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美少女文庫のクオリティが低下している件について 解説

※8/30.一部文章改定※

はじめまして。ジーエックスと申します。

美少女文庫というジュブナイルポルノレーベルについて、いろいろと語りたいことがあるのでこの記事を投稿しました。批判的な意見となりますが、あくまでも個人の感想です。

1.帯がなくなった問題

2018年11月を境に美少女文庫の表紙が切り替わりました。

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この絵だけではわかりにくいかもしれませんが、帯がなくなったために直接アオリ文章が表紙に描かれるようになりました。

長いタイトルとアオリの文字によってせっかくのイラストが台無しです。安っぽい印象を受けます。

※オビがあった頃はこんな感じでした。

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一部サイトの電子版では文字や題名なしのイラストページを入れるなどの措置がありますが、私のような実本を買う派にとっては損しているような気分になります。

コスト削減という目的もあると思いますが、私からすればどんな判断だ、という思いしか浮かびません。

帯をつけずに長い説明的なタイトルにして、チョコっと脇に小さい文字で説明文を載せる、その結果イラストの大部分が隠れる…というのは宣伝的な意味でも作品の質的な意味でもどっちつかずの悪手としか思えません。

2.発売前の告知が下手問題

先ほど掲載した画像は版元ドットコム https://www.hanmoto.com/ から引用させて頂きました。
イラストの次は説明文を見ていただきたいのです。

最初に2020年7月に発売した『国王になったが妹は俺を嫌うし、国庫は大赤字で大変です』の説明文がこちら。 

わかつき ひかる(著/文)みやま 零(イラスト)
紹介
「早くしなさい、って言ってるでしょ!?」
 涙をいっぱいに溜めたローズの瞳がヴァイセを睨んでいる。
 これから処女を捧げようというのに、妹姫はあくまで強気だ。
(ローズは、すっげぇプライドが高いな。さすが我が国が誇るお姫様だ)
 亡くなった母親が王女だったと言われて、いきなり国王にされたヴァイセ。
 嫌われていた妹姫とも協力し合って、赤字国家を立て直さなければいけないのだが……。
 ぐっと腰を進めて、処女膜がちぎれる音がして、ペニスがぬるぅっと奥に入った。
「痛いっ!」
 威厳と慈愛に満ちたローズ姫を、秘密の恋人にして、二人で乗り越える国の危機!

次に 2016年2月に発売した『監獄城の囚人姫』はこちらです。

わかつき ひかる(著/文)うるし原 智志(イラスト)
紹介
「しょ、処女を奪っていただき……はあっ、ありがとうございます……」
 レオンハルトは驚きのあまり目を見張った。犯している相手にまさか礼を言われるとは思わなかった。
純真すぎて、エリザベートは
おかしいのではないか。
 前手縛りにされ、ドレスを引き裂かれて、地下牢の床に組み敷かれた哀れな皇女。
 かわいそうでかわいくて、大事にしてやりたいのにいじめたい。
「ああダメ、イキそうっ、飛んじゃうっ!」
 子宮いっぱいに精液を注がれ、惨めに絶頂を極めていく彼女は美しかった。
 王と国に疎まれ、人質の身として監獄城へ送りこまれた弱々しい皇女殿下。
 気高すぎる彼女の強い魂に触れ、孤独な城主レオンハルトの心に何かが灯った。
目次
プロローグ 気高く優しい「囚人姫」
第一章 処女を奪われなお美しく……
第二章 健気すぎる奉仕と緊縛絶頂
第三章 皇女を守るための媚薬玉
第四章 暴君の前で恥辱の淫乱ショー
第五章 叛逆、君と玉座を取り戻す!
第六章 女神姫の降臨、王位の奪還
エピローグ 王と女神のロイヤルキス


この通り、以前は章ごとに解説が掲載されていたのですが、現在ではあらすじしか載っていないのです。

今までが中身をバラシ過ぎだったのでは、と思う方も居るかと思いますが美少女文庫は普通のラノベではなくジュブナイルポルノです。肝心なのはHシーン、それを情報公開しないでどうするのかという話です。

