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最終話のメニューを紹介

みなさま、お久しぶりです。
『グランメゾン東京』が最終回を迎え、約一か月が経ちました。

公式サイトのファンメッセージのコーナーも本日で投稿が終了し、
また1つの節目が訪れました。

お別れだけでなく、4月24日に発売される、DVDとBlu-rayの特典も本日解禁!!
今までご覧になれなかった方は、ぜひこの機会にご覧ください。

さて、本日は
まだ皆さんにお届けしていなかった最終回のお料理のストーリーをお届けします。

まずは「グランメゾン東京」から。

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雲丹のパンペルデュ

今回、「グランメゾン東京」にミシュランの審査が迫り、メニューを一新するということで、新しいアミューズとして選んだのがこの「雲丹のパンペルデュ」です。
パンペルデュというのは、いわゆるフレンチトーストのこと。卵と牛乳をパンに浸してバターで焼くのがフレンチトーストですが、その卵を雲丹に替えたのがこのアミューズです。雲丹もタンパク質でできているので、卵と同じように加熱すれば凝固します。なので卵の代わりに雲丹を使い、さらに牛乳の代わりに海水にしてミキサーにかけ、その雲丹の液を小さく焼いた食パンみたいな形のブリオッシュに浸し、中までちゃんと吸い込ませてからフライパンで焼きました。出来上がったものは、表面はカリッと焼けていますが、中までは焼かずにトロっとして、しっかりと雲丹の味がします。
僕が考案したのはそこまでだったんですけれど「見た目がちょっと地味だな」自分では思っていたものの、味として完成しているから、何もしない方がいいかなと思っていたのですが、劇中で木村拓哉さんが試作品を作るお芝居の中でご自身でキャビアを乗せたそうで、そのままキャビアを使おうという話になりました。それを受けて僕も盛り付けの際にキャビアを足して、少し可愛らしくしてみました。いわゆる木村さんとの合作という作品になりますね。

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温かい手長海老のスープ
(ドラマのためのオリジナル)

第1話で手長海老を使ったエチュベという料理がありましたが、過去の料理を回想するために、1話と同じ手長海老を使った料理を考えて欲しいというテーマの上で考えたお料理です。殻付きの手長海老をぶつ切りにして、エチュベと似たような方法ですが、海老の殻でとったスープにお野菜とかを入れて、仕上げの段階で手長海老を入れ、一瞬だけ火を入れたらすぐに盛り付けます。第1話を思い出していただけるそんなスープを考案してみました。

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タルト ブーダンノワール

これは「カンテサンス」では10年以上前から作られているスペシャリテです。
ブーダンノワールというのは、豚の血を使った真っ黒なソーセージのこと。フランスではすごく伝統的な食べ物ですが、実を言うとフランス人でもブーダンノワールが苦手で食べられないという方がたくさんいらっしゃいます。日本人でもお寿司を食べれないという方がいるように、豚の血を使っているのでそれなりにクセがあって、苦手な方がたくさんいらっしゃる料理でもあります。
なので、フランスではリンゴをソテーしたものと一緒に食べるというのが伝統的な食べ方になっています。クセがあるものなので、フレッシュなものを食べて一度リセットをするような形ですね。
そこで僕はこのブーダンノワールを、「もうちょっと食べやすい食べ方はないか」と思って考案したのがこのお料理です。最初にパイ生地の上にスライスしたりんごを綺麗に並べて焼き上げ、りんごのタルトを作ります。そのりんごのタルトの上にブーダンノワールを全部ほぐしてペースト状にし、左官屋さんのように塗っていきます。そしてそこにちょっとフォアグラも乗せます。ここで何がしたいかと言うと、先ほど言ったようにブーダンノワールは、すごくクセのある食べ物なので、りんごと一緒に食べるんですけれど、ブーダンノワールと交互に食べていくと、人によって量のバランスが出てくるんじゃないかと思いました。
ブーダンばっかり食べてしまうと「クセが強いなあ」と思ってしまったり、りんごばっかり食べてると「甘くて何だか分からない」となってしまいます。僕が考えたブーダンノワールは層になっていて、この比率は、僕が思う完璧な黄金比率になっているんです。
どこから切ろうと比率は常に僕が思う完璧な比率。お客様がどんな食べ方をしても必ず完璧な比率で食べられるというのを目指して作った創作料理です。

