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勘違いしないでほしい

 自他ともに認める見栄張りなんですが、すごくない? 自はまだしも他に認められてるって、もはや見栄張れてるのか怪しいからね。でもたまに騙されてくれる人は、私に「毎日手書きの日記帳つけてそう。しかもマステとか貼ってそう、ちまちま手でちぎって」などという評をくれる。馬鹿にしてない??????? 本当のことを言うと、我が家には日記帳どころか、テレビも無ければ鍋も無い。我が家で料理をしようなどと思うのが間違い。

 でも好きなものには金をかける。好きなバンドのCDは、未だにCDの形態で買う。ジャンルを問わず、音楽が好きだ。外に居るときは常に何かしら音楽を聴いている人間なので、何の音楽を聴いてるのか訊かれることがよくある。

「ポーランドのバンドでさあ」

「また見栄張ってマイナーバンド探してきたの?」

 張ってないんだよな。本当に好きで聴いてるんだよな。私がそのポーランドのバンドに出会ったのは「ゆれる人魚」という映画のおかげである。一時期SNSで話題になっていて、ホラーミュージカルっておもしろそ~と軽い気持ちで視聴した。

 めっちゃ音楽良くない?

 一度目は普通に視聴したけど、Prime Videoで視聴可能だったので、それ以降BGM代わりに数日にわたって一日中垂れ流していた。物語の中心である人魚の姉妹、シルバーとゴールデンが現れる最初のシーンの曲が好き。あなたのことを食べませんよ~っていう恐ろしい曲。これはサントラにも入っていなかった気がする。この曲が好きすぎて映画の冒頭を繰り返し観てしまう。

 そこから始まる怒涛の素晴らしい音楽。特にシルバーが恋に落ちるミェテクとのシャワールームでのシーンの曲が好きすぎる。優勝。映画のサントラと、映画で音楽を手掛けたバンド"Ballady I Romanse"が出しているアルバム「Corki Dancingu」のどっちにもこの曲は入ってるけど、ミェテク役のヤーコブ・ジェルシャルとのデュエットが特に好きなので、この曲はサントラに入っている「Take Me in Your Care」の方をよく聴いてしまう。でもバンドのアルバムに収録されている「Miej mnie w swojej opiece」も同じ曲なのに雰囲気が違っていてとても良い。一生サントラと「Corki Dancingu」のループに陥ることが出来る。あと、映画を観すぎてポーランド語なんて分からないのに、曲の歌詞だけは分かるようになった。

 ストーリーの大筋は童話の人魚姫と同じ。でも、二人が結ばれなかった理由が少し違っていた。人魚って少女から大人の女性になるメタファーとして扱われやすいのかなという印象。「ブルー・マインド」も女の子が成長していく話だった。

 この映画、音楽も、少女だったシルバーが生理を迎えて身体が大人に成るとともに、結末に向けて自らの道を選択する精神も大人の女性へと変化していくカミング・オブ・エイジ的な要素もとても好きなんだけど、画面が華やかなのも素晴らしい。人魚二人のテラテラした下半身が艶めかしく見えるし、シルバーの少女らしい体型もストーリー上とてもリアリティがあったと思う。あとミェテクはずるい。かっこよすぎる。あんな顔面で、そのうえ気にかけてもらえたら好きになるのも仕方ないよってなる。シルバー、仕方ないよ。

 だから何が言いたいかというと、この音楽チョイスは断じて見栄を張っている訳ではない。黙って「ゆれる人魚」を観てほしい。観終えた瞬間にサントラと"Ballady I Romanse"のアルバムも購入することになるから覚悟よろしく。チェケラ。


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