エロゲでHシーンのイベントCGを公開しないようなものではないでしょうか。

発売前の宣伝および告知こそがラノベにとって重要な点のはずです。

発売後であればAmazonKindleやブックウォーカーなどの電子書籍サイトで最初の十数ページ、および目次の部分を読むことができます。ですが発売前となると美少女文庫公式サイトの試し読みでしか目次を読むことが出来ませんし、この情報公開も早いとは言えません。

実際に8月19日発売予定の『僕には調教志願(エロエロぐいぐい)なエルフ先輩がいます』について情報を調べようとすると、版元ドットコムではあらすじしか載っていません。

美少女文庫の公式ページでも同様のあらすじと1枚の挿絵、そしてその挿絵部分のHシーン文章しか載っていないのです。試し読みページはまだ開けない状態です。

肝心な目次部分、どのような流れになって、どのようなHシーンがあるのかということが発売前にわかりません。

更に言うと、目次を読めてもまだ不十分です。上記の『監獄城の囚人姫』の目次では緊縛、媚薬、衆人公開プレイがあるっぽいということまでしかわかりません。

中にはもっと詳しく目次を書いている作品もあります。これくらい表記してあると安心して予約できます。

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※画像は実本です。電子版では目次は同じですがキャラ説明ページはカットされているようです。

上記のような展開や体位、シチュエーションまで細かく表記した目次やキャラ説明ページを設けている作品は少数です。

その他、鷹羽シン氏の作品については氏のブログで発売前にHシーンのシチュなどを解説しています。

また、青橋由高氏のブログでは発売後に作品の解説を行うため、それを確認した後に購入ということも可能です。

※試験販売が行われていた頃はあるブログで先行して紹介していましたが、今では試験販売が無いためか発売後に記事が出る形となっています。それも一部の作品だけですべてが紹介される訳ではないようです。

これが他のレーベル、キルタイムであれば公式サイトで最初の人物説明と序盤の導入部分と後半のHシーン部分を挿絵付きで数ページ読むことができます。よって、ある程度全体の流れを推測できるのですが、美少女文庫では断片的な情報しか得られません。

私が一番憤っている不満点です。これに関しては手抜きとしか言いようがありません。早めに予約できるように、発売後に感想チェックしてから購入しなくてもいいように、ちゃんと情報公開してほしいのです。

美少女文庫はTwitterで宣伝と告知を繰り返していますが、ただ作品名と表紙をツイートするだけでなく、もう少し頭を使った方法があるのではと常々思っていました。

予約の問題だけでなく、購入した後に「表紙に載っているキャラなのに複数プレイにしか参加しないだと!?個別シーンなし!?」「実妹じゃなくて義妹だと!?ピンヒロインなのに!?」という肩透かしとなる事態を避ける為にも詳しい情報公開は必要だと思います。

※後者の例は『妹サキュバス! 芽亜はピュアでえっちで兄専用』という作品です。

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この件については作者の午後12時の男氏に意見をお伝えして謝罪を頂きました。これについては発売前に試し読みをしていれば避けられた事案でしたので私の情報収集不足だったと思います。

少し脱線しましたが、話をまとめると安心して予約するために、

1. 発売前、それも早い段階で情報公開してほしい。

2.全体の流れやHシーンの内容を告知してほしい。

の2点をしっかり行ってほしいということです。

3.属性偏り過ぎ問題

こちらは2020年に発売された(発売予定の)作品の一覧です。一か月に三冊発売されるので月ごとに分けています。

悪魔お姉ちゃんの愛なるもの
いもうとはGALかわいい
奴隷エルフの若奥様

美少女後輩のペット、はじめました。
とある錬金術師のエルフ孕ませ計画
僕には調教志願なエルフ先輩がいます

双子エルフにめちゃくちゃ愛されてる!
私、メイドなのにお嬢様より好きなんですか!?
引き籠もり魔王が奴隷エルフを買ったら

鬼教師が教育メイドになりました
姫騎士エルフと隠者ダークエルフ 隷属の淫紋
国王になったがは俺を嫌うし、国庫は大赤字で大変です

サキュバス! 芽亜はピュアでえっちで兄専用
催眠学習 姫宮月乃と姫宮涼香、母娘征服
お兄ちゃん、のおっぱいに甘えていいよ?