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ハタのロティ ソースノワゼットグリエ

「カンテサンス」の魚の焼き方の特徴として、大きな塊で魚を焼いてから切り分けるという「カンテサンス」の代名詞となる調理法があります。以前の鰆もこの焼き方でしたが、今回のハタもやはり同じで、大きな塊でそれを切り分けることによって焼き面の量を減らし、しっかり焼けてはいるけれど、断面には焼き目は一切存在しないので、香ばしさが和らぐと同時に素材の味や香りがちゃんとわかるというのが 一つテーマになっています。
真ん中が半生になっているのですが、これは魚は火を入れすぎると水が出て旨味がなくなってしまうので、完璧な焼き加減を目指すと、こういう焼き方が正しいと思います。
ソースについては、ノワゼットグリエというソースを使っています。
ノワゼットというのは、ヘーゼルナッツのこと。グリエというのは、香ばしく茶色くなるまでローストしたことを指します。アンチョビと茹でこぼしたニンニクを合わせてペーストにした後に、それをカリカリになるまで焼いて、その粉末とノワゼットをローストしたものを合わせて絡めたものをソースにしています。香ばしいナッツの香りがするソースを作ってみました。
最終話は、倫子さんが作った魚料理と尾花さんが作ったマグロの料理の二つを対決させるお話になっているので、どちらの料理も考えなきゃいけないのがとても難しく、さらに最終的には倫子さんが採用されるというバランスがさらに難しく…二つとも料理は完成させるんですけれど、視聴者の皆さんが「ハタの方がいいよね」と思ってもらえるようなものにしなければいけないのが難しかったです。

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鮪とチュロス
(ドラマのためのオリジナル)

11話、今までお手伝いさせてもらってきて、一番難しかったのはこの料理です。
そもそもマグロをフランス料理で作るというのは非常に難しい。「マグロだけはやっちゃいけない」と言われてきた食材で、僕も10年以上前からマグロという食材に取り組んできて、結局完成をしたことがなく、「カンテサンス」で出したことはありません。マグロというのは、それだけ難しい食材です。日本にはマグロの文化が昔からありますが、僕は特にお寿司が好きなんです。お刺身も好きですけど、お刺身よりもお寿司のマグロは素晴らしく、マグロというのは寿司になるために生まれてきた魚といってもいいくらい、そのくらいお寿司との相性がよく、料理としての完成度も高いと思います。
僕が言っている「マグロを使っちゃいけない」というのは、要するにマグロのお寿司ほどのクオリティをフランス料理で作ることができるかと言ったらそれは無理で、出した時にお客様に「やっぱりお寿司で食べたかったな」「お刺身で食べたかったよね」と言われるような料理を出すわけにはいかない。それは食材に対しても申し訳がない。「お寿司よりもこっちが好きだな」と言ってもらえるような料理を作れたなら、フランス料理でも提供するべきだと思うんですが、そうでないのだとしたら作るべきではない、という意味です。
マグロの最大の問題点は”加熱することができない”という点です。加熱すると触感が悪くなり、繊細な香りも失われて味もチープになりがちです。劇中でもお話をしていますが、 マグロの美味しさは、やはり”血”。鉄分であり酸味。加熱するとその魅力は失われてしまうんです。フランス料理が他の国の食文化よりも優れているのは加熱の技術だと思うのですが、その加熱の技術が使えない事とフランス料理の基本的な考え方として色々な食材と組み合わせて複雑な新しい味を生み出すという考えがマグロには必要ないと考えるので「わざわざフランス料理である必要があるの?」と思ってしまいますよね。なのでフランス料理で取り扱うというのは非常に難しいです。その中で考えたこの料理は、チュロスの生地を使ってその上にマグロの「脳天」という頭のお肉を乗せています。
チュロスと聞くと甘いお菓子を想像されるともいますが、それは周りにグラニュー糖やシナモンシュガーなどをたっぷりまぶしているから甘いのであって、チュロスの生地自体は砂糖が入っていませんので甘くはないんです。その甘くない生地を素揚げして使えば料理にも使えるし、マグロの味を損なわないだろうと思い合わせる事にしました。
脳天を使っている意味は、”筋の美味しさ”。熱々に揚げたチュロスの上に脳天の肉を乗せているんですけれど、そうすると余熱で少しだけマグロが温まるんです。そうすることによって、加熱はしてないけど温めることによって、食材の香りは立ちます。
実はお寿司のシャリもマグロの時はシャリの温度一番高いのをご存知ですか?逆に青魚はシャリの温度は低い。一流のお寿司屋さんはそうやってコントロールしているんです。そうすると、やっぱりマグロには熱が必要なんだけど、火は通しちゃいけないという難しさが再び立ちはだかります。
マグロの中には食べることができないぐらい硬い筋と加熱すると美味しくなる筋、その2種類が存在します。脳天の間には筋が入っていて、その筋は加熱すると溶けてもちっとした食感を生み出します。加熱すると美味しい筋なんです。僕は筋と肉を全部バラバラに剥がして、身は生で出していますが、筋は炭火で炙ってからシブレットと一緒に和えて乗せています。
そうすることで火を入れていない身の美味しさと熱々に焼いた筋の香ばしさが同居します。そして下には熱々のチュロス、ほんのり温まっているマグロはマグロの香りはするんだけども火が入りすぎず魅力が失われていないところが、今回の料理の狙いです。
そして木村さんからアイデアを頂きまして2種類のソースを添えることにしました。赤ワインとバニュルスのソースとマグロの皮で作ったソースです。

