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40代の自分が「20代で“超成長”するロールモデルハック」マツダ ミヒロ (著)を読んだ感想

マツダ ミヒロさんの「20代で“超成長”するロールモデルハック」を読んでみた。

自分はもう40代も半ばだが、Webデザイナー、UI/UXデザイナーとして働いていた時、またそのデザイングループの管理職をやっていた時に、「自分のロールモデルになる人がいない」っていう悩みでだいぶ苦しんだので、今の自分にも役に立つのでは?と思って読んでみた。

結果として、やはり20代向けに書かれている部分が多いので、「若いうちはたくさん失敗して、失敗から学んでチャレンジしろ!」っていう部分はもう自分にはちょっと当てはまらないと思いつつ、とはいえこの先の人生のロールモデルを見つけ、その人から自分に必要なものを学ぶにはどうしたらいいのか?っていう部分は参考になったなと思う。


正規ルートは遠回り。もっと頭を使って工夫して、近道をすることが大事。

これはロールモデル云々の前に、正規ルート、つまり「あたりまえのやりかた」は遠回りだよっていう話は確かに!と思った。

特に転職の場合、行きたい会社の人と仲良くなって「うちで働かない?」と言われたほうが、履歴書書いて応募してっていう流れを踏むより断然早い。"ひととなり"が分かってるから入社後のギャップも少なそう。

また、フリーランスの仕事の場合もそう。一生懸命営業かけて小さい案件を受注するより、案件があつまる人と仲良くなって仕事を分けてもらったほうが営業の手間が省ける。

言葉は悪いが「バカ正直」に一生懸命に時間をかけてやるより、常識にとらわれず賢く立ち回ったほうが近道。それはほんとにそうだなと思った。

近道ができないもの。それは経験と技術

こればっかりは地道な努力をするしかないっていうのはたしかになって思った。

どんなに賢く立ち回って最短距離を走ったところで、誰もがすぐにプロフェッショナルになれるわけではない。知識として"歌い方"を知っていたって、誰もが優れたシンガーになれるわけではないのと一緒。

そう考えると、人脈は割とどうにかこうにか頑張れば作れる。人脈を作った後に、相手に自分を魅力的だと感じてもらえるかどうかは、それまでの自分の努力次第。そのためには地道な努力と積み重ねは必要。結局は「あたりまえのこと」っていうのが一番大事なんだなと思う。

自分にとってのロールモデルって誰?

正規ルートではなく賢く近道を探せ、そして一方で地道な努力は大事っていうのは分かった。

じゃあ自分にとってのロールモデルって誰?っていう話になると、なかなか難しいなと思った。

ロールモデルにするには、12際上ぐらいの世代の人がよいと書かれていた。それより上の、もう完成された人たちだと世代の感覚も違う。逆に近すぎると能力も近いものになってしまい参考にならなかったりする。

たしかに、「12年後の自分はこうなっていたい」っていうちょっと先の未来の自分を重ねられるような人だとちょうど良さそうだなと思った。

すでに「この人めちゃ尊敬できる! こんな人になりたい!」と思える人物がいるなら、それはとても幸運だと思う。一方で、自分のようにロールモデルになる人が見つからないっていう人も多いのではないだろうか。

デザイナーとしても管理職としても、この人のようになりたいと思える人は社内にいたことはなかった。そもそもインターネット自体が普及し始めた2000年代には、自分より上の世代に「Webデザイナー」っていう人たちが少なかったていうのもある。

じゃあ管理職で、いままでの上司でこの人のようになりたいと思える人は?っていうのも、残念ながら尊敬できる管理職にも巡り会えたことはない。だから自分が管理職になったときも、管理職としてどうあるべきかっていうのはすごく考えたし、本も何冊か読んだ。

でもこの本を読んでみて、だったら「社外にロールモデルを探しに行くべき」だったなっていうのは気付かされた。

デザイン系のイベントに参加したり、SNSでロールモデルになるような人を探して交流を広げ、個人的に相談できる人を探すべきだったなと。だからこれは自分のこれからの1番の課題になった。

