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ゆるゆるカメラライフ ひと月め
カメラを使うぞ!と心に決めて、ひと月経った。
これまでのようにキャビネットに仕舞わずに、リビングのテーブルに置きっぱなしにしていたら(ずぼらとも言う)、ふとした瞬間に手にするようになった。カメラを買って数年、かつてないほどに写真を撮っている。構図や技術はそのうち勉強しよう……ととりあえず横に置いて、あ、いいな、と心が動いたものを撮るのはやっぱり楽しい。家でも、外でも。
ひと月経ったところで、撮った写真と、そのときの出来事をいくつか振り返ってみる。なんて書いてはみたものの、日記みたいに文字メインになってしまった。
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我が家の寝室にはエアコンがない。リビングのエアコンを付け、寝室のドアを全開にして冷気を取り込もうとしてはいるものの、限界がある。
熱帯夜が続いた頃、あまりの寝苦しさに耐えかねて、ニトリのNクールシーツを買った。シロクマ柄がなんとも可愛い。この布地の肌触りと言ったら!さらさらで熱を逃してくれるので、一気に寝心地がよくなった。
これを撮ったのは、腎盂腎炎で寝込んでいたとき。夕方になると熱が上がるので(弛張熱と言うらしい)、ベッドでうつらうつらしていたら、ふとシロクマが目に入った。窓から控えめに差し込む西日に照らされていたのだった。なんとなくセンチメンタルな気分になって、寝転がりながら撮った。
何の変哲もないシロクマだけれど、この写真を見るたびに、熱っぽい気怠さと、ひんやりしたシーツの心地よさと、黄昏時のもの寂しさがよみがえってくる。
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新潮文庫の100冊フェアで買った、吉本ばななさんの『キッチン』。おまけでもらったステンドグラス風の栞も気に入っている。こんな綺麗な栞、無料でもらっていいの!と驚いたっけ。
休日、遅めのお昼を済ませてから、コーヒーをお供に読んだ。外はしとしと雨が降っていて、少し肌寒くて、カーテンを開けても薄暗かった。
天気のことを言うなら、晴れがいちばん助かる、と思う。髪がまとまるし、通勤も楽だし。
でも、雨に心が潤うような感覚に陥る日も確かにあって。静かな部屋にうっすら響く雨音を聞いていると、感情が凪いで、不思議と落ち着く。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃという焦りがすうっと消えて、まあ雨だし仕方ないか、なんて思ったりもして。これは言い訳かな。
そんな雨の日に読んだ『キッチン』、出会えてよかったと心から思う一冊だった。通勤電車や寝る前の布団で、何度も読み返している。
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これは風鈴市で撮ったもの。境内の至るところに風鈴が吊り下げられていて、これぞ夏の風物詩、目に涼しい!と胸が高鳴った。のはよかったのだけれど、真夏日で、ちっとも風がなくて、残念ながら涼しげな音色は聞こえなかった。蝉の声をBGMに撮った。
何よりも強烈に印象に残ったのは、おみくじ。神様からのアドバイス的な欄に「何事も正直に」と書かれていたのだ。まるで見透かされているようでぎくっとした。
仕事でちょっとしたミスをして、ああ隠したいごまかしたいと葛藤するという、胃が痛い出来事があったばかりだった(ちゃんと報告しました)。正直に生きなきゃなあと身に染みて痛感していたところに、おみくじのこの言葉。正直に生きます。
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いつの間にか8月が終わり、暦上では既に秋。しばらく暑い日が続くようだし、秋を感じるのはまだまだ先になりそうだけれど。
少しずつ、でも確実に季節は移り変わってゆくから、カメラを通してそれに気付いていけたらいいなあ、と思う。
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