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スーパーラグビーパシフィックの注目ポイント。

3ヶ月前、オールブラックスはパリの冷たい芝生の上で奮闘していましたが、フランスがオールブラックスにスタッド・ド・フランスで40-25の勝利を収めました。

それは、とても素晴らしい出来事でした。81,000人の観衆の中のニュージーランド人は、自国のラグビーチームのパフォーマンスには失望したかもしれくせんが、ラグビーカーニバルを盛り上げたあの熱気を忘れた人はほとんどいないでしょう。

オールブラックスも、1973年以来となるフランスの首都での敗戦の記憶を心の暗い通路に押し込めた後は、このような華やかなショーに参加できたことに感謝していたかもしれません。

さて、それからわずか3カ月、仕事に戻りましょう。スーパーラグビー・パシフィックが始まるのです。

今のところ、ニュージーランドでのスーパーラグビー・パシフィックの試合は、観客は立ち入り禁止です。それでも、私たちは感謝しなければなりません。

スーパーラグビー・パシフィックは、新規参入のモアナ・パシフィカやフィジーアン・ドルアを含む12チームが参加する新しいフォーマットで、ここまで来るのに、色々ありました。

NZラグビーは、レッドトラフィック(新型コロナの最も高い警戒レベル)の下で大会をスタートさせるため、アオテアロアを拠点とする6チームすべてをクイーンズタウンに移し、最初の3ラウンドは観光地とダニーデンで行われることになりました。

しかし、金曜日の夜に予定されていたブルース対モアナパシフィカ戦が犠牲になるのを防ぐには十分ではありませんでした。モアナパシフィカの選手たちが新型コロナに感染したため、この試合は延期されたのです。

チーフスはオールブラックスのロック選、ブロディ・レタリックが、ブルースはファーストファイブエイトのボーデン・バレットが、それぞれ日本での活動を終えて復帰し、大会に火をつける可能性があります。

元ウォリアーズ(ラグビーリーグのチーム)のキャプテン、ロジャー・トゥイバサシェックは、ユニオンに転向し、ブルースの12番で火花を散らすことができるでしょうか?おそらく、当面は無理でしょう。本人もファンも、忍耐が必要かも知れません。

ブルースは昨年のキャプテン、パトリック・トゥイプロトゥが今年日本に向かい、スーバーラグビーパシフィックではプレーしない為、フランカーのダルトン・パパリィがキャプテンに昇格し、トゥイプロトゥが抜けたセカンドローの穴埋めにベテランロックのルーク・ロマノが起用されました。

クルセイダーズは、最初の3ラウンドで10番のリッチー・モウンガを欠きますが、彼の代役のファーガス・バークには、プレッシャーに耐えられるだけの才能が備わっているはずです。

クルセイダーズがもたらす脅威を無視できるわけがありません。2017年にヘッドコーチに就任して以来、スコット・ロバートソンがチームで成し遂げたこと(スーパーラグビー3回、スーパーラグビー・アオテアロア2回の優勝)を考えれば、解るはずです。

南部のハイランダーズは、トニー・ブラウンHCのもと、再びタイトなユニットになるはずです。元オールブラックのジョシュ・イオアネをチーフスへ放出しても、ミッチ・ハントがすでに好ましいNO.10としての地位を確立しているので、さほど困ることはないでしょう。

しかし、ハイランダーズの運命を左右するのは、間違いなくニュージーランド史上最高の9番であるキャプテン、アーロン・スミスでしょう。

もう一人のオールブラックス、アーディー・サヴェアはハリケーンズを率い、土曜日の夜にダニーデンで行われるクルセイダーズ戦の8番を任されています。

サベアのコミットメントは、決して疑う余地がなく、彼をいかに安定させるかがカギとなります。

南半球の大会にモアナ・パシフィカが加わるのは、遅すぎた感があります。このプロジェクトは遅々として進まず、アーロン・モーガーHCはすでにチーム内に新型コロナ感染者が発生し、厄介な問題を抱えています。

一方、オーストラリアでも、パンデミックの影響で問題が発生しています。

ウェスタン・フォースは国境管理のため、開幕2戦はオーストラリア東海岸に移動したが、3戦目はパースでクイーンズランド・レッズを迎え撃つことが許可されました。

2020年と2021年、NZラグビーとラグビーオーストラリアは、大会の構造について公に不満を述べ、昨年パースでのオールブラックス対ワラビーズのテストが延期されたとき、再び熱を帯び始めたのです。

偏狭なキウイたちは、オーストラリアが小川の向こうのSRPの仲間に勝つという考えを好まないかもしれませんが、オーストラリアのチームがいくつかの評判に傷をつければ、この大会が利益を得ることは間違いないでしょう。

元オールブラックのブラッド・ソーンがヘッドコーチを務めるレッズは、最もその可能性が高いかもしれません。ブランビーズ、ワラターズ、レベルズ、フォース、そしてドルアもオーストラリアのカンファレンスでプレーすることになります。

フォースは興味深い存在です。億万長者のアンドリュー・フォレストが支援するこのフランチャイズは、組織全体にニュージーランド人を多数擁し、存在感を示そうとしています。

これには、元タスマンのボス、トニー・ルイスがCEOに就任し、また、元オールブラックスのジェレミー・スラッシュやリチャード・カフイもメンバーに加わっています。バニングスNPCでホークスベイのコーチをしていたマーク・オジッチもフォースのコーチングスタッフに加わりました。

また、ワラビーズ・ロックのアイザーク・ロッダが復帰し、ベテランのスラッシュとともにフォワードパックに威圧感を与えるでしょう。

元オールブラックスのスキルコーチ、ミック・バーンが率いるドルアは、フィジーのファンの前でプレーすることを切に望んでいるが、今のところオーストラリアに留まらざるを得ません。

NZラグビーからの最新情報によると、彼らはまだトーナメントの後半でオーストラリアのチームと対戦することを望んでいるようです。それが実現するかどうかは、誰にもわかりません。

ニュージーランドを拠点とする6チームは、オーストラリアのバブルにシーズン通して滞在するという話もありますが、NZラグビーはこれに乗り気ではないようです。

今のところ、待ちの状態です。

ゲームのスピードアップの話も出ています。シックスネーションズを見た人は、壁紙を見つめながら、この競技規則につきまとう不条理な遅れを呪ったことでしょう。

これを執行するのは、今やオフィシャルに委ねられています。キャプテンコールの廃止に加え、TMO、スクラム、ラインアウト、軽傷による停止時間を短縮することが約束されています。

これを徹底させる必要があります。そうでなければ、ゲームの門番が嘲笑される危険があります。

怪我といえば、ニュージーランドのコーチ陣も不安でしょう。

2020年と2021年に行われたスーパーラグビー・アオテアロアは素晴らしい大会でしたが、コーチたちは月曜日の朝、医者のところに並ぶ故障した選手たちを見てうんざりしていました。

それでも、またここに来てしまった。

ニュージーランドの厳しい国境管理のため、大会主催者のSanzaarは国内の試合を前面に押し出すしかなかったのです。

新しい大会形式は完璧ではなく、期間に合わせなければならないし、総当たり戦もありません。その代わり、各チームは11の総当たり戦と3つの「対抗戦」を含む14試合を戦います。

8チームが6月3日〜5日の準々決勝に進み、翌週末に準決勝と決勝が行われる予定です。

プレーオフに進出する確率は、実績のある面々にとっては良いことだと思います。

ただ、新型コロナ、怪我人、国境の制限などを考慮に入れておく必要があり、歯を食いしばってやり遂げるしかありません。

こういうときは、他に選択肢はないのですから。



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