが大事です。

メンバーから引き出すだけではなく、リーダーから伝えたい時は思い切って伝えてみる。リーダー自身も頑張って働きかけているとは思いますが、リーダーとして頑張り過ぎないことが重要になってきます。むしろ、リーダーとしての肩書きを下ろした等身大としての、素直な思いや葛藤を吐露してみることをオススメしています。

ガイアックスの一つの事業部をコンサルティングした際に、その事業部長にスポットライトを当てさせてもらうことがありました。

その事業部長は、メンバーからは優秀な人と見られがち。いつも言うことが的を得ていて、その方の発言に乗っ取っているとチームがいい方向に進むと、多くの人が感じていた、と僕は感じていました。

セッション当日では、「いつもの的を得た意見ではなく、もっとドロドロした人間としての葛藤を聞かせてください」とリクエストしました。

悩みは人間だからあるものですが、他人に言うこと/言わずに自分で処理することを頭で処理していて、その処理が上手い人が資本主義社会におけるパフォーマンスが高い傾向があると感じています。

しかし、リーダーに限らず、チームを構成するメンバーが感じている悩みや葛藤を場に出してみると、「XXさんは、これで悩んでいるだ」と気づいて助け合いが生まれていくことがあります。そうした「弱さの情報公開」が進むことで、チームの中に新たな流れが生まれていくと考えています。

Googleと「弱さの情報公開」

Googleの「プロジェクトアリストテレス」をご存知でしょうか?

アリストテレスの言葉「全体は部分の総和に勝る」(Google の研究者も、「従業員は単独で働くよりもチームで働いた方が大きな成果を上げられる」と考えています)にちなみ、「Project Aristotle」と名付けられたこのプロジェクトの目的は、「効果的なチームを可能とする条件は何か」という問いに対する答えを見つけ出すことです。

この調査結果の一つに「心理的安全性がチームのパフォーマンスに大きな影響を与えている」というのがあります。

この調査の中で僕が伝えたいのは、この一フレーズ。

"Be burnable in front of each other."

「お互いの前で脆さを分かち合えること」が心理的安全性の1要因だということです。

リスクを取ることをお互いに許容しあって挑戦する人を応援しつつ、プライベートを含めた個々の「脆い部分」をみんなの前で分かちあえる関係性が重要になってきます。だからこそ、メンバーだけではなく渦の中心にいるリーダーが「人」としての葛藤を分かち合うことで、メンバーの関係性が変わり始め、チームのパフォーマンスアップにもつながると考えています。

「心理的安全性」は、ただ喧嘩しない/飲みに行ける、という仲良しな感じだけではありません。これは日本における「心理的安全性」のポイントの中でも見逃されている点だと思っています。

どうしてもヒエラルキー型の組織だと、同じ階層のみで分かち合っている場合が多いと思っています。脆さをメンバー全体シェアするとなると「全体では少し難しい、、、」と感じる人もいるかと思いますが、その要因はおそらく「恐れ」だと考えています。

「この情報を共有してしまったら、勘違いされるのではないか。」
「この数字を共有したら、メンバーを混乱させるのではないか。」

その恐れを超えてヒエラルキー構造の縦でもリーダーがそのまんまを分かち合う、それに呼応してメンバーもそのまんまも出していく。そうした葛藤の分かち合いが起きることで、メンバーの命が躍動しているチームが育まれていくと思っています。

ビジネスにおいて、感情は不必要?

「感情はビジネスにおいて不必要なもの」と捉えている人も世の中にはいると感じています。

しかし、僕は感情は大事なものとして捉え、人と人を結びつけるものだと考えています。人間が生きている証拠だとも思っています。感情を分かち合っていくことは勇気が必要ですが、一歩を踏みだしてチームを変革していくためには欠かせないことでもあります。

常にチームの変化は、等身大の人たちのやりとりによる「対話の場」から生まれます。感情を分かち合う場を設けるなんて、なかなか発想しないことだと思いますが、リーダーの人たちの勇気ある分かち合いから始めることが組織を変革していくためには大事だと思っています。

我々の取り組みでは、その変化を起こすためのきっかけ作りのお手伝いをしていきたいと考えています。

\#20『そのオフサイトミーティング、イケてますか?』/
日本国内のスタートアップや外資の日本法人立ち上げなど、中小企業から大企業の一部門まで様々なカテゴリーにおける場づくりに立ち会ってきた小寺さんは「コミュニケーションの質が組織のパフォーマンスを左右する」と語ります。オフサイトミーティングをより良いものにし、コミュニケーションの質を高めるためのポイントをお話しいただきました。
*このnoteはYoutubeチャンネルの記事を記事化・編集したものになっております。動画でも視聴したい!という方は下記URLよりご視聴ください!

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