アサシンメイドとスパイ卿
恋堕ちジャンヌ・ダルク クーデレ聖女と同棲生活
搾精病棟 ~性格最悪のナースしかいない病院で射精管理生活~

優等生 綾香のウラオモテ アヤカのナカにぜんぶちょーだい
片恋革命 エースの彼女であるチアリーダーが俺の片思いも応援した結果
絶対に負けない生徒会長・鏑菱優理恵のドMな恋愛事情

催眠性指導 宮島桜と宮島椿の場合
クールでエロい生徒会長 ツンドラ先輩の恋人になりました。
僕には純白王道なメイドがいます

奴隷志願なエルフさん ~お買い上げありがとうございます、ご主人様!~
プリンセスハーレム帝国秘史 ―天才賢姫と軍神剣姫と諜報犬姫とぐうたら皇子―
ドSな生徒会長が土下座で種付け懇願


メイドとエルフ、妹、生徒会長を強調文字で表記しましたが、この通り属性が被り過ぎです。しかも同月だったり三か月連続だったりと偏っています。
ここまで偏るとメイドがあまり好きではない私にとっては購入できる作品が限られてしまいます。

さらに、5月と6月は妹ものが重なっています。更に1月、2月、3月と生徒会長が連続しています。

2月と3月の「クールでエロい生徒会長」「絶対に負けない生徒会長」に至っては文化祭(学園祭)でメイド喫茶を企画して、終わった後にメイド服でHというほぼ同じ展開があります。

属性だけじゃなくて内容まで被るのはいくらなんでも手を抜きすぎです。

好き嫌いは私の問題ですが、ここまで同じ属性を被らせる必要があったのか、もうちょっと間隔をあけて発売することはできなかったのかと思います。

ファンタジーばかりで現代モノがかなり少なくなっているのも気がかりですが、これについては好みの問題もあるので理解はできます。
むしろほぼ現代&学園ものだった2007~2012年が偏っていたとも言えますし、流行に合わせているともとれます。

ですがせめて発売月は適度にバラしてほしい、ひと月に三冊出るのであれば三冊ともファンタジー、三冊とも現代、と偏らせないでほしいのです。


4. パロディ・焼き直し問題

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こういった話題の作品の人気キャラをイメージしたような作品が出版されているのですが、本当に求めている人がいるのか、という点です。

似せてはありますが所詮はパチモノ。もっと似ている同人作品がたくさんある状況でニセモノの小説を誰が読むのか、と疑問です。

これ以前にも一般作品のパロディ的な作品はありました。例を挙げると『放課後メイド隊』や『ウチの妹がここまでMなわけがない』などです。※画像掲載はちょっと自重します。

しかしパロディと焼き直しは別です。ただ似せたような作品か、それもと独自性があるか、というのは読めばわかります。

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この二つなら納得できましたが、上記のジャンヌとビスマルクは薄味過ぎる、とってつけた感がある、というのが私の感想でした。


もう一つ、これらの作品について。

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これらのように同じ作者の一般向けレーベルで出版された作品と似ている設定の作品を出版しています。前者は絵師も同じです。