ロールモデルにするのにふさわしい人の条件

本書にはどんな人をロールモデルにすべきか?っていうのがわかるチェックシートが掲載されている。

具体的にロールモデル候補の人を思い浮かべ、その人を7つの項目で10点満点で採点する。大事なのは高得点が多い人ではなく、全項目で平均的に点数が高い人。一つでも3点とか低い点数がついてしまう人は、ロールモデルとしてはギャップを感じることになる可能性がある。

そして一番大事なのは「人生で大切にしていること」という項目の点数が高い人。その人の人生で大切にしていることが自分と一致している、または強く共感できる人じゃないと、その人をロールモデルとしてハックしたところで幸せにはなれないと書かれている。

ここで面白いなと思ったのは、その人のSNSの投稿時間をチェックするというところ。夜中に投稿をしていたり、ワーカホリックな印象を受ける場合は家族よりも仕事を優先しているのかな?と読み取る事もできると。もちろん人の生活リズムはそれぞれだし憶測でしかないが、その人の本質をSNSから分析するっていうのは面白いなと思った。

「ロールモデル」を「ハック」するには「人間力」が大事

そしてやっと「ロールモデル」を「ハック」する話。

要は思考パターンを深く理解し、行動パターンを100%真似ることが大事だと。

行動を見て単純に真似るだけだと意味がない。なぜその行動を起こしているのかっていう思考パターンを読み取り、それを自分もできるようになることが大事だと書かれている。そしてそれを理解するためには自己流アレンジはNG。アレンジをした時点でそれはロールモデルの成功パターンではなくなるから。だから実直に真似る。そのままやることが大事。

そして実際のロールモデルとなる人の近くにいていろいろ学ぶ時に大事なことが5つ書かれていた。以下は目次にもそのまま書かれている。

  • 素直さ

  • 苦手を克服しない

  • 言われたら「すぐやる」

  • やったら「すぐ報告」

  • さらに喜ばれることはなんだろう

つまり素直に実直に行動すること。そしてその行動をもとにロールモデルとコミュニケーションし、フィードバックをもらうこと。さらにロールモデルが喜ぶことを考え、Win-Winの関係を築けたら最高。

これはつまりコミュニケーションにおける人間力が大事ということだなと思った。

「返報性の法則」で、自分の周りの人が自分にお礼をしたいと思う人ばかりだったら、それはすごく幸福なことでは?

素直な人は応援したくなるし、教えたことを直ぐやって感想をくれる人には更に情報をあげたくなる。

本書の5章にも書いてあるが、相手を喜ばせると、その相手は自分へお礼をしたくなる「返報性の法則」というものがあるらしい。感謝や応援の気持ちとして返ってくると。

想像してみてください。 あなたの周りに100人いたら、100人みんながあなたに「お礼がしたい」と思っている状況を・・・

「20代で“超成長”するロールモデルハック」マツダ ミヒロ (著) P168

つまり見返りを求めず純粋に相手を喜ばせることができれば、それはその後自分にとっても良いことがあるかもしれない。それは人間としても素晴らしい生き方だなと思った。もはやここまでのレベルになると「徳の高い人」っていう印象になる。大金持ちになるよりも、そういう生き方のほうが幸せになれるのではないだろうか。

40代は人生の折り返し。残りの人生を考えてロールモデルのいいとこ取りをするのはアリかも?

正直、ばっちり「こんな人生をおくりたい」と思えるロールモデルには、自分の性質上出会えないと思っている。だから自分がこれからやるのは「いいとこ取り」かなとは思った。

20代のうちは素直にロールモデル「その人そのもの」になれるようにするのが良いと思う。

でも40代になるとそれなりの経験もしてきているし、人によっては家族がいたり様々な状況があると思う。正直、言われたら直ぐやるっていう体力もなくなってきている。

だから自分の場合、いいとこ取りハックをしようと思う。それこそ自分なりの「近道思考」だなと思った。


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