※ 劇中で尾花が披露していた包丁を熱する工程ですが、通常の包丁を熱すると曲がることがあり危険です。劇中使用の包丁だからなせる技ですので、真似はしないでください。

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木更津産リコッタのクレームダンジュ

木更津ですごいモッツァレラチーズを作っている竹島さんという方がいらっしゃるんです。
そのモッツァレラチーズを作る時に副産物として、リコッタチーズができます。それが僕はすごく大好きなんです。モッツァレラももちろん好きですが、こんなにおいしいリコッタが日本で手に入るなんてすごい事だと思います。
リコッタチーズは劣化がすごく早く、鮮度が命。イタリアの物もすごく美味しいですが、日本に輸入する過程で何日も時間がかかってしまうと、やっぱり最高の状態では食べられない…。その点木更津だったらその日に作ったらその日に手に入ってしまう。距離的なアドバンテージも本当に素晴らしい。リコッタは「冷蔵庫入れる前に食べきるのが理想」というのが生産者の言い分。一回でも冷蔵庫に入れてしまうと味が変わってしまうと言われていて、理想は冷蔵庫に入れる前に食べてもらう。じゃないと本来の最高の状態ではないんです。
そのリコッタを使って今回クレームダンジュというのを作りました。
というのも元々クレームダンジュというのはフロマージュブランという酸味のあるタイプのフレッシュチーズを使って作るお菓子なんですが、日本では最高のフロマージュブランが手に入らないような気がしていて、その中でどうしたらいいか…と考えたときに、「最高のリコッタが存在するんだから、リコッタチーズでクレームダンジュを作れば最高のものが作れるんじゃないか」という思いで今回クレームダンジュを作ってみました。そこにパッハリート種という貴重なカカオの豆を散らし、カカオの香りとリコッタの香りを楽しんでいただけるデザートというものを作りました。
デザインは前回のモンブランに引き続き、徳永シェフにデザインをお願いしました。というのも、あくまで萌絵ちゃんが作った作品なので、僕が作ってしまうと僕の作風に全部なってしまいますから。今回も素敵なデザインにしていただきました。
コンセプト自体はリコッタチーズとカカオというのがテーマ。敢えて複雑にし過ぎないようにしています。

最終回の「gaku」のお料理のご紹介です。

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香草で香りづけしたエノキのステーキ、
黒トリュフと卵黄ソース

ヴィーガンのお客様のために、お肉料理に代わるメインディッシュを考えていた時に、この料理ができました。
様々な食材を試してみたのですが、脇役になりがちなエノキの、廃棄されがちな軸の部分が、密度の高い繊維質で、焼いたお肉に一番近い食感を持っていました。
また、米麹で香り付けしたオイルの「うま味」、炭火調理によるスモーキーな香り、仕上げの卵黄と燻製バターによって、お肉料理を味わっているような満足感を得る事ができる一品です。

4か月間の応援ありがとうございました。
ドラマの公式サイトでは、撮影直後のキャストたちのコメントなど…
オフショットや撮影裏話を公開中です。

まだまだ別れは名残惜しいですが、
同じ空の下、尾花たちは今日も料理に一生懸命に生きていることと思います。

また皆さんとお会いできるその日まで…🌙
Au revoir…❢


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