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夕暮れとドレス。

久しぶりに丸の内をカメラを持って散歩してきた。
いっときに比べて人出もかなり多くなり、自粛ムードが蔓延していた頃を忘れてしまいそうなくらいの人の多さだった。

カメラを持っての散歩は陽が傾いてからがいいと思ってる。
夕方から夜へと向かう夕暮れ時は気持ちがいいだけでなくて写真そのものにもプラスアルファの効果をもたらしてくれる。

そんな夕暮れ時。
人混みの中にひらひらと白いドレスが舞っている。
向かいにはタキシードを着込んだ男性もセットだ。
ウェディングの前撮りってやつかな。
多くの人が行き交う中、シャッターチャンスを貪欲に狙うカメラマンの体育会系のような要求の中、身じろぎもせずに同じポーズを取り続ける。

僕が目にした3組の中で、東京駅を背景にとりわけ一等地にいたふたりは見つめ合う姿勢で額をくっつけて立っていた。
辺りを見渡すと随分と離れた場所にカメラマンが腹ばいになっていた。
随分と長いこと、身じろぎもせずふたりはポーズを取っている。


暮れなずむ駅前のロータリー部分には人がどんどん増えてたくさんの人がふたりのすぐ横を通っていく。
カメラマンはシャッターチャンスを逃すまいと腹ばいになってファインダーから目が離れない。
時折り、連動ストロボを持った助手が不安そうに見つめる中カメラマンと額をくっつけて一体化したふたりの緊張感が続く。

この精神力があれば、きっとこの後の結婚生活も乗り越えられるだろう。
お幸せに。。

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