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タカラモノ 和田裕美

「あんたな、幸せになりたいんやったら、誰かのせいにしたらあかん」by ママ

【あらすじ】
保美(ほのみ)は、姉と父母との4人家族。
ママは小学校2年生の時から「喫茶&スナック シャレード」を始めて私だけのママじゃなくなった。

ママはちゃんと晩御飯を作ってくれている。
おかずにラップをかけて「今日のごはん」って書いてある。
伝言ノートを作ってママとお姉ちゃんとの交換日記になっている。

ママはいつも真っすぐに生きている。
保美が悩んでいるときもママは励ましてくれる。
「ほのみはママの”タカラモノ”ママは幸せ」

そんなママはモテモテ。
おぎちゃん、りゅうちゃんに宮田。
ママの妹のみっちゃんはママのお店を手伝っていて、ほのみがグレずに真っすぐに育っているのを不思議がる。
ほのみも一緒に食事に行くがほのみはママの彼氏の宮田が嫌い。

ある日「ママ、しばらくいれへんことになるねん」と言う。
宮田が人に騙されて借金ができて、岡山の知り合いのところに身を寄せることになり、ママもそっちに行く…私は来年高校3年生になるのに。
進路も決まってないのに…。
私はいつしか大学生になっていた。


【感想】
ほなみのママはどんなときも正直に生きています。
自分にも家族にもウソは言いません。
全力で物事にぶつかっていきます。
子どもにも彼氏にも。

物語はほなみの目線で進んでいきます。
ほなみの物語の様に見えて実はママの物語となっています。

子どもを置いて彼氏と一緒に家を出るママ。
私の母親と一緒や…。
この物語のママと私の母親との違いは私の母親はそのまま帰ってこなかったこと。
あらすじには書いていませんが、ほなみのママは帰ってきます。
ほなみもお姉ちゃんも泣いて、怒って「勝手すぎるわ」と本音をぶつけ
ママも「ごめんな」と謝ります。
ここのくだりを読んで「よかった」と思う私と「羨ましい」と思う私がいました。
ママの言葉には力があります。
彼氏とご飯代を割り勘にするお姉ちゃんに向かって
「あんたの優しさに甘えている男はあかんようになる。それは同時にあんたがあかんようにしたってことになるねん」
「わざわざむすっとして『あなたが嫌い』という態度をとるのはアホのやること」
「自分の人生は自分だけのもの。世間とか、常識とかまったく及ばないことや」

小説の中に人生の教訓がいくつも隠されています。
前編関西弁で書いているのも親近感を覚えた一つです。
ここに出てくるママは実際に居てそうです。

単行本「ママの人生」の文庫化

双葉文庫
280ページ
2019年6月13日第1刷発行
本体価格 620円

著者 和田裕美
作家・ビジネスコンサルタント京都出身。
外資系教育会社での勤務経験から『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』を上梓しデビュー。
著書の累計は 220万部を超え、女性ビジネス書作家の先駆けと呼ばれている。
華々しい経歴の陰にあった家庭環境や自身の 極度な引っ込み思案を背景に書いた絵本『ぼくはちいさくてしろい』は道徳科教科書『いきるちから』に掲載されている。
NHK Eテレ「芸人先生」レギュラー出演などメディアでも活躍中。


著書
『成約率98%の秘訣』
『人に好かれる話し方』
『人生を好転させる新陽転思考』
『和田裕美の営業手帳』など著作多数。

和田裕美オフィシャルブログ
和田裕美ツイッター

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