よく言えばセルフリメイクですが、悪く言えば焼き直し作品です。似てはいますが所詮は別物、Hシーンを追加した劣化品を美少女文庫でやる意味があるのでしょうか。

※上記の作品ではないですが、中にはキャラの台詞がそのまま一致している作品も存在します。それはそれで問題があるような気もしますが…。

これらの作品は他作品のファンやラノベを読んでいる読者層、投稿サイトで読んでいた層などの新規顧客をジュブナイルポルノに引き込むという意図があるのかもしれません。

確かに新規層を取り込むのは重要な点だと思います。

ですが、原作のファンがHシーンが足されたような焼き直し作品を喜ぶものか、私は疑問です。原作が好きな人にとっても不快に感じる方がいるのではないでしょうか。

販売戦略としてどうなのか、という考えしか浮かびません。

まとめ

これらが自分が美少女文庫について問題だと思う点です。

あくまでも個人的な不満点です。念を押しますが個人的な不満点です。

上記の不満点について実際にTwitterで美少女文庫編集部に伝えた他、問い合わせフォームで送っているのですが、特に反応はありませんでした。

たかが一読者の意見をいちいち拾ってられないとは思いますし、おそらくこのnoteにも反応しないでしょう。

せめて話題になってくれれば、沢山の人が同意や反論のコメントをして議論が膨らめば、と思ってこの記事を公開しましたがそれも難しいでしょう。

一応美少女文庫とハッシュタグをつけてツイートしますが、すぐに馬路まんじ氏のツイートに押し流されてしまうと思います。

※上記のリストには載っていませんが、馬路まんじ氏が美少女文庫で作品を出版するとのことです。7月の新刊について首都圏で早めに買えた人の感想を探したのですが美少女文庫で検索しても馬路まんじ氏のつぶやきばかり出てきたのでミュートにしました。申し訳ありません。

Twitterのアカウントはこちらです。https://twitter.com/dailytimef97

そのため、近いうちにこの記事を元にゆっくり解説動画を制作してニコニコとユーチューブに投稿しようとかとも持っています。

そうすれば私の意見が世に広まり、様々なコメント、同意や反論が届いて議論が広まるのではないか、私一人の意見ではなくて大多数の意見であれば美少女文庫編集も参考にするのでは、と思います。

なんでそこまでするのかと思う方も居ると思いますが、私は幼い頃にコミックボンボンの迷走からの廃刊という流れを目の当たりにしています。

面白かった作品が次々と消えていく…一度打ち切られた作者はそれっきりで新しい作品を連載しない……新連載はこれじゃないと思う作品ばかり…そしてすぐ打ち切られる…クラスの中でボンボンを読んでいた友達が減っていく…そんな墜落のような流れを歯痒く感じながらも、当時の私ではコミックスを買ってハガキを送るくらいしかできませんでした。

今ならばパソコンとネット環境があるのでこのように情報を発信することが可能です。何もしないで「美少女文庫廃刊になったな…」と後で呟くよりはこうして意見を発表すべきだ、そう思って行動に移しました。

二次元ドリーム文庫やぷちぱら文庫creativeなど他にも官能小説レーベルは存在します。
同人で小説を公開している作家様もいらっしゃいます。
あまり続きませんでしたが、えちかわ文庫やヴァージンノベルのような新たなレーベルが出ることもこれから先あるかもしれません。

美少女文庫がなくなっても作家さん達は活動の場を移すだけで追うことはできると思っています。

代わりはあるので、正直言って不満点だらけで購入数が減っている美少女文庫はもう廃刊してもいいかなという思いもありますが、それでも業界の一部である以上、意見は発信したほうがいいと思ってこの記事を執筆しました。

コメントは歓迎です。言い逃げはしたくないと思っています。


※2020年7月21日追記。

この記事がプロの作家の方にリツイートしていただけました。ある程度私の主張が広まったと少し気が楽になりました。

それともう一つ、Twitter上でこの記事が誹謗中傷だ、という指摘を受けました。

私自身に誹謗中傷の意図はありません。この記事を読み直してもどこが誹謗中傷にあたるのか、と疑問に思います。

芸能人に関するニュースで誹謗中傷に対して世論が敏感になっているというのもあるのかもしれませんが、この記事がアウトならば通販サイトのレビューで満点以外の点数をつけて「ここは不満」とコメントしただけでアウトなのではないか、指摘したもの勝ちで不満を書いただけで誹謗中傷扱い出来るのでは、ととても不安です。

繰り返しますが誹謗中傷の意図はありません。あくまでも個人の感想、意見です。その意見が不満点や改善点を列挙している内容であるというだけです。








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