悪い習慣をやめるための『習慣逆転法』ざっくり版
■概要
習慣逆転法は悪い習慣をコントロールするための行動療法でざっくり以下の4段階に分かれます。
1.意識下練習
2.拮抗法の学習
3.リラックス
4.偶然性の管理(継続)
■1.意識下練習について
悪い癖っていうのはたいてい無意識(知らぬうち)に行われています。
ヒトは意識下の行動しか制御できません。
そこで無意識の行動を意識する必要があります。
具体的に言うと、悪い癖をどんな時にどんな場所でどんな状況の時に行うのかモニタリングするということです。(1週間ほど)
これをすることで、
「この時間この場所この状況って悪い癖を行うパターンじゃん」と認識出来ます。
その時点で無意識の行動ではなくなっています。
(意識下に置くだけでいいです。無理にやめないでください。)
こういう用紙を用意したのでご活用ください。
-注意点
1日のすべての悪い癖を記さなくてもOKです。
記入を忘れても自分を責めないように。
あくまで無意識の行動を意識下に置くが目的です。
忘れてた、と自覚出来るならばそれは意識下に置けているのです。
■2.拮抗法の学習について
拮抗法(拮抗反応)とはその悪い癖を行う時にそれを妨げる行動を用意することです。
意識下練習の後または並行して行ってみましょう。
例として、
爪を噛むのを直したいから爪に絆創膏を貼っておく
お菓子食べたくなったらガムを噛む
爪を噛むためにわざわざ絆創膏剥がしませんよね。
ガムを噛んでるのにお菓子は食べませんよね。
このように
悪い癖の邪魔をするor悪い癖と並行出来ない行動を用意する
方法です。
■3.リラックスについて
悪い癖ってそれをすることでストレス発散をしていたという側面もあるのです。
なのでそれをやめるということは
=今まで発散していたストレスを溜めるということなので『(腹式呼吸や運動など)良好なストレス発散行動』を学ぼうね、という段階です。
これはおいおい他の記事を書きます。
4.偶然性の管理
"たまたま1回悪い癖やめれた"を何回も継続して完全にやめようという段階です。
これには報酬(物的ごほうびではない)が大事で、
習慣化の手法が参考になるかと思います。
クセにもよりますけど1日の悪い癖全てをやめることは無理なので、
1.意識下練習では1回でも気づいて記入したら良しとする。
2.拮抗法の学習では拮抗反応を1度でも試せたのなら良しとする。
(カレンダーまたは表に記入する)
これも共有ドライブにあります
3.リラックスも1度でも出来たら良しとします。
例えばあなたが1日に12回悪い癖を行うとして、
「1度も悪い癖をやらない」(全か無か)と決意すると難易度が高すぎて早々に挫折します。
なので「1度でも対処出来たらOK」(加点法)にしましょう。
この達成感が偶然性の管理の"報酬"に当てはまります。
習慣形成に大事な"ベイビーステップ法"とも通じる考え方です。詳しくは↓
■大事な話
習慣逆転法は悪い癖を直すための行動療法の代表格ではありますが、
それでも改善する確率は6~7割ほどと言われています。
そんなもんです。
何度か失敗するかもしれません。それが当然です。
不必要に自分を責めないように。
それでも何回か試すか、また別の方法を試してみるのもご検討ください。
■まとめ
流れとしてはこうなると思います。
4.偶然性の管理を行った上で
1.意識下練習(1週間程度)
↓
2.拮抗法の学習
↓(余裕があるなら)
3.リラックスを学ぶ
拮抗法(悪い癖を妨害する行為)の準備・習慣がきちんと出来ていたら結構成功する感じもします。
3.リラックスは本当に余裕があったら、で。
参考
Using Habit Reversal Training to Reduce Physical and Verbal Tics
立石光、他『kinect を用いた習慣逆転法を支援するシステムの構築』
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