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ペース、乱しがち。


新卒から2年間勤めた仕事を辞めて2ヶ月が経った。明日から新しい職場で働く。前職を辞める前、仕事を辞めたいという気持ちと、仕事を辞めたところで、自分はまともに働き続けられない社会不適合者なんだという自覚、もう働けなくなってしまうんじゃないかという葛藤があった。新卒の就活もうまくいかなかった人間が、辞めたところでこれからどうするの。「仕事が楽しい」「やりがいがある」と言っている周りの友人たちと、毎日仕事を辞めたい私とでは、一体なにが分かれ道だったのだろう。騙し騙し生きていた2年間、正しかったか間違っていたか、そんな物差しで測ってしまえれば楽なのかもしれなかった。

辞めた理由を挙げると大なり小なりいろいろある。ブラック会社と言えばそうだった。ざっくり1番の理由は「辞めたい」と思いながら働きたい続けるのが負担になってしまったから。仕事でうまくいけば「もう少しがんばろう」と思うが、性格上そのやる気が長くは続かなくて、仕事にやりがいや楽しさが見出せなかったのだ。こういうのってどうなんだろう、働いてる人は、感じているものなのかな。もとから仕事にやりがいなんてものはないとしても、メリットを考えた時、それがたった人間関係しかなかった。就活の時も「人間関係さえ良ければやっていけるっしょ」と思っていたが、毎日働いていればそうでもないことに気が付いてしまった。賃金面なり、労働環境なり、仕事内容なり、労働というゴールが見えない毎日を繰り返すなかで、マイナスばかりが目につき、なにも原動力がなくなってしまったのだ。ただ、あんなつらい日々も乗り越えて、「3ヶ月で辞めそう」なんて大学の友人から言われていた私が、2年間も働けたのだ。私にはまだ家族や恋人なんて守るものもない。まだ好きなように生きていいと思った。

皮肉なもので、退職が決まってからは肩の荷が降りたのと、普段話さない同僚が「辞めちゃうの?」なんて声をかけてくれたりで、そこそこ楽しかった。皮肉なものだ。まぁ最後まで会社を憎みながら辞めなくてよかったなとは思う。
人間関係が良かっただけに、「辞めたい」の一言はとてつもなく勇気がいった。「辞めたい」と言ったところですんなり辞められるわけでもなかった。上司との話し合いは号泣でマスクもしなしなになるくらいだったし、自分で言うのもなんだが愛されキャラだったので、上司のあんな悲しそう顔は忘れられないだろう。いい会社に入ったとは思わないが、もっといい会社で出逢えていればよかったなとは思ってしまう。

いざ、ニートになると、社会不適合者なんて自己嫌悪は、全くと言うと語弊がある、ほぼ感じなかった。気が楽だった。と言っても始めの2週間は何もする気が起きず、遊び倒そうと思っていたのに何もできなかった。家でぼーっとし、寝て食べた。そのあとからようやく映画を観たり本を読んだりする余裕が生まれて、運転免許証の更新や帰省もした。夜更かししても翌朝早起きしなくていい。明日の不安がない。あんな日々のことも1週間もすれば辛い感覚がどんなんだったか忘れてしまっていた。なにも怖くなかった。(いつ辞めてもいいようにニート貯金をしていた。)強いて言うなら友人とLINEなんてしてるとき、働いている友人は大体、夜に返信が返ってくることが多い。一方私はいつでも返信できちゃうわけで、そんなところに「私は今、友人たちと対等に生きられてない」と思ったりした。

仕事を続けられなかった理由、会社にももちろんあるが、私の性格がいけないんじゃないかとも、分かっている。ネガティブで自己嫌悪に陥りやすくて不安症で、恐らく飽きっぽいところもある。人生に生きている意味とか働く意味とか求めちゃう系の人間。正直、次の会社だってどこまでやれるか不安だ。また前みたいになってしまうんじゃないかと、上司にも「次が決まっても同じような理由でまた辞めちゃうんじゃないの」って言われた。ゆとりだの甘えだの言うなら好きに言ってくれ、その時はその時、またどうやって生きていきたいか考えます。いまは転職が溢れるこんな時代です。また考えさせてください。とりあえず、会社を辞めることは決して後退なんかじゃなくて、私の前進だった、ぜったい。

高校のときの先生が受験期に送ってくれた言葉がある。
「走っている時も、止まっている時も、それが全て自分のペースでありマイペースである。周りに気を取られて心を乱されるな。全力でマイペースであれ」
24年の人生、「止まっている時」が格段に多いが、それを受け入れられたのはこの言葉のおかげだ。
明日からまたマイペースにがんばります。応援してるぞ私。

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